2020年02月20日15時41分掲載  無料記事
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国際

マイケル・ブルームバーグ元NY市長が起こす民主党大統領選挙・予備選での波紋

  マイケル・ブルームバーグ氏はブルームバーグという金融情報端末の創業者で、その成功の結果、大金持ちとして知られており、ニューヨーク市長を過去に3期12年務めた大物。そのブルームバーグ氏が民主党大統領候補を選ぶ予備選挙に参戦し、サンダース陣営とは別の形で波紋を呼び起こしています。ブルームバーグ氏の参戦について、アメリカでは金に糸目をつけず、スタッフも大量動員し、選挙宣伝の動画PRもTV局でバンバン流す、とすら報じられています。先日、MSNBCで報じられていたのはブルームバーグ陣営の動画広告がサンダース候補を始めとする他の民主党候補者たちを非難する内容のものだったことです。 
 
  この結果、アメリカではブルームバーグ候補が「金で選挙を買っている」という批判の声が高まっています。しかも、ブルームバーグ氏はかつて共和党員だった時代もあり、民主党のサポーターたちからは懐疑の声も出ています。左派のThe Intercept誌は、エリザベス・ウォレン候補が先日、かなり手厳しい非難の言葉をブルームバーグ候補に投げかけていたことを報じました。ウォレン候補はブルームバーグ候補は、本質的に2016年のトランプ候補と同じであり、ブルームバーグ候補が勝つとしたら、それは結局、もう一人の億万長者を選ぶに過ぎない、と言っていたそうです。ウォレン候補はサンダース候補と同様に金融界を始めとする今の格差社会にメスを入れようとしているだけに、ブルームバーグ候補をつぶさないといけないと思っているのでしょう。 
 
  ブルームバーグ候補は豊富な自己資金で腕利きの選挙スタッフを雇っているとされ、彼らが少額の寄付を無数に集めて闘っているサンダース陣営とこれからの選挙戦をどう闘うかが見ものです。ブルームバーグ候補はバイデン候補ら穏健派候補を撤退させ、サンダース候補と一騎打ちになることを目指しているとどこかで報じられていました。そうなった場合に、サンダース大統領になったら必ず起こされる金融規制の強化を回避すべく、ウォール街や産業界資本家層がブルームバーグ陣営支援に回る可能性は高いはずです。 
 
 
 
 
※Mike Bloomberg Goes After Bernie Sanders In New Campaign Ad | Morning Joe | MSNBC 
https://www.youtube.com/watch?v=N4JEBIZDaGI 
 
※Mike Bloomberg doubles ad spending, expands staff after Iowa caucuses 
https://www.cbsnews.com/news/bloomberg-doubles-ad-spending-expands-staff-after-iowa-caucus-debacle/ 
 
※Facebook changes ad policy after Bloomberg hired influencers 
https://www.cbsnews.com/news/facebook-political-ad-policy-change-bloomberg-meme-instagram-influencers/ 


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