2019年04月16日16時12分掲載  無料記事
http://www.nikkanberita.com/print.cgi?id=201904161612032

外国人労働者

最賃以下で長時間労働、極安残業代、団交拒否 京都でベトナム人技能実習生が裁判に訴える

 京都でベトナム人技能実習生の裁判が始まっている。一日13時間以上の労働、残業は1時間400円。実習生のパスポートや保険証、年金手帳を取り上げ、帰国時に返還すると言う約束で賃金から強制貯金をさせていた、という案件だ。技能実習生の訴えを受け、裁判に関わっている労働組合「きょうとユニオン」は支援を訴えている。(大野和興) 
 
 きょうとユニオンのホームページで.笠井弘子委員長は次のように述べている。 
 
 昨年6月17日ひとりのベトナム人女性がきょうとユニオンを訪問してきました。 
 彼女は京都府福知山市の郊外にあるヨーク鷏で縫製係員として働いている技能実習生でした。 
 彼女の訴えは、「朝8時〜夜23時までの長時間労働が月曜から土曜まで続き、体がきつい。給料も最低賃金を下回る基本給と、1日8時間を超える部分は1時間当たり1年目は400円、2年目は500円しかはらわれないのはおかしい。」というものでした。 
 
◆脱走防止? パスポートや健康保険証・預金通帳も取り上げ。 
 ヨーク鷏では、実習生のパスポートや保険証、年金手帳を取り上げ、帰国時に返還すると言う約束で賃金から強制貯金をさせていました。また毎日5時間、月100時間を超える残業をさせていました。(7月のユニオンからの申入れの直後にこれらは解消されました)実習生は、このようにして文句も言えない、逃げ出すこともできない境遇に置かれていました。 
 
◆団交拒否・不当労働行為の数々、監督署もお手上げ。 
 きょうとユニオンは7月に会社と監理団体に対して、要求書と団体交渉の申入れを送りましたが、会社はこれを無視し、監理団体が解決の為に指導に乗り出しました。しかし、会社は監理団体の指導を拒否した上で、弁護士を代理人として、あれこれの理由をつけて逃げ回り、最終的には団体交渉を拒否してきました。 
きょうとユニオンは実習生の委任を受けて、労働基準監督署に未払い賃金の申告を行いましたが、会社は最初にユニオンを訪問した一人を除く5人を切り崩し、監督署に対して“知らぬ存ぜぬ”の証言をさせ、一人の組合員に対しては日々いじめを行いました。彼女は9月10日に外部のシェルターに避難しています。会社は監督署に対して「長時間労働や未払い賃金などは一切ない。交渉もしない。文句があるなら裁判でもすればいい」とうそぶいています。 
 
 きょうとユニオンは、賃金未払いの民事訴訟と、団交拒否の不当労働行為に対する労働委員会への救済申し立て、労働基準監督署への告訴、悪質な弁護士への懲戒請求など可能な手段で、この問題を突破するために、闘う事を決議しました。同時に、安倍政権が進める外国人人材受け入れの現実がどのような物なのかを告発するためのキャンペーンを取り組みたいと考えています。 
 心ある労働者・労働組合のご協力とご支援をお願いします。 
取りあえずは、裁判費用がありません!絶大なるカンパを呼びかけます。 
 
振込先: 01080−8−28710 きょうとユニオン 
 ベトナム技能実習生裁判闘争カンパ 
 
ご連絡・お問い合わせ先 
きょうとユニオン(京都地域合同労働組合) 
601-8015 
京都市南区東九条上御霊町64 アンビシャス梅垣1F 
Tel:075-691-6191 Fax:075-691-6145___詳細は下のアクセス先へ_コミュニティ・ユニオン全国ネットワーク きょうとユニオン 


Copyright (C) Berita unless otherwise noted.
  • 日刊ベリタに掲載された記事を転載される場合は、有料・無料を問わず、編集部にご連絡ください。ただし、見出しとリード文につきましてはその限りでありません。
  • 印刷媒体向けの記事配信も行っておりますので、記事を利用したい場合は事務局までご連絡下さい。