2020年02月27日23時29分掲載  無料記事
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コラム

2020年の最悪のシナリオ 4 ふんどし法でファシズム化を完成

   全国の小中高にコロナウイルス対策の休校を要請して全能感を感じた安倍首相がさらに全能感をエスカレートさせないとは言い切れない。では、どんなことがあり得るか? 
 
  もっともくだらない妄想で恐縮だが、たとえば、危機を乗り切るために、男女を問わず国民にふんどし着用を義務付ける「ふんどし法」を多数決で強行採決させることだ。想像するに、恐ろしい法律だ。伝統下着ふんどしで緩んだ日本人の精神を引き締め、毎朝、近所の公園で寒風摩擦することを義務化する、と言った可能性だ。もちろん、くだらない妄想で終わって欲しい。 
 
  だが、どんな法律であろうと、今の状況では誰も止められなくなっている。安倍政権は国会でどんなに野党が反対しても、受け流し、強行採決で通してしまうことができる。憲法違反ではないかと疑問を持つ人がいても、最高裁判事も安倍政権の任命した判事が多く、「合憲」だと言う可能性がある。会食仲間の新聞各社も忖度して判断を保留するだけ。こうしてどんな法律を作っても、誰も止められなくなる。こうした寓話の国から脱出するためには次の3つが 
必要だ。 
 
  国会が正常であること 
  (つまり、与党が卑怯な手を使わないこと) 
 
  裁判所が行政府から独立している事 
 
  報道が権力から独立して国民のために機能している事 
 
  壊れてしまった日本を立て直さなくてはならない。だが、恐ろしいことはこんな事態になっていても、デモをしたり、政権を批判したりするのを否定する人々が多数であることだ。日本人は羊みたいだ。選挙で選ばれたのだから、もし反対なら次の選挙で変えればいい、と彼らは言う。だから、安倍政権も国民から白紙委任状を得ているのだから、ふんどし法だろうが、何だろうが自由に作って構わないし、法律や憲法の解釈も一夜に替えても構わないと思っているだろう。 
 
 
南田望洋 


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