2020年05月07日15時37分掲載
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国際
【西サハラ最新情報】 ワクチン戦争 平田伊都子
2020年5月4日の夕刻に、安倍晋三内閣総理大臣が新型コロナウィルス感染拡大防止緊急事態宣言後の記者会見を開きました。 1時間ほど経ったら「外交日程がありますので」と、司会者が記者会見を打ち切りました。 5月30日まで、またまた外出規制や通勤制限や商売自粛が強いられ、一般国民の命や生活はどうなるのか？ どんな保障を国はしてくれるのか？ 記者団には聞きたいことが山ほどあっただろうに、、＜外交日程＞とは？
一方大阪府では、「給料の減らない僕にとってこれからの一か月はたいしたことない。が、一日一日、帳簿と睨みッコをして生きている人々にとって、追加緊急事態の一か月はあまりに長すぎる、、」と、吉村大阪府知事が2時間以上に及ぶ記者会見をしました。 顔を紅潮させて必死に語る吉村大阪府知事に、コンピューター越しではありますが、拍手を送らせていただきました。
�．肇薀鵐廚粒�国：
2020年4月末にトランプ米大統領が、＜5月1日Open America（アメリカ開国）＞を宣言した。トランプ米大統領は毎夕刻にタスクフォース（ホワイトハウス・コロナ最前線チーム）を従え、1時間半から2時間にわたり丁寧で誠実な記者会見を続けた。日々増加する死者を抱えたクオーモ・ニューヨーク州知事の記者会見を昼間に、夕方はトランプの記者会見を見るというのが、アメリカ庶民の習慣と、ある種の楽しみになっていた。当時、民主党大統領候補にクオーモ・ニューヨーク州知事を押す声が上がったりもした。ちなみにクオーモ・ニューヨーク州知事の元妻ケリーは、ロバート・ケネディーの娘で西サハラ難民を支援している。4月28日にトランプ大統領は、「新型コロナウィルスの最前線で戦う勇気ある医療関係者たちに感謝し称賛するため、そして、未だに新型コロナウィルスとの戦闘状況にあることを、全てのアメリカ人に警告するため」と、米空軍サンダーバード６機と米海軍ブルーエンジェルス6機の見事なアクロバット飛行を、まず、ニューヨーク上空で展開させた。
4月30日には、新型コロナウイルスの発生源に関して、中国の武漢にある研究所から広がった可能性があるという認識を表明した。
➁ワクチン戦争、アメリカの先手：
アメリカのギリアド・サイエンシズ製薬会社のレムデシビルは、エボラ出血熱の治療用に開発された。新型コロナウイルスの重症感染者に臨床試験で投与したところ、回復が早まる結果が出たので、FDA（食品医薬局）は新型コロナウィルス治療用薬品としてEUA（緊急使用許可）を与えた。EUA（緊急使用許可）は正式な承認ではなく、アメリカ国内のみに適用されると規定されている。29日にアメリカのNIH（国立衛生研究所）が、「新型コロナウイルス患者への治療効果などを調べる臨床試験の一部を分析した結果、患者の回復を早めることが確認された」と、発表した。レムデシビルは、ウイルスの遺伝子に作用し、ウイルスの複製を阻害する。ドナルド・トランプ米大統領とホワイトハウスで会談したギリアド・サイエンシズ製薬会社のダニエル・オデイ最高経営責任者は、14万症例の治療に相当する150万本を、政府に寄付する方針だという。会談に同席したFDAのスティーブン・ハーン局長は30日、通信社の取材の中で、レムデシビルについて「どのような患者に投与するのが適切か見極めるために、試験結果全体を見たい」と話した。NIHで新型コロナウイルス対策を率いるアンソニー・ファウチ博士も30日、テレビ局のインタビューで「作業は早く進むだろう」と述べた。が、複数の専門家は、これがCOVID-19の「特効薬」になるとは期待しない方がいいと警告している。
5月3日、トランプ米大統領は米FOXニュースの番組に出演した。その中でトランプ米大統領は、有望なワクチン候補の開発に取り組んでいる米ジョンソン・エンド・ジョンソン（Ｊ＆Ｊ）の企業名も上げながら、医療現場に投入できるワクチン量産体制を年内に整備する米政府の計画「ワープ・スピード作戦」について言及した。ワクチンや特効薬は、世界各国が開発競争に乗り出しているが、トランプ米大統領は「（開発者が）他国でも構わない」と、米国製にこだわらない姿勢をみせている。
「イギリスで開発中の新型コロナウイルス治療薬の臨床試験が、サウサンプトン大学病院で進んでいる」と、BBC英国TVが公表した。この新薬は、英バイオテクノロジー会社シネアジェンが開発中で、ウイルス感染した際に体内でつくられるインターフェロンベータというタンパク質を利用したものだという。
加藤厚生労働大臣は5日夜、民放のBS番組で「きのう（5月4日）アメリカの製薬会社（ギリアド・サイエンシズ）から承認の申請があった。厚生労働省の薬事・食品衛生審議会に諮り、ご了解いただければ、その日のうちに承認するつもりだ」と、７日承認の見通しを明らかにした。
