2019年12月31日19時17分掲載  無料記事
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講談社「英語で読む高校世界史」 

  最近、町の書店で高校の世界史の教科書を英語にした本が売られていたのを見ました。出版社は1つは山川出版社(英文 詳説世界史 )で、もう1つが講談社(「英語で読む高校世界史」)でした。どちらもよく似たコンセプトです。筆者が購入したのは講談社によるものです。これは高校の「世界史B」(東京書籍)を全文英訳したもので、380ページ近くあります。 
 
  世界史を英語で学ぶメリットは言うまでもなく、世界史を学びながら英語も学べると言う一石二鳥の効果です。もう1つは、英語で歴史を学べば、世界中の人と英語を通して情報交換ができ、交流する道が開けてくることにあります。高校時代にその1歩を踏み出すことができたなら、長い将来は大きく変わってくるでしょう。 
 
  今、日本では書店が減り、出版不況であり、さらに国民経済も苦しくなっているために万事が先細りの状況にあります。こんな中、英語ができるかどうかで入手できる情報が大きく変わります。日本語の新聞が日本に紹介している外国情報はかなりバイアスがかかっているだけでなく、質量ともに乏しいものがあります。インターネットやスカイプ、ソーシャルメディアを使って外国から情報をどれだけ入手できるかで情報環境が違ってきます。その意味では「英語で読む高校世界史」はその1歩に過ぎず、できれば理科や哲学、情報学なども学生が英語で勉強できるテキストが待たれます。 
 
 
 
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