2020年03月14日17時12分掲載  無料記事
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平野由希子著「『ル・クルーゼ』だから、おいしい料理」 

  偶然、最近入手した平野由希子著「『ル・クルーゼ』だから、おいしい料理」は、今まで知らなかったことが惜しまれる優れた本です。初版は2003年に出版されているので、すでに17年も経っています。ル・クルーゼはすでにもう知名度も高いフランスの厚手の鍋のブランドですが、僕は未だ持っていません。いつか買いたいと本書を読んで思いました。とはいえ、本書で取り上げられている料理のレシピは、おそらくル・クルーゼでなくても〜味は少し落ちるかもしれませんが〜作れるレシピでもあると思います。 
 
  ぶり大根とか、炊き込みご飯などの和食のレシピも多少はありますが、基本はフランスの家庭料理です。典型は「にんじんと牛肉の白ワイン煮」。普通にフランス人が家庭で作っているであろうスープです。平野氏の作り方の説明は過不足なく、とても分かりやすいのが特徴です。料理の本は十数冊読みましたが、中でもとてもイメージを作りやすい一冊に入ります。過剰に情報がないことが、筆者のような初心者にとっては肩の力を抜いて読めることにつながっているのでしょう。 
 
  その意味で敷居が低かったからか、「なすのキャビア」とか、「パプリカのアンチョビ炒め」とか、「新じゃがとにんにくの揚げ蒸し焼き」とか、「ぶつ切りごぼうのバルサミコ炒め」、あるいはデザートの「バナナのキャラメル煮」などを読んでさっそく試作してみました。「にんじんと牛肉の白ワイン煮」もです。フランスの料理のテクニックが、私のような初心者にも理解できるようです。 
 
  以前、ダニエル・マルタン氏の「フライパン1本でできるお手軽フレンチ」という本について書いたことがありましたが、「『ル・クルーゼ』だから、おいしい料理」はメニューがマルタン氏の本の料理群よりも日本人の僕には食べてみたい、と思わせるものに富んでいる気がしました。 


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