2020年04月05日20時43分掲載
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政治
「此頃都ニハヤル物」 ‶ネット落書〟が笑い飛ばす安倍首相のコロナ右往左往
「此頃都ニハヤル物」で始まる「二条河原落書」。1334年に京都・鴨川のほとりに掲示された落書は、平安末期の流行歌謡・今様の形式で、後醍醐天皇による建武政権の世の中の混乱ぶりや不安定な世相を風刺たっぷりに描いた作者不詳の傑作である。さて、令和の時代、新型コロナに右往左往する安倍政権下ではどんな〝ネット落書〟が流れているか──。
まずは、コロナウイルスの感染拡大防止に、突然、布マスク二枚を全家庭に配布すると表明した安倍首相に困惑するサザエさん一家の表情。
ついで、その会見の中継をするテレビ画面。
いずれも作者は判らないが、ネットで流れ流れて拡散している。
そして、こんな句?も。
・白マスクこれでシロだと言いたいか 二枚とは貴方の舌ことだろう
・白布2ケ こりゃ係長の仕事だぜ
・白布2ケ 自慢のドヤ顔に世界笑い
・いその家に 内紛呼び込む 2枚(ツー)マスク
・タラ or マスオ 配布に悩む サザエさん
・「瀬戸際」に 先があったぞ! 「正念場」
・モリとカケ 桜の口にも 2(ツー)マスク
・¥30万っ! ところで、その金 誰にツケ?
・無策だが 「緊急宣言」 手の中に
ちなみに、二条河原落書に書かれた「「此頃都ニハヤル物」とは?
「日本の歴史」(https://.com/2018/11/%E4%BA%8C%E6%9D%A1%E6%B2%B3%E5%8E%9F%E3%81%AE%E8%90%BD%E6%9B%B8/
では、以下のような原文と現代語訳と解説が記されている。
夜討(ようち) 強盗 謀(にせ)綸旨
召人(めしうど) 早馬 虚騒動(そらさわぎ)
生頸(なまくび) 還俗 自由(まま)出家
俄大名(にわかだいみょう) 迷者
安堵 恩賞 虚軍(そらいくさ)
・・・
夜討ち、強盗、ニセ文書。使用人の早馬によるそら騒ぎ。生首、僧の還俗、一般人の自由出家。急に羽振りがよくなる俄か大名、落ちぶれて路頭に迷う者。所領の保証、恩賞目的のでっちあげ戦さ……
落書は次のように締められている。
朝ニ牛馬ヲ飼ナカラ
夕ニ賞アル功臣ハ
左右ニオヨハヌ事ソカシ
サセル忠功ナケレトモ
過分ノ昇進スルモアリ
定テ損ソアルラント
仰テ信ヲトルハカリ
天下一統メツラシヤ
御代ニ生テサマ々々ノ
事ヲミキクソ不思義共
京童ノ口スサミ
十分一ソモラスナリ
政府の新政策が、従来の社会の制度や慣行を無視したこと、いい加減な坊主、恩賞目当てや身分の保証を求めて右往左往する武士の姿、成上がり者についてリズミカルに七五調で列記されています。
無方針の政策への不信を中心に、傍観者的且つ斜に構えた態度が見て取れます。
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