2020年06月27日10時07分掲載  無料記事
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政治

立憲民主党との合流協議再開に、社民党支持者らが反対表明 党の理念消滅に危機感

 立憲民主党と社会民主党の合流協議再開が報じられ、社民党の支持者や一部県連は協議打ち切りの要望書を福島みずほ党首に提出した。要望書は、コロナ禍でさらに悪化した弱者の暮らしを救うには、同党の掲げる社会民主主義の重要性が増したと指摘、また立憲民主との外交・安保政策の違いを明らかにしている。このような状況での立憲への吸収合併は、社民党の理念の消滅と解党を意味するものと危機感を表明している。 
 
1・<立憲民主党との「合流」協議の再開に係る要望> 
 
不躾にこのような書状を差し上げますこと、どうぞご海容下さい。 
 私たちは、本年2月に又市征治前党首に宛て「第17回定期大会に際しての公開質問状」(別紙をご参照下さい)を送付した者です。同大会に於いて福島新党首が選出されたことは、立憲民主党との「合流」に反対、ないしは慎重な党員の意思を反映するものと確信致し、喜んでおりました。 
 それにも関わらず吉田忠智幹事長が、4月2日及び6月8日の2度に亘り立憲民主党の福山哲郎幹事長と「合流」に向けて協議した旨報じられています。しかも2回目の会談では「合流した場合の党の綱領や、党員や地方組織の在り方、それに職員の雇用」といった具体的事項に関し議論したのみならず、6月中に「確認事項として文書にまとめる」ことまで決定したと知り 
(2020年6月8日13時35分NHKNEWSWEB 
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200608/k10012462361000.html)、正に寝耳に水の入るが如き心境です。 
 元来第17回定期大会席上、「党内論議をさらに深めていくため、かりに合流を選択した場合どうなるかなど具体的内容についての協議を行い、一層の情報や資料の提供に努力」することを決めたと聞き及んでいます。「合流」有りきの吉田幹事長の言動は大会で示された意思に明確に反し、党内民主主義を蔑ろにするものと言わざるを得ません。暗雲が垂れ込める社民党の行方を案じ、立憲民主党との「合流」協議打切りを要望したいと存じます。主な理由は以下の通りです。 
 
 1.社会民主主義の重要性 
 新型コロナウイルス感染症に係る緊急事態宣言により、収入減少に苦しむ人が増えています。沖縄県では、那覇市・沖縄市・浦添市・宜野湾市・豊見城市の5市で2020年4月に生活保護に関する相談と申請件数が前年より増加したとのことで、その傾向は非正規労働者が多い那覇市で顕著だったことが報じられています(沖縄タイムスプラス2020年6月14日8時55分 
https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/585387)。また、「特定警戒都道府県」の東京23区と指定市及び県庁所在市の計39市区では、同じく4月に生活保護申請件数が1年前に比して31%増加したそうです(朝日新聞デジタル2020年6月1日 18時34分 
https://www.asahi.com/articles/ASN615SW3N5WULZU00P.html)。 
 その一方で、通信販売業や情報産業は増収となっています。2020年第14半期売上高は、Amazonが前年比で26%増の755億ドル、Microsoftは同じく39%増の133億ドル等と報じられています(朝日新聞デジタル2020年5月1日12時33分 
https://www.asahi.com/articles/ASN513S0LN51UHBI00M.html、 
ロイター2020年4月30日6時45分 
https://jp.reuters.com/article/microsoft-results-idJPKBN22B3AT)。 
 新型コロナ感染症の世界的蔓延が世界中の弱者に耐え難い苦痛を与えるのに対し、一握りの強者には寧ろ商機とさえなっているのが現状です。世界の富の80%を有しているのは、最富裕層11%に過ぎないそうです。貧困と差別が拡がって対立が憎悪を生む中、社会民主主義の重要性は増しています。 
「中国が香港国家安全法制定を決めて香港への統制を強めようが、トランプ大統領が自国民による抗議デモに必要なら軍を投入すると脅かそうが、英国の欧州連合(E U)からの離脱をめぐる方針がいまだ定まらずとも」正義に関心が無い(日本経済新聞2020年6月12日)市場原理は間違っています。今こそ日本国憲法が掲げる民主主義、法の下の平等、社会権保障をより強く訴え、実現に向けて世界と連帯し行動して行かなければならないと思います。 
 
