2018年10月06日09時17分掲載  無料記事
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国際

北極海航路の可能性 温暖化で氷量減少

 9月8日付のThe Washington Post紙は、デンマーク海運大手APモラー・マースクが月内に、新造船「ベンタ・マースク」による北極海ルートの試験運行を行い、新たな航路に関する科学的データを収集すると報じた。 
 北極海ルートは、アラスカからシベリア海岸沿いを通り、スカンジナビア半島に至る。現在、北極海ルートを用いた海上輸送は、7月から10月にかけて可能となっている。地球温暖化の影響で北極や南極で顕著であった氷の融解が、北極海においても発生しているからだという。 
 同紙は、夏期に氷が全くなくなる時期が、2030年にやってくる可能性も否定できないとの専門家による見解も載せている。これにより、冷戦下の極冠をめぐる軍事的な争いではなく、商業的な争いが起こる可能性があるという。 
 同紙によると、北極海ルートは、インド洋やスエズ運河を経由する南の航路より時間がかからないものの、野生生物などの自然環境への悪影響が懸念されている。現時点で、北極海ルートは、通常の航路の代替案とまではならないニッチな市場かもしれないと専門家は見ているが、氷が薄くなることで、新たな航路の開設につながりうるとも考察している。 
〔ND米紙ウィークリーニュース第155号(September 28, 2018)〕 
 
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