2018年12月20日18時04分掲載  無料記事
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アフリカ

【西サハラ最新情報】  ジョン・ボルトンは西サハラ支持  平田伊都子

 日本でジョン・ボルトン米国家安全保障補佐官と言えば、拉致被害者の会が渡米した時最初に会ってくれた政府高官で、北朝鮮やイランに強硬な<スーパーコンサーバティブ>として有名です。 そのジョン・ボルトンは、1991年のミヌルソMINURSO(国連西サハラ人民投票監視団)創設の草案に関わっていました。 そして、上司のジェームス・ベーカー元米国務長官が国連西サハラ事務総長個人特使の任務に就いた時、その右腕として人民投票実施に向けて活躍しました。(Youtu-benishiの<人民投票>をクリックしてください) さらに米国連大使(2005年~2006年)になった時には、人民投票実現に向けて努力しました。 が、人民投票を拒否するモロッコの妨害で、彼の思いは頓挫したままです。 
 
(1)ジョン・ボルトン、「西サハラ人民投票を早くやれ!」: 
 「紳士淑女の皆さま、民族自決権の西サハラ人民投票は27年前に実施されるはずだった。が、27年経って、、人民投票監視団は未だに存続しています。そんなことが許されていいのか、、何年にもわたって、私は西サハラの人々に、思いを馳せてきました」と、2018年12月13日、ヘリテージ財団の講演でジョン・ボルトン米国家安全保障補佐官は、ミヌルソMINURSO(国連西サハラ人民投票監視団)に対して苛立ちと不満をはっきり表明した。 
 さらにボルトン米国家安全保障補佐官は、「我々が本当にこの紛争地に生きる罪なき人々を守ろうとするのなら、責任ある強固で効果的なPKOが強く求められます」と、言及した。そして、「4月に合衆国は、MINURSOの任務期限を半分にしました、、合衆国は、国連PKO(ミヌルソMINURSO)の支援を継続するかどうかを、再検当します。我々は、効率的形態に再編成して、効果的で有効な作戦のみを支援していきます。任務を全うできない、恒久的平和に寄与しないPKOは排除しますので」と、断言した。 
 ヘリテージ財団は、1973年にアメリカのワシントンDCに創設された保守系シンクタンクだ。保守派の論客ジョン・ボルトン(70)は、しばしばヘリテージ財団に招かれて講演を行なってきた。我々庶民とは反対の側に立つ保守派のボルトンさんだけど、どこに行くにも傘を手にした、ちょっとトボケタ・タワシ鼻髭、、<優しい保守>さんだ。<ファイアーファイター>火消しの息子さん、西サハラ紛争の火を、一日も早く消してください。 
 
(2)モロッコの逆襲: 
 ワシントンDCに在住しモロッコ外交をリードするモロッコ人論客サミール・ベニスは,2018年12月18日のMWN(モロッコ世界ニュース)で、ボルトン演説に強く反発した。サミール・ベニスはMWNの共同創設者でもある。CORCAS(モロッコ王立サハラ問題諮問評議会)は、MWNの論説をしばしば転載している。 
「モロッコはジョン・ボルトンのトランプに対する影響力を、最大限警戒しなければならない!アメリカに於けるアルジェリアのロビー活動への対抗策として、モロッコは今すぐ、ポンピオ米国務長官を攻略するロビーストを雇うべきだ!!」と、ヒステリックに叫んだ。 
 「ボルトンが、トランプ政権は長期にわたる国連平和維持活動への資金援助を絶つつもりだと、講演で明言した。彼らの目的を達することができなかったPKO平和維持活動の一つとして、ミヌルソMINURSO(国連西サハラ住民投票監視団)を名指ししている。このアメリカ高官は、ミヌルソMINURSOの失敗に関して、5分以上も論じた。ボルトンは、ミヌルソMINURSOの失敗と国連安保理の無能さに、失望したと語った。が、彼の口調は10年も前に出版した<降伏という選択肢は無い>という自伝と全、全く同じだ」と、言及した。そして、「モロッコ外交団は、今までになく強力に必死になって、これ以上この動きが進展しないよう食い止めなければならない」と、煽った。 
 
(3)ロシアと西サハラ: 
 駐モロッコ・ロシア大使ヴァレリアン・シュヴァエヴは、スプ―トニック・ニュースで、「ロシアは西サハラ紛争の関係者と友好的であり続けていく。国連安保理の下で干渉してくる連中がいるが、ロシアは一線を画したい。我々は、ポリサリオ戦線や、モロッコと、さらにアルジェリアやモーリタニアとも、通常の関係を維持していく」と語った。 
 2018年7月に駐アルジェリア・ロシア大使イゴル・べリアヴは、「モスクワは、国連西サハラ決議の実施を強く支持している。西サハラ人民投票を実現しようと努力している国連代表団を支援する。ロシアは、ポリサリオ戦線とモロッコの両当事者交渉再会を目指す、国連西サハラ事務総長個人特使ホルスト・ケーラーを支持する。ロシアは、アルジェリアを当事者として西サハラ紛争に巻き込もうとするモロッコ案に反対する。アルジェリアはモーリタニアと同じく、隣国としてのオブザーバーであるべきだ」と、ロシアがポリサリオを支援していることを明確に表明した。 
 
 ♠米大統領殿、ボルトン米国家安全保障補佐官の指導の下に、西サハラ紛争を解決してください。 そして、いち早く国連西サハラ人民投票に着手してください。 国連西サハラ人民投票に関しては、共和党も民主党も超党派で仲良くやっていけます。 2009年、当時のオバマ大統領に国連西サハラ人民投票の実施を進言したのは、民主党の重鎮故エドワード・ケネディーです。 人民投票を支援するロシアとも、ロシア疑惑を超えて、世界平和に貢献できます。 
 何よりも、あなたの側近ジョン・ボルトン米国家安全保障補佐官は、国連西サハラ人民投票のスーパー・エキスパートです。 
 
 
Youtubeにアップした「人民投票」(Referendum)のご案内です。 
「人民投票」日本語版 URL :https://youtu.be/Skx5CP3lMLc 
「Referendum」英語版 URL: https://youtu.be/v0awSc25BUU 
 
Youtubeに4月アップした「ラストコロニー西サハラ」もよろしくお願いいたします。 
「ラストコロニー西サハラ 日本語版URL:https://youtu.be/yeZvmTh0kGo 
「Last Colony in Africa]  英語版URL:  https://youtu.be/au5p6mxvheo 
 
 
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名敏之     2018年12月20日 
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子 


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