2019年07月12日18時13分掲載  無料記事
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政治

れいわ新選組 「れいわ祭」 政治の新しい風 〜日本社会を象徴する町の候補者たちが続々登壇〜

  れいわ新選組の「れいわ祭」が品川駅前で12日の夕方行われています。冒頭、創設者の山本太郎議員が登壇し、消費税をゼロにして、その財源は富裕層や大企業などへの累進制度を当てればおつりが9兆円来ると語り、その9兆円を学生の借金をチャラにすることに使っていいですか、と問いかけました。大きな反響の中、今回の参院選の候補者が次々と登壇中です。 
 
  最初の候補者は渡辺てる子氏、元派遣労働者でシングルマザーだという彼女は買い物の時に買えなくなる価格の一線について語り、「政治は生活だ」と訴えました。 
  次に登壇したのは三井よしふみ氏、元銀行員で元セブンイレブンのオーナーです。銀行員からスーツを脱いでコンビニで働くようになって初めて、いろんな人に出会う機会を得た、と語っていました。自分がオーナーをつとめたコンビニに父子家庭の女子学生がアルバイトに来た話や仲間だったコンビニのオーナーが苛酷なシステムのために先日不幸な死を遂げた話などを語り、今の政治がいかに弱者に厳しいかを語りました。三井氏の語り口は確かにこれまでの政党の候補者の演説では聞いたことのない独特の語り、というよりも生の声でした。 
 
  二人の話を聞いていると、今までの政党の文化とは異なる風を濃厚に感じることができました。永田町の言語ではなく、それぞれの暮らしの場から語らずにはいられない言葉がそこには脈打っていました。今回、れいわ新選組は10人の候補者を立てています。候補者には他に、女装した大学教授や施設での生活を拒んできた重度障碍者、公明党に反逆しあえて東京選挙区で出馬した沖縄の創価学会員など。次に登壇するのはいったい何者なんだろう?とハラハラドキドキさせます。その多彩さと新鮮な言葉は、まるで英国の実話ベースの政治コメディ映画を見ているかのような印象を与え、面白い選挙戦だと感じさせられました。 
 
  多くの人々の声に耳を傾ける。山本太郎氏の選挙戦の味わいはここにあると思いました。2016年にパリで大きな運動になった「立ち上がる夜」(Nuit Debout) もまた政治の場から疎外されてきた市井の人々の声に広場に集まって耳を傾けよう、という運動でしたが、その感覚が蘇ってきたのを感じました。壇上から一方的に話す、という形態は従来の選挙と同じでしょうが、山本太郎氏が市井の人に近い、多彩な人々を呼び集めてきたことが、いろんな生活現場の声に耳を傾けるのと同じ感銘を与え、かつてない独特の運動になっている理由でしょう。 
 
 
 
■フランスのレピュブリック広場で続く人々の大討論会 'Nuitdebout'(立ち上がる夜) 
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