米国のギリアド・サイエンシズ製薬会社は世界第2位の大手バイオ製薬会社だ。1987年の創業以来、HIV、B型肝炎、C型肝炎、インフルエンザといった感染症治療のための抗ウイルス剤開発を事業の中心としている。1997年1月から2001年まで、ドナルド・ラムズフェルドが会長を努めていた。彼は米国防長官として、イラク戦争でイラクを崩壊した戦争犯罪人でもある。
➂ ワクチン戦争、WHOの反撃：
4月30日の国連事務総長記者会見で，「COVID19感染防止のための一時的な経済自粛による環境浄化は、地球温暖化の解決にはならない」と主張し、改めて再生可能エネルギー産業への投資強化を呼びかけた。5月1日の国連定例記者会見で事務総長報道官が、「WFP（世界食料計画）は、これから6週の間に130か国へ人道支援物資を届けなければならない。約3,850憶円の義捐金が早急に必要だ」と、COVID19による民間輸送航空機の中止を説明し資金援助を訴えた。これに応えて、5月4日、ドバイ首長国連邦のエメレーツ航空は、今年一杯、3機の大型輸送機を無料手配すると、WFO（世界食料計画）に申し出た。
5月4日、EU（ヨーロッパ連合）などが主催して、ワクチン開発促進のために資金の拠出を呼びかけるイベントを開催した。日本を含む30以上の国と地域から合わせておよそ8600億円が集まる見通しになった。BBC英国TVによると、世界では100件以上のワクチン開発が進められているが、臨床試験が始まっているのはわずかだという。EU（ヨーロッパ連合）のフォンデアライエン委員長は各国に謝意を示した。しかし、グテーレス国連事務総長は資金の拠出を歓迎する一方で、「誰にもどこにも、ワクチンの恩恵を行き渡らせるためには、この5倍が必要だ」と、さらなる献金を促したのだ。
5月4日、WHO緊急事態対応統括担当ライアン氏は、ポンペオ米国務長官が新型コロナウイルスの起源について、中国湖北省武漢市にある中国科学院武漢ウイルス研究所から発生したことを示す「多数の証拠がある」と述べたことに反論した。「データに基づく証拠を米政府から受け取っていないため、憶測に過ぎない」と、WHOの見解を強調した。エボラ出血熱の治療薬として開発された＜レムデシビル＞が新型コロナウイルス患者の回復を早めると確認されたことについて、「治療に使える可能性を示す希望の表れであり、結果を歓迎する」と語り、そのうえで、「効果を示すデータをさらに得たら、どうやって広く供給できるか製薬会社とアメリカ政府と議論していく」と述べ、新型コロナウイルスの治療薬として広まった時には、公平に分配されるようWHOとして干渉していくと牽制した。
5月4日の夕刻、記者会見もそこそこに、安倍晋三内閣総理大臣は外交日程のEUが主催する募金集めイベントに参加しました。 その中で首相は、気前よく874憶円超の支援を約束しました！
安倍晋三内閣総理大臣殿、国民への新型コロナウィルス支援金の増額も、気前よくお願いいたします。
＊SJJA をテーマにした西サハラ難民キャンプ通信社の記事を紹介します。
https://spsrasd.info/news/en/articles/2020/04/17/25587.html
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著者：平田伊都子、写真：川名生十、画像提供：李憲彦、川上リュウ、SPS、
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2020年2月3日 初版第一刷発行 定価 税抜き2,000円
＊1月22日、「ニューズ・オプエド」で＃1323＜アフリカ最後の植民地＞を放映しました。
YouTube オプエド平田伊都子 URL https://www.youtube.com/watch?v=citQy4EpU-I
Youtube2018年7月アップの「人民投票」（Referendum）をご案内。
「人民投票」日本語版 URL :https://youtu.be/Skx5CP3lMLc
「Referendum」英語版 URL： https://youtu.be/v0awSc25BUU
Youtubeに2018年4月アップした「ラストコロニー西サハラ」もよろしくお願いします。
「ラストコロニー西サハラ 日本語版URL：https://youtu.be/yeZvmTh0kGo
「Last Colony in Africa] 英語版URL: https://youtu.be/au5p6mxvheo
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長：川名敏之 2020年5月7日
SJJA（サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション）代表：平田伊都子
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