2019年06月30日09時12分掲載  無料記事
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国際

G20 米政治評論誌がサウジの皇太子の問題を指摘 記者会見でもカショーギ記者殺害の件が質問されていた

  アメリカの政治評論誌POLITICOが今回、大阪で開催されたG20で多くの人が感じていた疑問について直截に指摘した。それはサウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子が参加していたが、この人物は国際的なスキャンダルの渦中にいる人物であり、それはカショーギ記者の虐殺を指揮していたのではないかという疑問である。この件は米議会でも追及されている問題だ。ところが、そのムハンマド皇太子とトランプ大統領と安倍首相が隣り合って記念写真を写している。POLITICOは見出しをこうつけた。 
 
  ”Trump praises Saudi crown prince, ignores questions on Khashoggi killing”(トランプはカショーギ記者の殺人への疑問を無視して、サウジアラビアの皇太子を称えた)。記事の中でPOLITICOはこう指摘している。 
 
”But Trump has largely ignored the evidence, including a conclusion by the Central Intelligence Agency, that Prince Mohammed ordered the killing.” 
(しかし、トランプは、CIAが下したムハンマド皇太子が殺人を命じたという結論も含め、証拠を大々的に無視した) 
 
  この件について、G20の記者会見の場で世界の記者たちはトランプに質問を浴びせたとPOLITICOには書かれている。「インテリジェンスのことについては答えられない」として米大統領が逃げ回ったことも記されている。さらに、記事ではムハンマド皇太子もトランプ大統領も大阪のインペリアルホテルでこの件について記者の質問を受けたとされる。世界の記者たちは聞くべきことは聞いているのだ。 
 
  ところが、皮肉にもG20の記念写真では前面中央に報道統制を進める安倍首相、記者殺しの黒幕の疑惑のあるムハンマド皇太子、ニューヨークタイムズはじめ記者たちを「民衆の敵」と批判してやまないトランプ大統領、そして記者を大量拘束したトルコのエルドアン大統領の4人が並んでいる。 
 
※POLITICOの記事 
https://www.politico.com/story/2019/06/29/trump-mbs-khashoggi-g20-1390412 


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