2018年10月21日14時33分掲載  無料記事
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アフリカ

【西サハラ最新情報】 ホルスト・ケーラー元ドイツ大統領のお陰です。 MINURSO一年延長、脱植民地化委員会続投、そして、、平田伊都子 

 再び国連総会のスポットが<アフリカ最後の植民地・西サハラ>に当てられるようになったのは、ひとえに国連事務総長西サハラ個人特使・ホルスト・ケーラー元ドイツ大統領のおかげです。 
 特使が活動拠点を国連本部ビルではなく、自国ドイツ・ベルリンのプライベート・オフィスに置いたのが、吉と出たようですね、、 国連ビルにいたら、モロッコの執拗なロビー活動に煩わされて、正確な読みができなかったのでは?、 国連の、西サハラ脱植民地化長距離障害競争をスタート台に着けた、ホルスト・ケーラー元ドイツ大統領閣下、お疲れ様です。 でも、まだまだ、ハードルがたくさんあるようですね、、 
 
(1)ミヌルソMINURSO(国連西サハラ人民投票監視団)の任期を1年延長: 
ミヌルソMINURSO(国連西サハラ人民投票監視団)とは、<Mission des Nations unies pour l'Organisation d'un Référendum au Sahara Occidental, フランス語>の頭文字をアレンジしたPKO国連平和維持活動の名称だ。国連は1991年4月に、西サハラ植民地の独立を目指す西サハラ難民軍ポリサリオと宗主国モロッコ正規軍との戦争に終止符を打つため、<国連西サハラ人民投票>という和平案を出した。和平案を両当事者が受入れ、その和平案<国連西サハラ人民投票>実施を監視するために、ミヌルソMINURSO(国連西サハラ人民投票監視団)が、国連安保理によって設置された。それから27年経つが、ミヌルソMINURSOがその名に相応しい仕事をしたのは、たった一度だけ、、1998年にジェームス・ベーカー元米国務長官とジョン・ボルトン現米国家安全保障補佐官が、国連人民投票を設定しミヌルソMINURSOはその下で選挙準備をした。投票実施には至らなかったが、当時の投票人名簿はミヌルソMINURSOの金庫に保存されている。SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト)は1998年に取材したミヌルソMINURSOの作業風景を、<人民投票>と題してYoutu-buに立ち上げた。ご覧になってください。 
 20年来、投票に携わってこなかったミヌルソMINURSOは、2018年4月に半年間の任期を与えられた。その任期と業績が2018年10月11日に、国連安保理で検証された。結果、国連安保理はアントニオ・グテーレス国連事務総長とホルスト・ケーラー事務総長個人特使が提案する両当事者交渉を支持し、ミヌルソMINURSOの任期を1年延長することを決めた。アメリカ国連代表団は「半年任期にしたおかげで、関係者は頑張って成果を上げた。このペースで能率よくやってもらうには、半年の期間限定が最適だ」と、ミヌルソMINURSOの任期を半年にすることを主張したそうだ。 
 正式には2018年10月29日に、ミヌルソMINURSOに関する安保理決議が発表される。 
 
(2)国連総会第4脱植民地化委員会が西サハラ植民地問題を採択: 
 10月16日の国連総会第4脱植民地化委員会で、オマル・ヒラール・モロッコ国連大使は、「モロッコ・サハラ(西サハラのモロッコのみの呼称)は、モロッコ領土だ。植民地ではない。この国連総会第4委員会で取り上げる当該地域ではない」と、国連決議に従って西サハラを非自治地域(植民地)と規定する国連第4委員会に強く抗議した。 
 同じ日、同じ委員会で、西サハラの独立運動を支援するサブリ・ブカドゥン・アルジェリア国連大使は、「西サハラは国連総会決議1514が規定した非自治地域(植民地)で、国連脱植民地化の対象となっている。決議1514は植民地住民の民族自決権と独立 
を保障している。国際法上、1975年のICJ(国際司法裁判所)の書面にもあるように、植民地西サハラの両当事者とはモロッコ(宗主国)と西サハラ(被占領地)だ。西サハラの将来は、西サハラ被占領民自身が公正公平な<人民投票>によって決めるべきだ。アルジェリアはオブザーバーとして両当事者交渉の席に参加するが、当事者ではない」と、語った。 
 そして、10月17日、 国連第4脱植民地委員会は無投票で、「西サハラを非自治地域(植民地)とし、その地域人民の民族自決権と独立運動を認める」とした決議案を採択した。そのうえで、国連事務総長と国連事務総長個人特使による両当事者交渉の再開を強く支持した。アメリカ代表も、両当事者の直接交渉を支持した。しかしモロッコは、「西サハラを植民地扱いにするな」と、第4脱植民地化委員会の決議案に反対した。 
 
