2018年08月28日23時50分掲載  無料記事
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欧州

フランスの環境大臣の辞任が投げかけた波紋  新自由主義は環境保護と両立可能か 

  フランスの環境大臣だった二コラ・ユロ氏が突然辞任したことがフランスで波紋を呼んでいる。このことはプロ・ビジネス(ビジネス界寄り)のエマニュエル・マクロン大統領やエドゥワール・フィリップ首相と、抜本的な環境保護政策が両立するか、という原理的な問いかけを投げかけた、と受け取られているからだ。 
 
  投機的な金融の規制など金融の規制強化を求めてきたAttacフランスは「ユロ氏の辞任は明快なメッセージを持つ。エコロジーはマクロニズム(マクロン主義)と両立しない、ということだ」と声明を出した。「エコロジーへの転換は小さな歩みに満足していては決して成し遂げられない」とも述べている。 
 
  つまり、環境保護の中身は農薬や原子力、パーム油、自由貿易協定によるカナダのホルモン肥育牛、開発に伴う自然の破壊など、具体的なテーマの束であり、それらはビジネス界の利益と深く結びついている。そして業界のロビイストたちが自らに有利な政策を求めて政界や官僚の間を動き回っているのだ。したがって、抜本的な環境保護は規制緩和に傾きがちなビジネス本位の政府には不可能ではないか、ということである。 


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