2018年07月10日23時24分掲載  無料記事
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橋本勝21世紀風刺画日記

309回 歴史に希望を持ちたい、でも・・・・・

21世紀の世界の人びとにとってアメリカという超大国の大統領に 
トランプがいたということは何という幸運であったことだろう 
さらに世界に緊張と危機を招き寄せかねない北朝鮮という 
国の首領の座に金正恩という若者がいた 
ということは何という幸運であったことだろう 
21世紀は核兵器が人類の未来を握っている時代である 
国家の存亡をかけて核保有国たらんとしている北朝鮮は 
国際的圧力をものともせず核実験を行い核ミサイルの開発に懸命である 
核武装国家であってこそ金王朝は安泰なのである 
リビアや イラクのようになってたまるかというわけである 
そんな金正恩の北朝鮮に対し 
トランプのアメリカは強力な圧力をかけてきた 
それは経済的制裁にとどまらず 
直接、北朝鮮への軍事的攻撃の姿勢さえみせていたのである 
だからトランプと金の激しい非難の応酬はすざまじいものがあり 
まさに一触即発の危険を感じさせるものであった 
そして戦争になれば数百万人の犠牲者が出る悲惨なものとなるであろう 
アメリカの同盟国である我が日本も多大な被害を受けるであろう 
朝鮮半島が、アジアがそんな危機的状況にあったからこそ 
トランプと金正恩の2人のリーダーの存在は 
何という幸運であったことだろう 
6月12日のシン ガポールでのトランプと金のトップの直接対話は 
歴史の大きな転換となる画期的なものであった 
そこで見せた二人の態度には大きな驚きさえ覚えた 
二人とも良き常識人であり、懸命な思索の持ち主とさえ感じさせてくれた 
朝鮮の非核化、朝鮮戦争の終結も 
ありえるのではないかとさえ感じさせてくれた 
そうした観測はリベラルな陣営から多く寄せられ(特に「赤旗」など絶賛) 
逆に「読売」「産経」など右側のメデイアは 
批判的な疑問を投げかけていたものだ 
核戦争の危険が一転して世界平和のムードに 
でも良かった!良かった!と 
喜んだり、安心したりしているわけにはいかない 
それを警告するのが風刺漫画家たる者 の役割である 
「トランプのツイッターする指先の上のホワイトハウスに 
核ミサイルが直撃している」 
今回のわが風刺画、それは彼の悪夢かそれとも正夢なのか・・・・・ 
歴史への楽観は禁物なのだ。 


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