2018年10月13日14時22分掲載  無料記事
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環境

世界の海を汚すプラスチックごみで最も多かったのはコカコーラ、ペプシコ、ネスレ  上林裕子

 世界の海や海岸を覆い尽くすプラスチックごみ、その責任はごみを排出する消費者にあるといわれているが、使い捨て容器を利用した商品を大量に販売する企業に責任はないのだろうか…プラスチック汚染のない世界を目指すNGOの国際ネットワーク「ブレイクフリープラスチック」は世界6大陸で調査のために海岸清掃を実施、回収したプラスチックごみを分類した結果、最も多かったのはコカコーラ、ペプシコ、ネスレの3社の容器だった。 
 
■回収したプラスチックを企業別に分類 
 
 世界1300以上の団体が参加する同ネットワークは、6大陸の240ヵ所で調査を実施、集めた18万7千個以上の海洋プラスチックごみを企業別に分類した。その結果、数千の企業を特定することができたが、中でもコカコーラ社のものが最も多く、42カ国中40カ国で確認されたという。 
 
 コカコーラ以外で多かった企業を順に並べると、ペプシコ、ネスレ、ダノン、モンデリーズ・インターナショナル、プロクター・アンド・ギャンブル、ユニリーバ、ベルフェティ・ファン・メレ、マース・インコーポレイテッド、コルゲート・バルモリヴ、マクドナルド。 素材別ではポリスチレン、ボリエチレンテレフート(PET)が多かった。 
 
■使い捨て容器のつけを市民が払っている 
 
「ブレイクフリープラスチック」の参加団体である国際環境NGOグリーンピースジャパンのまとめによると、地域別に多かった企業名は以下の通り。 
 
【アジア】 コカコーラ、ベルフェティ・ファン・メレ、モンデリーズ・インターナショナルの3社で全体の30%を占めた。 
【北米】 コカコーラ、ペプシコ、ネスレの3社で全体の64% 
【南米】 コカコーラ、ペプシコ、ネスレの3社で全体の70% 
【ヨーロッパ】 コカコーラ、ペプシコ、ネスレの3社で45% 
【オーストラリア】 セブンイレブン、コカコーラ、マクドナルドの3社で全体の82% 
【アフリカ】 ASASグループ、コカコーラ、プロクター・アンド・ギャンブルの3社で全体の74% 
 
 フィリピンで調査を行ったグリーンピース東南アジアのプラスチックキャンペーナーであるアビゲイル・アギラールさんは、「今回の調査で企業の責任が明らかになった」という。フィリピンでは海岸を清掃しても翌日にはまたプラスチックごみでいっぱいになるほど汚染がひどい。「安価な使い捨てプラスチックに頼るグローバル企業のつけを市民が払わされているのだ」「企業にはプラスチックの生産抑制を求めたい」と、企業は社会的責任を自覚すべきと指摘 
する。 
 
■コカコーラ、2030年廃棄物ゼロを目指す 
 
 世界の海を救うためには何としてもこれ以上のプラスチックごみの流入を食い止める必要がある。国連環境計画(UNEP)が6月にまとめた報告書によると世界の60カ国以上が国レベルの何らかの規制を設けているという。 
 
 企業もまた、プラスチック削減の取り組みを始めている。鼻にストローが刺さった海がめのショッキングな映像がユーチューブで公開されたせいか、スターバックス、スカイラークやガストなど、プラスチックストローの使用中止に取り組むところが目立つ。 
 
 世界中で多くのプラスチックごみが確認され、「ブレイクフリープラスチック」から「海洋プラスチックごみに対して最も責任ある企業」と名指しされたコカコーラ社は今年1月、企業としての責任を認めた上で「2030年までに自社製品の容器を100%リサイクル可能し、リサイクル素材の利用や植物由来の樹脂の開発、容器の更なる軽量化などに取り組み、より進化したPETボトルの開発を進める」と廃棄物ゼロ社会の実現を目指すとしている。 
 
写真:「カナダ・トロントで海岸清掃活動をするグリーンピースのメンバー (写真:Stan Williams/Greenpeace)」 
 
(ジャーナリスト) 


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