2018年08月25日16時19分掲載  無料記事
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国際

【西サハラ最新情報】 リー記者を国連から追放したのは誰だ?!  平田伊都子 

 「メディアは敵だ!」と、♠米大統領は連呼しています。 全米350以上の新聞社が、♠発言に抗議するキャンペーンを張っています。 自分の事を悪く言う人を敵と判断するのは、♠米大統領だけではないようです。 歴代国連事務総長の不祥事や怠慢を追及するリー・マチュウ記者は、国連から追放されました。 リー記者は、ロヒンギャやブルンジや中央アフリカなど、大手メデイアが取り上げない少数民族の人々に対する国連の対応を追及してきました。 特に、国連安保理が27年間放置している<国連西サハラ住民投票>の行方を追いかけてきました。 西サハラを占領するモロッコは国連西サハラ住民投票に反対で、国連からリーさんを排除しようと、企んできました。 
 
(1) どこにいるのか? リーさん??: 
 筆者は、国連事務総長報道官が主催する記者会見をチェックするのを、日課としている。その記者会見の一番前でいつもしつこく質問をしているのがリー・マチュウ記者だ。7月に入って、いつもの席にいつものリー記者がいない。夏休みかなと思っていたが、7月11日の記者会見でアヴニ記者が「いつもこの席にいる記者に何があったのか?」とステファン報道官に聞いた。ステファン報道官は、「一週間ぐらい前に、彼とトラブルがあって、彼の処遇が検討されている」と、国連出入りを禁止したと答えた。 
 7月13日にリー記者から、「緊急!僕の国連記者証は、完全に剥奪された。数分前に、スメイル国連事務官からその通知が届いた。僕は6月22日に、力ずくで国連ビルから保安係につまみ出された。シャツは破られ傷つけられた。その時、モロッコ外交官が一部始終を検証していた。7月3日にも、同様の事が起こった。日本の外務省は、助けてくれないだろうか?」と、SOSのメールが入った。 
 
(2)国連ヌーン・デイリー・プレス・ブリーフィング(国連記者会見): 
 8月20日の国連報道室。ステファン国連事務総長報道官は、8月18日に逝去したコフィ・アナン前々国連事務総長のお悔やみで、この日のブリーフィングを始めた。報道官は、アナンの親友だそうで、アナンを褒めちぎった。が、イラク戦争直前に長男コジョ・アナンが絡む(多分ご本人も絡む)6兆4千憶円の<イラク石油食料交換プログラムに関する国連の大規模不正疑惑>の件は、おくびにも出さなかった。質疑応答に入り、ベン記者が、「マチュウ・リーの排除は、一体、何なんだ? 国連はなぜ彼を排除したのか?」と、質問した。報道官は、「リー氏の記者証は、違法行為が再三あったので没収した。ジャーナリスト全員が記者証を受け取る時にサインをした、あの規約に違反したからだ。彼の行動は、国連ビルで働く外交官やスタッフやジャーナリストたちに不愉快な思いをさせた。一線を越えた無礼な振る舞いに、弾劾を下した」と答えた。「ベン、お前もサインしただろう、、」と、質問者に釘を刺した。 
 8月23日の国連報道室でアルジャジーラ記者が、「こんにちはステファン。マチュウ・リーが永久追放になったそうだが、、これは、最終判断なのか?」と、問いただした。ステファン報道官は、「我々は既に、リー氏に関しての報告を終えたと考えている。彼の記者証不許可は、規約に違反した行為への対処だ」と、答えた。 
 
(3)リー記者とは?:(参照CJR アマンダ・ダラッチの記事) 
 「リーは<家畜にたかるハエ・アブ>という重要な役を演じている」「誰もがうるさい奴だと思いつつ、彼の記事を読んでいる」、、と、国連記者仲間でリー記者の評判は、たいしたものがある。BBCやCNNやアルジャジーラやロイターやAPやら、看板をしょった記者たちの中で、リー記者一人がフリーランサー、一匹オオカミだ。インナー・シテイ・プレスという名称は、自分で勝手に作った看板だ。リー記者は、カメルーン、中央アフリカ、ロヒンギャ、ブルンジ、、そして西サハラなど、国連もメデイアも放置している、しかし、人間の尊厳にかかわる重大な問題を取り上げ続けている。西サハラ問題を国連から排除したい占領支配国モロッコは、リー記者の存在をウザったく思ってきた。「いつも同じ汚れたシャツで、外交官がひしめく国連の品位を汚している」とか、「モロッコを占領支配者と一方的に決めつける、偏見異常者」とか、モロッコはリー記者に言いがかりをつけて、様々な会合やイベントから彼を排除してきた。グテーレス国連事務総長もリー記者を煙たがっていた。リー記者が、「国連事務総長自身が決めた、午後8時半から9時半まで消灯するというアースアワー(3月最終土曜日の国際キャンペーン)の時間に、15億円の事務総長豪華マンションの灯りは、光々と輝いていた」とか、「公費を自分の旅費に回して、家族が住むポルトガルと単身赴任のニューヨークを、頻繁に往復している」などと、リー記者が追及の手を緩めなかったからだ。 
 
 リー・マチュウ記者(52才)は、1980年代半ばからホームレス援助や戦争反対を叫ぶ<ザ・カトリック・ウォーカー>にボランティアで活動し、夜と週末は建設労働者として働いていたそうです。 1987年にニューヨークの空きビルで、初めてインナー・シテイ・プレス紙を印刷しました。 国連に登場したのは2005年のことで、以来。国連内部のフリーランス記者として、一日に10以上の記事を書き続けてきました。 
「国連ビル前の路上で、国連情報を流し続けている、、 しかし、やっぱり、、国連内部で国連の事を追いかけたい、、」と、リー記者は最近のメールで、本音を吐いていました。 
 
  リー記者を国連から排除した真犯人! 名を名乗れ~!! 
 
Youtubeにアップした「人民投票」(Referendum)のご案内です。 
「人民投票」日本語版 URL :https://youtu.be/Skx5CP3lMLc 
「Referendum」英語版 URL: https://youtu.be/v0awSc25BUU 
 
Youtubeに4月アップした「ラストコロニー西サハラ」もよろしくお願いいたします。 
「ラストコロニー西サハラ 日本語版URL:https://youtu.be/yeZvmTh0kGo 
「Last Colony in Africa]  英語版URL:  https://youtu.be/au5p6mxvheo 
 
 
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名敏之     2018年8月25日 
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子 


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