2020年06月13日10時56分掲載  無料記事
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国際

イスラエル製品のボイコットは「表現の自由」 BDS運動をめぐり、欧州人権裁判所が仏政府に賠償命令

 イスラエルによるパレスチナ人の権利侵害に抗議して、同国へのボイコット、投資撤収、制裁運動(BDS)を行っている活動家がフランスで有罪判決を受けたことについて、欧州人権裁判所(ECHR)は6月11日、判決は「表現の自由の侵害」とする裁定を下した。ECHRは仏政府に対して、各被告に27,380ユーロ(31,150ドル)の損害賠償を支払うよう命じた。Middle East Monitorが報じた。(藤ヶ谷魁) 
 
 BDSはBoycott, Divestment, and Sanctionsの頭文字をとったグローバルな非暴力キャンペーンで、イスラエルが国際法を遵守してパレスチナ人の虐待中止やパレスチナ人の正当な権利を守るよう、イスラエルの企業や大学、文化的機関に対するボイコットなどを呼びかけている。 
 
 その一環として、メンバー11人が2009年、フランスの町イルザックのスーパーマーケットで行われたデモに参加し、イスラエル製品のボイコットを求めるチラシを配布した。これに対してフランスの最高裁判所は、経済的な差別を扇動したとして、有罪判決を下した。判決を不服とする被告らがECHRに訴え、逆転勝訴をかちとった。 
 
 パレスチナ主導のBDS運動家であるリタ・アフマド氏は、「この重要な裁判所の決定は、表現の自由、人権擁護家、そしてパレスチナの自由、正義及び平等のためのBDS運動にとって決定的な勝利だ」と宣言した。 
 
 「BDSフランス」は、ECHRの決定を大きな勝利として歓迎し、「イスラエルの人種差別政策に反対する全ての人々を黙らせる試みや、BDS運動を行う人々に名誉毀損の罪を着せようとする試みは、不正確かつ不誠実な性質を有している」としたECHRの決定に新たな可能性を見出した。 


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