2019年07月23日19時25分掲載  無料記事
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アフリカ

【西サハラ最新情報】  CAN(the African Cup of Nations)アフリカ大陸杯  平田伊都子

 7月18日金曜日正午、22回目の金曜デモで、アルジェリア首都アルジェはアルジェリア国旗で埋まりました。 そして一夜明けた7月19日のアルジェは、前日より何10倍ものアルジェリア国旗で溢れていました。 アルジェリアの政治改革を促す人民による金曜デモは、アルジェリア人の間で、金曜礼拝のように定着してきました。 一方、7月19日のそれは、CANサッカーアフリカネイションズカップを獲得した、アルジェリア・サッカーチームを歓迎する熱列なデモでした。 
 
(1)CAN (the African Cup of Nations)アフリカネイションズカップ: 
 サッカー・アフリカネイションズカップはサッカー・ワールドカップに匹敵する、サッカーのアフリカ大陸選手権大会だ。全アフリカ民族が参加できるオールアフリカサッカー大会は、その名も<CAN(the African Cup of Nations)諸民族のアフリカカップ>と、名づけられている。1957年にスーダンで初開催された時には、エチオピアとエジプトとスーダンのたった3か国のみで戦われ、エジプトが初代チャンピオンになった。基本的に2年に1度偶数年に開催されてきた。2014年にはリビアでの開催が予定され、カダフィ大佐の息子でサッカー協会会長の息子サアード氏は張り切っていたが、2011年にカダフィーが欧米に惨殺されサアード氏は収監されたため、リビア大会を1年前倒しで2013年に南アフリカで行った。 以降、CAN(the African Cup of Nations)アフリカネイションズカップは奇数年開催となっている。 
 アフリカ大陸の人々は、素晴らしい身体能力と運動能力を持っている。サッカー界も例外ではなく、CANの大会はヨーロッパクラブのスカウトにとって、絶好の選手発掘の場となっている。一方、ヨーロッパクラブで飯を食っているアフリカ出身のスター選手たちだが、ヨーロッパクラブでのプレーよりもCANに出場することを重要視し、誇りに思っている。 
 
(2)おめでとう!アルジェリア!!: 
 第32回CAN(the African Cup of Nations)アフリカネイションズカップは、2019年6月21日から7月19日にかけてエジプトを開催地に、24ナショナルチームの間で戦われた。 
準決勝にはアルジェリア、セネガル、ナイジェリア、チュニジアが残り、決勝戦はアルジェリアとセネガルが勝負した。そして、1対0でアルジェリアが制した。アルジェリアのCAN優勝は、これで2回目となる。準優勝はセネガルで3位はナイジェリア、4位はチュニジアに決まった。 
 最優秀選手に選ばれたアルジェリア人のイスマエル・べナセルは、1997年12月1日にフランスのアルルで生まれた。両親はアルジェリアとモロッコの移民で、移民2世のイスマエルはアルジェリアとフランスとモロッコの国籍を持つ、移民二世だ。現在プロ選手としてイタリア・エンポリFCに属し、ポジションはMF(ミッドフィールダー)だ。 
 アルジェリアナショナルチームのキャプテン、リヤド・マフレズも1991年2月21日にフランス・サルセルに生まれた移民2世で、アルジェリアとフランスとモロッコの国籍を持っている。現在、イギリス・マンチェスター・シティFCのウィングとして活躍している。 
モロッコにも2重国籍や3重国籍のプロ・サッカー選手が多々いるそうだ。 
 <国境なきプロサッカー選手団>の存在は、アフリカ移民問題解決に風穴を開けてくれるか、、な? 
 
(3)悔しがるモロッコは八つ当たり: 
 モロッコ国王モハンマド裟い離汽奪ー好きは、イラク大統領フセインの息子ウダイやカダフィ大佐の息子サアードに負けずとも劣らない。 
 モロッコは、2015年大会の開催国に選ばれたにもかかわらず途中で放棄したので、2017年と2019年のCAN(the African Cup of Nations)アフリカネイションズカップ参加を禁じられていた。が、スポーツ仲裁裁判所にねじ込み、強引に2019年CANへの参加を決めた。そのうえ、開催国エジプトが作った宣伝用のビデオやポスターに西サハラの国旗が載っているといちゃもんをつけ、西サハラ国旗を削らせた。そして、2016年に雇ったフランスのイケメン・スーパー監督のエルヴェ・ルナールに、<アトラス・ライオン(モロッコ・ナショナルチームの愛称)>の采配を託し、優勝に賭けた。しかし、結果は無残で、4強にも残らなかった。アルジェリアが優勝を決めた翌日、エルヴェ・ルナールはアトラス・ライオンを辞任させられた。 
 BBC英国TVやAPS(アルジェリア・プレス・サービス)など、世界のメデイアがアルジェリアのCAN勝利を伝えた。インターネットの勝利ニュースは、モロッコ占領地・西サハラにも同時に流れ、首都ラユーンでは深夜にもかかわらず、アルジェリア優勝を喜ぶ西サハラ住民が町にくり出した。アルジェリアの優勝が面白くないモロッコは、モロッコ占領警察やモロッコ人入植者たちをけしかけ、平和で無防備な住民たちを襲わせた。放水車や警察車両が住民を蹴散らし、お祭りの集いは一変して修羅場と化した。そして、警察車両は一人の若い女性を轢き殺した。 
 2019年7月22日、APS(アルジェリア・プレス・サービス)は、「モロッコ占領地ラユーンで、アルジェリアサッカーチームが2019年CAN最終戦でセネガルに勝利したのを祝う、平和な集まりにモロッコ警察車両が突っ込み、サバハ・オスマン・ハミダ(23才の西サハラ女性)を轢き殺し、他の若者たちにも重傷を負わせた」と、報じた。 
 
 7月22日、西サハラ難民政府大統領ブラヒム・ガリは、国連事務総長アントニオ・グテーレスに、このモロッコ占領警察による殺人事件に対して、強く抗議する書簡を送りました。 その中で、「モロッコ占領当局の西サハラ住民に対する非人道的行為は、日々、エスカレートしている。モロッコ占領地・西サハラに展開している国連PKOミヌルソMINURSO(国連西サハラ人民投票監視団)は、モロッコ占領当局の蛮行を阻止する義務がある」と、言及しました。 そして、「国連は約束通り一日も早く民族自決権の人民投票を実施すべきだ。それ以外に、この不幸な植民地悲劇を解決する法はない」と、結びました。 
 国連事務総長殿、公約を守って<西サハラ人民投票>を早く実現してください。 
 
 
Youtubeに2018年7月にアップした「人民投票」(Referendum)をご案内します。 
「人民投票」日本語版 URL :https://youtu.be/Skx5CP3lMLc 
「Referendum」英語版 URL: https://youtu.be/v0awSc25BUU 
 
Youtubeに2018年4月アップした「ラストコロニー西サハラ」もよろしくお願いします。 
「ラストコロニー西サハラ 日本語版URL:https://youtu.be/yeZvmTh0kGo 
「Last Colony in Africa]  英語版URL:  https://youtu.be/au5p6mxvheo 
 
 
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名敏之     2019年7月23日 
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子 


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