(3)みんなが支持する2018年12月5日と6日のジュネーブ・ラウンドテーブル: 
 2018年10月16日、ステファン国連事務総長報道官が、記者会見終了直前に、「どうしても言っておきたいことがある。昨日、西サハラの事を聞かれたが、、ポリサリオ西サハラ難民政府からもモロッコからも、さらにはアルジェリアやモーリタニアからも、ホルスト・ケーラー主催のジュネーブ交渉に参加するとの確約を取り付けた。そのことを報告しでおく」と、発表した。 
 UN国連は勿論、AUアフリカ連合もEUヨーロッパ連合も、ホルスト・ケーラー主催のジュネーブ・ラウンドテーブルを大歓迎している。モロッコの西サハラ占領を支持しているアラブ湾岸諸国の王様も首長も、両当事者交渉に関しては賛成している。強権王国サウジアラビアだけは、お仲間のモハンマド裟ぅ皀蹈奪街餡Δ鯀缶姪に支持し、「神聖なモロッコ国王領土を侵害する、いかなる行為も許さない」と、息巻いた。 
 なぜ、「ケーラーよくやった!」と国際社会がはしゃいでいるのかというと、2012年5月17日から今日まで、モロッコは前国連事務総長西サハラ個人特使が設定した交渉の席に、一切、着かなかったからだ。モロッコが馬鹿にしてきたその国連事務総長個人特使の職に、2017年後半からホルスト・ケーラー元ドイツ大統領が就いた。元ドイツ大統領の威光は予想以上にモロッコ国王の虚栄心をくすぐったようだ。モロッコ国王は元ドイツ大統領に謁見を許し、交渉のラウンドテーブルに着くことも許可した。両当事者直接交渉を嫌うモロッコに対して元ドイツ大統領は、両当事者の対談ではなく、アルジェリアやモーリタニアなどの関係諸国も交えたラウンドテーブルで、これからの交渉のやり方を話し合うだけだと、説得した。 
 しかし、モロッコはあくまでポリサリオ西サハラ難民政府と顔を合わせるのを拒み続けている。ナセル・ブリタ・モロッコ外務大臣は、「モロッコがラウンドテーブルに着くのは、何をやろうとしているのかを偵察するためだ。モロッコは<モロッコ領内でのサハラ州>という案以外は議論しない」と、駄目押しをしている。 
 
 12月末になると西サハラ人民がモロッコ軍に祖国を追われ難民になって、43年になります。 43年間、モロッコは西サハラ人民を疎外し続けてきました。 
 そのモロッコを穴から燻し出して、国際交渉の広いテーブルにつけようと図っているのが、ホルスト・ケーラー元ドイツ大統領閣下、、 
 2018年12月5日と6日のジュネーブ・ラウンドテーブルが成功しますように、、 
 そして、実質的な両当事者交渉に繋がっていきますように、、 
 
 
Youtubeにアップした「人民投票」(Referendum)のご案内です。 
「人民投票」日本語版 URL :https://youtu.be/Skx5CP3lMLc 
「Referendum」英語版 URL: https://youtu.be/v0awSc25BUU 
 
Youtubeに4月アップした「ラストコロニー西サハラ」もよろしくお願いいたします。 
「ラストコロニー西サハラ 日本語版URL:https://youtu.be/yeZvmTh0kGo 
「Last Colony in Africa]  英語版URL:  https://youtu.be/au5p6mxvheo 
 
 
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名敏之     2018年10月21日 
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子 


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