2019年05月27日00時54分掲載  無料記事
http://www.nikkanberita.com/print.cgi?id=201905270054401

国際

トランプ政権の報道の自由への攻撃  ニューヨークタイムズが報じた米検察によるアサンジ氏の起訴のケース スパイ罪の適用

  ニューヨークタイムズは5月25日と26日の週末号の社説に"An assault on press freedom "(報道の自由への攻撃)と題する社説を掲げた。ここで語られている内容は、極めて重い意味を持つ。ウィキリークスの創設者、ジュリアン・アサンジ氏がロンドンにあるエクアドル大使館から英国警察に引き渡されるシーンは映像で報じられたばかりだが、そのアサンジ氏に米検察が新たに先週、起訴を行った。そのとき検察は1917年のスパイ法なる法律を持ち出して、彼が国家秘密を違法に入手し、公開した件で起訴しているのである。 
 
  ニューヨークタイムズはアサンジ氏への起訴も問題としているが、同時に米検察がスパイ法を適用した場合、その情報を入手して公開したニュースメディアにも起訴が波及する可能性を示した。これは米憲法の修正第一号である、言論の自由に抵触するものである、とニューヨークタイムズは検察の判断を非難している。アサンジ氏は違法に入手した政府機密情報をメディアに公開したことでスパイ法違反で起訴されたのだが、その理屈から言えば、アサンジ氏から情報を入手したニューヨークタイムズやその他、複数の国々のメディアもアサンジ氏と同様の理屈で起訴される可能性が出てきたのだ。 
 
  しかし、過去の「ウォーターゲイト事件」や「ペンタゴンペーパー」のケースのように、米ジャーナリズムは200年来、取材源の秘密を守りながら、寄せられた権力の腐敗を暴く情報を使い、それに基づいて記事を書いたり、それを手がかりにしたりして取材して記事を書いてきたのである。ニューヨークタイムズは過去には一度もニュースメディアがスパイ法で起訴されたことはない、と記しているが、しかし、メディアを敵視するトランプ政権だけに油断ができないと見ているのだろう。そして、実際にウィキリークス自体は通常の外国スパイではないが起訴されたのである。 
 
  たとえ違法な形で誰かがメディアにもたらした情報であっても、新聞などが報じてよしと判断されてきた根拠(修正第一条)は、民衆に真実を伝えることの大切さにあると訴える。実際にその通りだろう。 
 
 
 
■「独立宣言と米憲法」(The Declaration of Independence and The Constitution of the United States) 
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201401102038235 
「『修正米憲法』の第一条第一項はこうである。 
 
  Congress shall make no law respecting an establishment of religion,or prohibiting the free exercise thereof;or abridging the freedom of speech ,or of the press ,or the right of the people peaceably to assemble ,and to petition the Government for a redress of grievances. 
 
 議会は国政において宗教を確立する法律を作ってはならないし、また宗教上の行為を自由に行うことを禁じる法律を作ってもならない。さらに自由な言論や出版を禁止する法律を作ってはならないし、また平和的に集会を行ったり、政府の政策に対する不満からその修正を請願することを禁止する法律を作ってはならない。」 


Copyright (C) Berita unless otherwise noted.
  • 日刊ベリタに掲載された記事を転載される場合は、有料・無料を問わず、編集部にご連絡ください。ただし、見出しとリード文につきましてはその限りでありません。
  • 印刷媒体向けの記事配信も行っておりますので、記事を利用したい場合は事務局までご連絡下さい。