2019年03月13日10時03分掲載  無料記事
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外国人労働者

立ち上がった技能実習生 「平成の女工哀史」を許すまい

 厚生労働省の外国人雇用状況調査(17年10月現在)によれば日本で働く外国人労働者の国別のトップは中国で37万人(29.1%)、2位がベトナムの24万人(18.8%)である。ちなみに3位以下はフィリピン、ブラジル、オーストラリア・ニュージーランド、ネパール、韓国、ペルーの順だ。ドイモイ路線で経済発展中と言われるベトナムだが、都市と農村とか富と貧困とかの格差があるということなのかも知れない。「日本に行けばお金になる」と誘われて、渡航費用を借金で工面して日本に来たがその実態はどうか。3月2日付『京都新聞』が次のような記事を載せている。(戸塚章介) 
 
 39歳のベトナム人技能実習生(女性)が、最低賃金以下で働かされたとして京都地裁に労働審判を申し立てた。女性は夫と死別後、2人の娘の大学進学費用を作るために「送り出し機関」の紹介で福知山にある縫製会社に技能実習生として雇われた。仕事は単純なミシンがけだがノルマがきつく、監視人から大声でプレッシャーをかけられる。他の8人の実習生とともに二段ベッドの狭い寮に入れられた。 
 
 女性の申し立ては〆把稍其發箸虜抗曚裡横毅伊円、▲僖好檗璽箸亮茲蠑紊欧箒制貯金、過労死ラインを超える残業命令などの仕打ちに対する慰謝料110万円の請求という内容だ。「連日の残業で頭痛が続いた」「ひどい仕打ちを受けた。来たことを本当に後悔した」と女性は述懐している。 
 
 女性の声を聞いて労働審判への申立てを援助したのは、京都で外国人労働者問題を取り上げている個人加盟の労働組合「きょうとユニオン」である。女性は来日後11か月ほどしてユニオンの存在を知り、組合員になった。それを知った会社は組合脱退を求めて脱退届への署名を迫った。同時に法的手段をとることに備えて給与支払明細書や労働条件通知書、残業時間を記した業務日誌も示さなくなった。 
 
 この京都新聞の記事を見る限り明らかな法違反がある。最低賃金法と労働組合法の二つだ。日本国内で人を雇って働かせてたら最低賃金法は守るべきだし、組合脱退を強要するのは労組法7条違反の不当労働行為である。労働審判申立てを受けた京都地裁がどのような判断を示すか注目される。 
 
 6日付『毎日』万能川柳に「平成の野麦峠ね実習生」という句が入選していた。100年以上前の女工哀史が未だに通用する日本。立ち上がったベトナム人女性の頑張りに期待する。 


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