2019年07月22日02時17分掲載  無料記事
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政治

国民民主党も野党共闘に参加したなら政策協定を守るべきだ

  今回の参院選で自民党は議席を減らし、改憲勢力の自民・公明・維新を足しても3分の2に及ばないだろうという見通しが出る中、TVの中継で安倍首相は国民民主党にも改憲論議を持ちかけていく、と語っていた。 
 
  もともと2017年の衆院選で希望の党に移籍したかつての民進党議員たちは改憲を拒否しないことを踏み絵にされていた。そして国民民主党の玉木代表も改憲自体の論議自体には加わっていくと以前から言っていた。だが、それでも市民連合を間に挟む形で国民民主党も政策協定を結び、野党共闘に参加した以上、政策協定の実行が求められる。この中で憲法に関して言えば、まず第一項目に「安倍政権が進めようとしている憲法『改定』とりわけ第9条『改定』に反対し、改憲発議そのものをさせないために全力を尽くすこと」が挙げられている。 
 
  野党協定を信頼して国民民主党に票を投じた有権者も少なくないはずである。その信頼を裏切ったなら、次はないだろう。 
 
 
 
■「立憲野党4党1会派の政策に対する市民連合の要望書」 
 
来る参議院選挙において、以下の政策を掲げ、その実現に努めるよう要望します。 
 
だれもが自分らしく暮らせる明日へ 
 
1 安倍政権が進めようとしている憲法「改定」とりわけ第9条「改定」に反対し、改憲発議そのものをさせないために全力を尽くすこと。 
 
2 安保法制、共謀罪法など安倍政権が成立させた立憲主義に反する諸法律を廃止すること。 
 
3 膨張する防衛予算、防衛装備について憲法9条の理念に照らして精査し、国民生活の安全という観点から他の政策の財源に振り向けること。 
 
4 沖縄県名護市辺野古における新基地建設を直ちに中止し、環境の回復を行うこと。さらに、普天間基地の早期返還を実現し、撤去を進めること。日米地位協定を改定し、沖縄県民の人権を守ること。また、国の補助金を使った沖縄県下の自治体に対する操作、分断を止めること。 
 
5 東アジアにおける平和の創出と非核化の推進のために努力し、日朝平壌宣言に基づき北朝鮮との国交正常化、拉致問題解決、核・ミサイル開発阻止向けた対話を再開すること。 
 
6 福島第一原発事故の検証や、実効性のある避難計画の策定、地元合意などのないままの原発再稼働を認めず、再生可能エネルギーを中心とした新しいエネルギー政策の確立と地域社会再生により、原発ゼロ実現を目指します。 
 
7 毎月勤労統計調査の虚偽など、行政における情報の操作、捏造の全体像を究明するとともに、高度プロフェッショナル制度など虚偽のデータに基づいて作られた法律を廃止すること。 
 
8 2019年10月に予定されている消費税率引き上げを中止し、所得、資産、法人の各分野における総合的な税制の公平化を図ること。 
 
9 この国のすべての子ども、若者が、健やかに育ち、学び、働くことを可能とするための保育、教育、雇用に関する予算を飛躍的に拡充すること。 
 
10 地域間の大きな格差を是正しつつ最低賃金を「1500円」を目指し、8時間働けば暮らせる働くルールを実現し、生活を底上げする経済、社会保障政策を確立し、貧困・格差を解消する。また、これからの家族を形成しようとする若い人々が安心して生活できるように公営住宅を拡充すること。 
 
11 LGBTsに対する差別解消施策、女性に対する雇用差別や賃金格差を撤廃し、選択的夫婦別姓や議員間男女同数か(パリテ)を実現すること。 
 
12 森友学園・加計学園及び南スーダン日報隠蔽の疑惑を徹底究明し、透明性が高く公平な行政を確立すること。幹部公務員の人事に対する内閣の関与の仕方を点検し、内閣人事局の在り方を再検討すること。 
 
13 国民の知る権利を確保するという観点から、報道の自由を徹底するため、放送事業者の監督を総務省から切り離し、独立行政委員会で行う新たな放送法制を構築すること。 
 
 
 
※希望の党が公約発表 「9条含め改憲を論議」(中日新聞 2017年10月) 
https://www.chunichi.co.jp/article/senkyo/shuin2017/zen/CK2017100602000345.html 
 「希望の党代表の小池百合子東京都知事は6日午前、都内で記者会見し、同党の衆院選公約を発表した。憲法について『9条をふくめ憲法改正論議をすすめる』と明記し、安倍晋三首相が提案した自衛隊の存在を明文化する改憲も議論の対象とした。2030年までの『原発ゼロ』、19年10月に予定される消費税率10%への引き上げ凍結など、安倍政権との対立軸となる政策も前面に掲げた。」 


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