2020年04月04日14時20分掲載  無料記事
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政治

来年こそは、放射能とコロナでおもてなしか 東京五輪は「中止」が「延期」になっただけ 入口紀男

物理学者入口紀男氏の五輪中止論 
以下はNorio Iriguchi氏のFacebook 4月3日付けの記事からの採録である。日刊ベリタへの投稿の許可を著者自身から得て投稿する。(山端伸英) 
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来年こそは、放射能とコロナでおもてなしか、それとも中止か 
 東京五輪が延期されて来年の 7月23日からとなりましたが、アスリートにとっては、「実施」が延期されたのか、それとも、「中止」が延期されたのかがよく分からないのではないでしょうか。私は後者(中止が延期された)になるだろうと思います。新型肺炎(COVID-19)の終息がここ何年先になるか、見通しが全く立たないからです。 
 アスリートにとって、宙ぶらりんの目標に向かわされることにも辛いものがあるでしょう。もっとも、本物のアスリートとして、世界で積み上げられた屍(しかばね)を前に、悲しみの中で出場を「辞退」して 1年間「喪」に服すというのならば、私もそのアスリートを尊敬します。 
 以下は私の2019年10月19日の投稿記事ですが、再掲します。 
 
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ごめんなさい。すべてウソでした。中止します。 【再掲】 
 国際オリンピック委員会(IOC)の トーマス・バッハ会長におかれましては、世界の多くの識者から届き始めた「放射能・酷暑多湿の東京オリンピック見直し」の申し入れに対して、法律の専門家として責任上の危機感を募られまして、また、せめて御自らの在任期間中に東京オリンピックが中止とならないようにと急場をしのいで、放射能と酷暑多湿の危険がやや少ない「札幌」の札を切ってくださったことに感謝申し上げます。確かに、ボランティアの学生、生徒、児童の、また、国内海外から来てくれる選手、観客のせめて「生命」と「健康」と「人権」は守られなければなりませんから。 
 でも、IOCに千億円単位の違約金を支払って、中止いたします。ごめんなさい。すべてウソでした。 
 これは、3兆円に膨らんだ予算よりも中止するほうが安あがりというだけでなく、ここに真実を申し述べて、古来から信義誠実の原則に生きてきた日本人の民族としての矜持(きょうじ)を取り戻すためです。 
 
 そもそも、開催計画書に「この時期の東京は、天候は晴れる日が多く、かつ温暖であるため、アスリートが最高の状態でパフォーマンスを発揮できる理想的な気候である」と書き述べてIOC招致委員会に提出申し上げましたが、あれもウソでした。 
 IOC招致委員会が捜査機関でなく、開催計画書とプレゼンを「信じる行為をするしかない」という立場を利用いたしました。今年の7月29日〜8月9日の間の熱中症患者は 31,098人、うち死亡者 80人、3週間以上の重症の入院患者は 1,129人でした。もし開催していたら、世界からオリンピック開催中の日本に来てくれる観光客は、酷暑・炎天多湿の東京に驚いていたでしょう。我われ日本人は、世界の多くの人びとを欺き、危険にさらして殺そうとさえしていました。特に最寄駅から競技会場までの「ラスト・1 マイル」が危ないようでした。その危険が、各学校に割り振って自発的と見なして徴用されるボランティアの学生、生徒、児童や、国内海外から来てくれる選手、観客を襲っていたことでしょう。どうかお許しください。電通の広告事業によって支配されたメディア(新聞・テレビ)各社も、五輪スポンサーとして、それを知っていながら横並びでこれを黙殺し、国、東京都、組織委員会、そして電通の顔色のほうをうかがって総掛かりで東京五輪の翼賛報道を流し続けました。 
 
 招致プレゼンの「アンダー・コントロール」もウソでした。「ブロック」もウソでした。放射能汚染水は地表から地下から今も少しずつ海に漏れ続け、1〜3号機建屋三階プールの 1,573体の核燃料も、格納容器底の 280トンのデブリも、未だに 1グラムも取り出せていません。将来取り出せる見通しもありません。3基の原子炉は現在たまたま冷温停止していますが、本当はいつ何時再臨界が起きて東京にも大量の放射性物質が飛散して来る危険性が今この瞬間も常にあります。1,000基のタンクに蓄えた汚染水も、特に遺伝子に危険なトリチウムだけでなく、発がん性をもつセシウム137とストロンチウム90に、基準値以上に汚染されたままです。それをもうコントロールできなくなったからといって海に流そうとさえしています。台風でフレコンバッグから流れ出た汚染土はどこに行ったか分かりません。 
 
 世界の国・地域・民族に対してウソをつく行為をした民族としての評価が日本人全体に向けられていることでしょう 
 日本人古来の精神的な価値観であった「おもてなし」の心を、招致という「見返り」のために利用して無残にぶち壊しました。あれも冗談というほかはありません。 
 招致当時の日本の五輪委員会(JOC)の竹田恆和(つねかず)会長もフランス司法当局から贈賄容疑で捜査されています。この贈賄の嫌疑も、日本人全体に向けられていることでしょう 
 東京が安全な都市として復興したことを印象付けるために、高濃度のセシウム137が沈着して今も糞尿臭が流れ込む東京湾で世界の選手を泳がせようとしました。 
 
 日本は、今も事故直後の非常事態下にあります。年 20ミリシーベルトでも避難できるまではそこに居住してもやむなしというのならまだしも、人道をまともに考える普通の人なら想像さえできないでしょうが、福島の人びとを改めてそこに帰還させております。受精卵・胎芽・胎児、生後 9 歳までの小児は、放射線による障害が特に大きく、何人かに 1人はがん死して中学生になれない恐れがあります(J. Gofman 教授 1987年)。問題はすべて隠ぺいされており、将来の不幸な結果は子どもたちの「自己責任」とされるでしょう。 
 
 福島の復興を世界に印象付けるために、聖火の出発点の一つを福島にしようとしました。でも、3兆円の予算も福島に回ることはなく、組織委員会が分配する利権に東京の広告会社と土建会社等が群がっているだけです。現実には、復興五輪が復興を阻害しております(櫻井勝延・元南相馬市長)。 
 
 福島のオリンピック予定の野球場の土壌からは、セシウムで 6,000Bq/kgという非常に高い放射能が検出されました。これは米国の一般土壌と比較しても3,000倍の放射能です(Fairewinds 01March 2019)。 
 
 あの招致の当時は、すべて隠しきれると思っていました。でも、もう世界に対して隠し通せません。すべてウソでした。世界の皆さま、アスリートの皆さま、そして国民の皆さま、ごめんなさい。ここに真実を申し述べて東京オリンピックの開催を中止いたします。 
       - - - - - - - (注)- - - - - - - - - 
 読者の皆さまにはすでにお分かりの通り、この投稿記事の中心思想(中止と謝罪)は今のところフィクション(虚構)です。しかしながら、告白の内容(中心思想の理由)はすべて真実(事実)です。 


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