2.立憲民主党との根本方針の不一致 
 立憲民主党は「綱領」に「日本の外交・安全保障の基本姿勢である国際協調と専守防衛を貫き、現実に即した政策を推進します」と謳っています。基本政策では、「我が国周辺の安全保障環境を直視し、専守防衛のための自衛力を着実に整備して国民の生命・財産、領土・領海・領空を守ります。領域警備法の制定、周辺事態対処の強化などにより、主権を守るため現実的な安全保障政策を推進します」とし、かつ、基本政策では「健全な日米同盟を軸とし、アジア太平洋地域、とりわけ近隣諸国をはじめとする世界との共生を実現します。世界の平和と安定と繁栄を推進するために、積極的な平和創造外交を展開します」としています。 
対して、「社民党宣言」(2006年2月)は、「国連憲章の精神、憲法の前文と9条を指針にした平和外交と非軍事・文民・民生を基本とする積極的な国際貢献で、世界の人々とともに生きる日本を目指します」として自衛隊を「現状、明らかに違憲状態にある」と位置付けるだけでなく、「縮小を図り、国境警備・災害救助・国際協力などの任務別組織に改編・解消」するとまで踏み込んでいます。 
社民党が武力によらない平和を目指す一方、立憲民主党は主権維持には武力行使も辞さないとしています。かように平和の捉え方と日本国憲法第9条の解釈が本質的に異なっている両党がどれだけ協議を重ねたところで、基本政策等でお互い満足出来る一致点に辿り着けるとは到底思えません。従って「合流」が、議員数等に於いて及ばない社民党の解党と立憲民主党への吸収合併を意味することは、多くの党員等が認識しているところと思います。 
1945年6月10日、土浦海軍航空隊はB29の空襲を受けて壊滅状態となりました。281人に上った戦死者の中には、20歳未満の予科練生も含まれています。この後、生き残った特攻部隊(航空・水上・水中特攻)員達は現在の秋田市に配置転換となって8月15日まで訓練を続けたそうです(伊藤純郎「特攻隊の〈故郷〉」2019年、吉川弘文館)。同月18日には、突然の解散命令を受けたひめゆり学徒隊の生徒と教員227人が、米軍の攻撃を受けて落命し、或いは、自ら命を絶ちました。このようなことが各地で起きていた時から、未だ75年しか経っていません。真の平和の確立を諦めるには余りに早過ぎます。 
非武装平和と社会民主主義を根本方針とすればこそ、社民党の社民党たる所以です。二つの灯は世界中の市民の希望です。灯を灯し続けるべく、立憲民主党との「合流」協議を打ち切って戴きたく要望申し上げる次第です。 
 なお、2月20日付で組織団体局長(当時)中川直人氏から「第17回定期全国大会に際しての公開質問状」へのご返答」(別紙をご覧下さい)を頂戴しました。「ご質問の内容は多岐に及んでおりますが、まさに定期大会で議論される内容そのものだと受け止めております・・・回答につきましては、定期大会の議論を経たうえで、どのようなご返答をさせて頂くかを含め、検討させていただたく予定でおります」(ママ)とあったのにも関わらず、未だ「ご返答」を受け取っておりません。同氏若しくはご後任等然るべき立場の方よりご回答下さるよう併せてお願い致します。 
 
2020年6月16日 
金沢大学教員 平和・人権・民主主義の教育の危機に立ち上がる会代表 石川多加子 
元北海道大学・金沢大学教員 いしかわ教育総合研究所共同代表    半沢 英一 
元北陸大学教員 元いしかわ教育総合研究所代表           田村 光彰 
社会民主党党首  福島みずほ様 
 
2・<社民党熊本県連の意見書> 
                               2020年6月10日 
社会民主党全国連合 
党首 福島みずほ 様 
社会民主党熊本県連合 
                代表 今泉克己 
 
「両党幹事長間合意」の前に社民党内の意見集約を行うことを求める意見書 
 
総選挙に向けて闘う態勢を構築するために、奮闘されていることに敬意を表します。 
さて、緊急事態の解除を受けて立憲民主党福山幹事長との協議を再開し、今後の議論の方向性が吉田幹事長より6月8日に示されました。 
「6月中に幹事長レベルの協議をまとめる」との意向が示されていますが、以下の観点から、吉田幹事長から示された内容については再考を求めます。 
 
