2018年10月11日12時52分掲載  無料記事
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政治

仰天の特集 共産党の月刊誌で何が?!

 辻本清美(立憲民主党)、泉健太(国民民主党)、広田一(無所属の会)、穀田恵二(日本共産党)―――「野党国対委員長座談会 野党共闘で安倍政権を打倒する」と題する記事の出席者たちだ。 
 掲載されたのは『前衛』11月号。仕事柄いくつかの月刊誌に目を通しているが、日本共産党の「中央委員会理論政治誌」にこんな企画が登場するとは正直びっくりした。どうなっているのか。 
 
 巻頭企画のこの座談会、4人の国会議員が並んで微笑む(なぜか穀田氏だけ仏頂面)集合写真と、それぞれが発言しているアップの顔が、ページをめくるごとに目に入ってくる。沖縄県知事選で収録に参加できなかったが、当初は自由党の玉城デニー、社民党の照屋寛徳の両議員にも声をかけたという。 
 編集後記には、 
「『前衛』誌上での野党国対委員長の座談会は初めてのこと。座談会では、さまざまな問題を乗り越えながら緊密に連携をすすめ、安倍政権の民主主義をふみにじる数々の暴挙に、“行動する国対”、“対峙する国対”として、かつてない取り組みが進められていることが語られます。みなさんの並々ならぬ努力に敬意を表します」とある。 
 
 今だから言える本音や裏話も満載で、半年の政治ドラマとして一気に読める。詳しくはそのものを手に取ってもらうしかないが、二つ挙げる。 
 一つは、〔共産党が変わった〕という小見出しのところ。 
辻元氏が、国対委員長になったときに村山富市氏を含む歴代の国対委員長の経験者からアドバイスをもらったという話だ。そこで彼女は、何人かから「共産党に気をつけよ」と言われ愕然とした。しかし実際には、安倍政権との厳しい闘いという「非常事態」の中で、共産党ふくめた共闘が国会では実現した。 
 「過去のこだわりや自分の流儀を捨ててやっていかなければいけない」「少し腹が座り、ご飯をおなかいっぱい食べられるようになりました」という彼女の言葉は本当だろう。 
 
 もう一つは、その話に続いて泉氏が、「せっかくの機会なのでお聞きしたいのですが、共産党は、政権構想は具体的には、どのように考えているのですか」という問い。 
 これに穀田氏は、「日本共産党の綱領には、『さしあたって一致できる目標』での政権をめざすことも謳っている」「野党連合政権については、私たちも随分党内で議論をおこなって、一人区の全てで統一候補を擁立する方針を決めました」と答えている。 
 「その覚悟は見習わなければなりませんね」と泉氏が応じているが、野党の「覚悟」の具体化の一つが、今回の『前衛』企画だったということだろう。 
 
 座談会には、この半年の野党の合意文書や与党・政府への申し入れ、共同提出法案、合同ヒアリングと院内集会の日時とテーマなどの一覧が資料としてついている。それを眺めるだけでも、この半年の国会での野党共闘の深化が分かる。 
 ちなみに今号の『前衛』には、「誌上再現 宗教人と日本共産党との懇談会」という企画もある。ウイングを広げる同誌と共産党に新たな注目が集まりそうだ。(西条節夫) 


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