2020年06月28日11時57分掲載  無料記事
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政治

Choose Life Project  27日の都知事選候補者討論会 司会の津田氏の質問が光る

  昨日、YouTubeで都知事選候補者討論会を見た。Choose Life Projectが企画しているもので、TVとインターネットの存在感が逆転していることがわかった。本来ならTVが主導してきた政治報道の分野でもYouTubeを使った候補者討論会が高い関心を集め一定数のアクセスを得る時代が到来したことを感じさせてくれた。 
 
  昨日の番組の司会は津田大介氏で、以前別の司会で行われた都知事選の候補者討論会とは異なる工夫を行っていた。筆者は以前の討論会にも感謝する者だが、今回のChoose Life Projectは一歩、踏み込み、候補者の発言を曖昧な印象に終わらせない工夫を凝らしていた。たとえば10の質問を投げて、それぞれ○×△でまずビジュアル化してもらい、それぞれの回答を基本的に1分以内で応えてもらう、というものである。昨日の討論では主要な候補者4人のみに絞り込み、それぞれ1分×10問=40分くらいをベースにしながら、その+αの仕切りを津田氏が行っていた。そして、それぞれの10の回答に対する結果を4人それぞれ一覧表にまとめて流す、という作業もChoose Life Projectは行った。討論しっぱなしでなく、後の締めも素晴らしい。 
 
  津田氏に瞠目したのは、9月1日に墨田区の横網町公園で行われてきた関東大震災の虐殺された朝鮮人犠牲者の追悼式に対して都が占有許可を出し渋っていることと、また歴代の都知事が行ってきた朝鮮人虐殺犠牲者への追悼文を小池知事が送らなくなったことに対して、小池都知事に歴史認識を問う質問を行ったことだった(YouTubeの54分あたり)。津田氏は自然災害である地震の犠牲者一般と、朝鮮人が殺されたケースを一緒にできるのか、と小池氏に問うた。これに対して小池氏は大戦の死者、震災の一般犠牲者と虐殺された朝鮮人犠牲者を、全部まとめて哀悼の意を示していると答えた。「大きな災害で犠牲になられた方々、それに続いて、様々な事情で犠牲になられた方々、これらすべての方々に対しての慰霊」と小池都知事は回答した。「様々な事情」という表現は人種偏見と差別に基づく悪質なデマで殺された朝鮮人の人々が当時、どのような恐怖の中であったか、それに対する想像力が「ダイバーシティ」をうたう小池氏に欠けていることをうかがわせた。津田氏は角度を変えて3回、4回と質問を出したが、これは小池都知事が質問にあげられた自己の歴史認識を率直に語ろうとしなかったがゆえである。このテーマはルワンダ紛争や旧ユーゴの民族浄化、アメリカの人種問題などと同じで問いを含んでいて、現代の最も重要なテーマの1つである。 


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