2019年01月19日09時37分掲載  無料記事
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スポーツ

「電通による電通のための東京五輪」を返上しよう 戸塚章介

  金子勝さんがツイッターで東京五輪を「ブラック電通支配」と断じている。「東京オリンピックのマーケティングで電通は『すべて』だ。招致活動からロゴの選定、スポンサーの獲得、放映中のテレビ・ラジオのCM等の広告宣伝活動、全国で開催される五輪関係行事、五輪本番での管理・進行・演出等、文字通り全部に電通が1社独占で介在」。こんな電通が今回の招致疑惑に無関係のはずがない。 
 
 「贈賄常習のディアス親子への2億円供与は、電通のAMS社のコンサルタントが深く関わっていることを英国ガーディアン紙が伝える。五輪が選手や競技や施設の商品化を通じて、『利権集団』に貪られる中で、NHKなど提灯マスコミは電通の名の隠蔽に必死だ」。 
 
 ネット情報紙「ビジネスジャーナル」も、「『殺人的企業』電通、東京五輪で独占的巨額利益は許されるか?電通のための東京五輪」と題してライター深笛義也氏のレポートを発信している。ここでも五輪招致ののための賄賂2億数千万円は、電通を通じて支払われたことが指摘されている。 
 
 今回の東京五輪には、パナソニック、ブリヂストン、トヨタなど有力企業がスポンサーとしてついている。スポンサー料は5年で50〜60億円。電通に入ってくるお金は計3700億円といわれ、この金を使ってどんなあくどい工作もできる。今追及されている竹田IOC会長など電通の使い走りに過ぎない。 
 
 裏でこれだけのことをやっているのに、今回の五輪招致疑惑報道では電通のデの字も出ない。明らかに隠蔽されているのだ、とおれは思う。誰が隠蔽したのか。五輪招致の前面に立った安倍首相を頂点とする政権側と巨額の金を支出するスポンサー大企業、つまり日本の支配層の中枢なのではないか。 
 
 では何のために隠蔽しなければならないのか。おれは、今電通の疑惑を突っついてしまうと自らの関与も白日の下に晒されるからだと思う。竹田1人に罪をかぶせて後は頬被りする、権力者のいつもの手口だ。森友学園の籠池と同じ運命なんだよな。同情する義理はないけど、哀れな生贄だ。 
 
 ラジオパーソナリティーの久米宏さんが「東京五輪返上」を強く求めて発言している。この招致疑惑をきっかけにいろんな人が開催に疑問の声を上げ始めた。もっと大きな世論にしようではないか。そのためには一番核心の電通を暗闇から国民の面前に引きずり出すことが必要なのではないだろうか。 


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