2019年05月06日09時36分掲載  無料記事
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社会

元号の変わり目での雑感  野上俊明(のがみとしあき)

  平成から令和の元号の転換に際し、そのことをもっとも巧みに自己の政治目的に利用しているようにみえる安倍首相です。そんな折、携帯で侍従長に「小田野展丈」氏が就いたという記事が目に入りました。「小田野?」、すぐ思い出しました。私がヤンゴンでレストランを経営していた頃、ミャンマーの日本大使として赴任してきた小田野氏でした。学年は一つ上でしたが、私と同じ23年生まれで慶應出身だったので、どんな人だろうと思った記憶はあります。赴任期間が短かったので直接お話する機会はなかったのですが、前任者にはのちに中国大使になった宮本雄二氏や学究肌の津守滋氏など、政治分析能力があり、自分のことばをもって語りかける能力をもった方々を見てきたせいか、我々に語りかけることばが紋切型なのでがっかりしました。そのことばや態度から、保守的権威主義的で融通の利かないタイプであることがみてとれました。それかあらぬか、ある年の年末の日本人会忘年会で挨拶されたのですが、ほんの短いあいさつにメモを見ながら、しかも「・・・このように日本人会の皆々様が楽しまれることを心より嬉しく思います」と天皇ばりの口吻だったので、こいつ何なんだと反発を感じたことを記憶しています。 
 
  この方が侍従長、もしや安倍首相の徳仁天皇―皇室包囲網の一環として宮内庁に送り込まれてきたのではないかと邪推してしまいます。天皇制についての考え方は左翼の中でも微妙な違いがあり一筋縄ではいかないのですが、安倍政治による天皇取り込み作戦によって新天皇の象徴性に徹する意志が挫けないように、国民として広くバックアップする必要を感じるところです。 
 
野上俊明(のがみとしあき) 
 
 
ちきゅう座から転載 


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