2019年11月14日19時54分掲載  無料記事
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政治

安倍首相の選挙マシーンだったNHKの石原進経営委員長がついに交代  

  第二次安倍政権誕生以来、NHKへの国民の信頼は大幅に下がり、企業体としてのNHKの名誉は戦後最大の危機にある。その危機を招いた核心は原発報道から、かんぽ生命の報道まで「経営」という立場から人事と予算を握ってきた石原進経営委員長だろう。この石原氏が12月10日をもって任期満了ということで交代することになる。これを朗報と呼ばずして何と呼べばよいのか。 
 
  石原氏は目立ちやすいNHK会長とは異なり、比較的目立ちにくい存在ではあったが、見えにくい裏側からNHKをがっちりコントロールしてきた。石原氏は2016年にNHK経営委員からNHK経営委員長に昇格したが、その際、批判を浴びたため、日本会議福岡の名誉顧問という立場を降りている。改憲を目指す日本最大の政治圧力団体のキーマンがNHK経営委員としてそれまでNHKで発言してきたこと自体も大きな問題がある。さらにJR九州の重役でもある石原氏は九州の電力産業とも深い関係があり、原発推進の旗振り役ですらあった。今後、NHKが国民の信頼を回復するには、過去にどのような圧力や忖度があったのか、1つ1つ明らかにすることが不可欠だ。石原進氏がNHK経営委員になって3期、9年はあまりに長かった。 
 
  NHKが変わったかどうかを判断できるポイントは今、報じられ始めた「桜を見る会」への安倍首相のスキャンダルをNHKがどこまで報道できるかだろう。これがNHKの本質を見分けるリトマス試験紙となる。もし、これまでのように安倍べったりの解説委員らが安倍首相擁護発言をNHKで繰り返すなら、次の選挙でNHKは解体の可能性も含めて、抜本的に改革される必要がある。 
 
 
※公職選挙法 199条の5−2 
 
 「何人も、後援団体の総会その他の集会(後援団体を結成するための集会を含む。)又は後援団体が行なう見学、旅行その他の行事において、第四項各号の区分による当該選挙ごとに一定期間、当該選挙区(選挙区がないときは、選挙の行なわれる区域)内にある者に対し、饗きよう応接待(通常用いられる程度の食事の提供を除く。)をし、又は金銭若しくは記念品その他の物品を供与してはならない。」 
 
 
村上良太 


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