2020年05月25日11時57分掲載  無料記事
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コラム

嘘をついていた安倍首相  賭けマージャンの黒川氏の処分をめぐり 近代国家ではなかった日本

  共同の記事で、検事長だった黒川氏の処分をめぐり、安倍首相がまた嘘をついていたことがわかった。安倍首相は前回の記事では黒川氏の処分について森雅子法務大臣から処分の内容を聞いて、承認したかのようなベクトルになっていた。ところが、実際には違っていたことが新たに浮上している。それは法務省が検事長だった黒川氏のマージャン賭博を重く見て、懲戒にする決断をしていたところへ、首相官邸が介入して、大変軽い訓告に軽減させた、ということである。これが事実であれば重大な事件である。 
 
  重大さとはまずは首相官邸がそのような介入を行う理由である。安倍首相と黒川氏の過去の関係は週刊誌などでいろいろ書かれているが、それは週刊誌の記事ということで検察や司法当局には軽く受け流されてきたか、あるいは無視されていた。しかし、今回の介入は過去に黒川氏が首相官邸と実際に、不適切な関係があったのでは、ということを疑わせるに足る事件である。検察官は準司法官であり、起訴するかどうかを判断する権限を持っている。その意味で行政権力に属しているだけではなく、司法権力にも属しているのだ。 
  だからもし首相官邸が検察の行動や判断に介入していたとすれば〜それが特に自民党議員や閣僚に関する判断であったとすれば〜民主制の根幹をなす「三権分立」への侵害行為であり、「憲法破壊行為」と言ってよいだろう。憲法破壊行為は死刑に相当する犯罪よりも重いと私は思う。それは自己の利益のために、一人や二人の生命や運命だけでなく、日本人全体の生命や運命を損なう政治権力者による行為だからだ。 
 
  この事件は近代国家の原則である「法治主義」の敗北であり、日本が「人治主義」の国家に落ちぶれたことを象徴する事件であり、日本史に記載されることになるだろう。 
 
 
※懲戒と訓告  (以下はウィキペディアから) 
 
●懲戒処分の種類 
 
公務員における懲戒処分は次のものがあり(免職が一番重い)、法律上の処分は戒告までである。なお、降任は防衛省の特別の機関である自衛隊の自衛隊法にその規定がある。 
 
免職 - 職員の意に反してその職を失わせる処分をいう。 
降任 - 現に定められている職務の等級・階級を1ないし2下位のものに下すこと。 
停職 - 一定期間、職務に従事させない処分をいう。国家公務員の場合は最低1日、最高1年までとなっている。 
減給 - 職員に対する制裁として一定期間、職員の給与の一定割合を減額して支給する処分をいう。国家公務員の場合は人事院規則で、期間は最高で1年、額は俸給の20パーセント以内と定められている。 
戒告(譴責:けんせき) - 職員の非違行為の責任を確認し、その将来を戒める処分をいう。 
 
このほか、懲戒処分に至らないが不問に付することが適当でない場合として、軽微な処分を科すことがある。一般には次の3つが知られる。なお、これらは懲戒処分ではないので履歴書の賞罰欄に記載する必要はなく、経済的な損失も伴わない場合が多い。 
 
訓告(訓諭・訓戒) ※ただし、訓告が三回累積すると、戒告一回分相当の不利益を被る。 
厳重注意 
口頭注意(単に「注意」と表現される場合もある) 
 
※「賭け麻雀は賭博罪」安倍政権が閣議決定していた(BUZZAP) 
https://buzzap.jp/news/20200523-abe-mahjong-gambling/ 


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