2018年08月21日15時31分掲載  無料記事
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検証・メディア

官邸御用の政治記者田崎スシロー氏、時事通信特別解説委員を外れる

 安倍官邸擁護で名高い政治記者田崎史郎・時事通信特別解説委員が時事通信から契約打ち切りとなっていることが分かった。時事通信労働委員会がホームページで明らかにしたもので、7月5日に行った団体交渉で社側が田崎史郎・時事通信特別解説委員との契約を6月末で打ち切ったことを明らかにした。時事通信の大室真生社長はその理由について、田崎氏の年齢が内規で定める同ポストの上限の68歳に達したことを挙げた。田崎氏は、テレビを中心に安倍政権寄りに偏向した言論活動を行い、社内外から批判が絶えなかった。労働者委はかねてから早急に解任するよう要求してきた。社の説明を受け、労働者委は、遅きに失した社の対応に強く抗議した、とホームページ上で述べている。(大野和興) 
 
 田崎氏は官邸よりの言説で知られている。安倍首相と会食を重ね、「スシ友」と呼ばれている一部マスコミ幹部の一員として、ネット上で「田崎スシロー」という異名で呼ばれている。 
 
 労働者委員会との団交で大室社長は特別解説委員の上限年齢68歳は社長の上限年齢と同じであることを明らかにした。これは常務や一般取締役の上限年齢を上回っている。 
 労働委はこのことについて「特別解説委員というポストの重さを示唆するもので、こうしたポストに中立・公正を疑われる人物を据えたことは、権力を監視すべき報道機関として致命的な失策であり、取締役会の責任は極めて重い」と強い口調で批判している。 
 
 田崎氏の言説については多くの苦情がよせられ、編集局では対応しきれず、社長室の苦情処理窓口を設けていたことも明らかになった。 
 
 時事通信社は中期経営計画で、「中立・公正で偏らない報道に徹する」とする基本方針を掲げている。団交で労働者委そのことを指摘、「(田崎氏の言論活動が)時事通信を傷つけたとの反省の上に、『中立・公正』と謳ったのか」と質したが、大室氏は「それは全く関係ありません」と否定したという。 
 さらに労働者委は「田崎氏のテレビなどでの言論についてどう考えるか」と質すと、大室社長は「私が見ている時は問題なかった」などと釈明した。 
 
 労働者委のホームページは、そうしたやりとりを紹介したあと、 
「田崎氏に社の正式ポストである「解説委員」を上回るかのような「特別解説委員」なるポストを与え、国会記者会館での記者室の使用などの便宜供与をしてきた社の対応を問題視し、早急に特別解説委員を解任するよう要求してきた。内規の上限年齢満了まで契約を続けてきた社に対し、労働者委は抗議した」と述べている。 
 
参考:時事通信労働者委員会ホームページ 
http://www006.upp.so-net.ne.jp/wocomjp/index.html 


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