1 立憲民主党との合流に向けた協議は社民党の解党を前提としていることから、慎重に丁寧に行わなければなりません。 
また、2月の社民党全国連合大会における「かりに合流を選択した場合どうなるかなど具体的内容についての協議を行い、一層の情報や資料の提供に努力します」との第1号議案決定および「総選挙を闘う体制づくり」の第3号議案決定事項を同時に進めなければなりません。 
 
2 特に社民党にとっては「解党」となることから、|亙組織職員の雇用保障、希望する全党員の「パートナー」ではなく「党員」としての受け入れ、週一回発行している社会新報の存続、っ亙組織の専従役員の受け入れ、ッ羆・地方レベルの原水禁運動、護憲運動、部落解放共闘運動、I女性会議やOB・Gの会など運動と組織についての合意、など重要な事項についての具体的な取り扱いについての合意が不可欠です。 
 
3 6月8日吉田幹事長の「立憲民主党・福山幹事長との会談について」の「4.」において、「6月中には両党幹事長間での合意を目指したいと考えています」と記載されています。 
 社民党にとっては党を解散することになる重大な判断が必要となる課題であることから、両党幹事長間で合意する前に、ブロック幹事長会議および全国幹事長会議を開催し、組織的な意向集約を行ったうえで、両党幹事長での合意としなければなりません。 
 
4 かりに、「両党幹事長合意の前に討議素材を示し、上記の党内意向集約」が行えないならば、合流協議そのものを中断することを求めます。 
以 上 
 
3・<新潟県連の「立憲民主党・福山哲郎幹事長との会談についてに対する意見書> 
 
 
 連日のご奮闘に敬意を表します。 
 さて、6月8日に吉田幹事長から標記会談についての報告が送られてきました。これに対し以下の通り要望意見を申し上げますので、対応方よろしくお願い致します。 
 
記 
 
1.4月2日付「立憲民主党との協議の再開について」の吉田幹事長報告に対しても要望意見を上げたように、緊急事態宣言が解除されたとはいえ、東京の状況はじめ、コロナウイルス感染が終息したわけではなく、各地域でも緊張状態が続いている。新潟においても、飲食業をはじめ、中小零細企業の廃業が続き、非正規労働者の失業が深刻化している。医療機関や介護施設などの医療体制の整備も進んでいない。こんな中で自治体議員はじめ、党員は労働相談など懸命に対応を行っている。こうした状況下にもかかわらず、事務レベルで立憲民主党との協議を続けてきたことを知り、強い怒りを禁じ得ない。そして、6月8日に幹事長会談を行ったことも信じがたい。 
 
2.しかも6月8日の報告によれば、「事務レベルで行われてきた意見交換の内容について幹事長同士で整理・協議し、『第一次確認事項(案)』の構成及び今後の流れについて大枠確認」したとある。さらに、「『第一次確認事項(案)』につきましては、これ以降幹事長間での協議を経て6月中には両党幹事長間での合意を目指したいと考えて」いるとある。現に6月8日の立憲民主党のホームページでは、見出しが「立憲社民幹事長会談、合流に向けた文書を6月中にまとめることで合意」とあり、「合流に向けての基調的な確認事項(合流に向けて背景、考え方)と、個別の確認事項(綱領、党員・パートナーズ制度、地方組織、機関紙、党職員の雇用等)について、一定の方向性が見えてきたとして、文書にまとめること、その作業を加速させることで一致しました。」と書かれている。 
 
3.しかしながら、2月の定期大会での決定は、「党内論議をさらに深めていくため、かりに合流を選択した場合どうなるかなど具体的内容についての協議を行い、一層の情報や資料の提供に努力」するとなっていた。今次報告、及び今後の吉田幹事長の「考え」は、大会決定に明白に違反している。「合流に向けての確認事項」を合意するような協議を、一体だれが求めたというのか。このような協議は直ちにやめていただきたい。 
 
4.現在、次期総選挙の候補予定者は3人である。理解に苦しむのは、4月末を過ぎても、現職・吉川副党首の公認決定がされていないことだ。我々も候補擁立に懸命の努力中だが、社民党が合流論議を続けていると、迫力をもって擁立作業が行えない。この意味でも、立憲民主党との協議は直ちにやめるよう強く要請する。 
 
2020年6月9日 
社会民主党新潟県連合 
 代表 小山 芳元 
社会民主党全国連合 
 党首 福島 瑞穂 様 


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