2020年05月16日19時08分掲載  無料記事
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コラム

NHK経営委員会:オリンピック重視の予算配分にリスク管理の視点が欠けていなかったか検証を

  NHK経営委員会はいったい何のために存在する組織なのだろうか?そこに集まる人々は〜経営委員長を含めて〜果たして国民の代表と言えるのだろうか?あまりにも、国民や視聴者からかけ離れていなかったのか。 
 
  NHK経営委員会はもし、当該組織の存在理由があるというなら、今回、延期になった東京五輪に総額いくらの予算を組んでいたか、また番組は何本が作られることになっていたかをまずは公開することが先決だろう。東京五輪に関しては、福島の復興すら進んでいない現段階でのその開催自体を疑問視する人がまだ広範に存在している。その中で推進勢力である自民党政権の意を汲むかのような五輪重視の番組編成に関する情報開示が、公共放送であるNHKが民主主義的運営がなされているかどうかの検証で必要だ。 
 
  その上で適正な予算配分と番組編成であったかどうか。さらには、感染症とか、テロとか、戦争の際のリスクに関する想定が、経営委員たちにあったのかどうか。いったい何をもって経営委員は国民から選ばれているのか。今回の損失をどう償うのか。NHKをチェックするためのNHK経営委員会こそ、国民がもっと厳格にチェックするべき時に来ている。政府は来年の開催を唱えているが、本当に来年開催できるのか。もしできなければその番組制作コストの損失の責任は誰が取るのか明確にしてもらいたい。 
 
 
※経営委員会後の記者ブリーフィングおよび石原経営委員長就任記者会見要旨(平成28年(2016年)12月20日) 
https://www.nhk.or.jp/keiei-iinkai/briefing/briefing1274.html 
「Q.来年は次の3か年計画を策定していかなければならない。委員長として、執行部と次の3年の将来像を作っていく重責にあると思うが、意気込みは。 
A.いまNHKの抱える課題は非常に重要な、公共放送の将来をある意味決めていくというような課題が多い。例えば、放送と通信の融合の問題、4K・8Kの技術革新、放送センター建て替え。国際放送に対する国民の期待も強い。そういった課題を方向付けし、解決していかなくてはならない。オリンピック・パラリンピックはたいへん大きなタイミングであり、それを目指してNHKでも諸課題を解決していくということだと思っている。 
来年は新しい3か年計画を作る。6月か7月にはかたちが出来てこなければならない。時間があまりないが、執行部と一緒に、諸課題について方向付けしていきたい。」 
 
 
武者小路龍児 
 
 
※五輪の追加負担、IOC「最大856億円」 見積もりは総額3千億円、組織委「事前の議論なし」(朝日) 
https://www.asahi.com/articles/DA3S14477672.html 
 
 
 
■安倍政権の日本はまだまだ下げシロがある 〜「日本を取り戻す」から「日本から解放する」へ〜 
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=202004121033170 
 
 
■もし政権が有罪ならNHK幹部らも共犯  東独の1989年に似た空気が満ちている 
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