2020年09月14日22時35分掲載  無料記事
http://www.nikkanberita.com/print.cgi?id=202009142235181

核・原子力

【たんぽぽ舎発】関東の落雷停電で柏崎刈羽原発の 使用済核燃料冷却ポンプが停止!

関東の落雷停電で柏崎刈(柏崎巻原発に反対する在京者の会)羽原発の使用済核燃料冷却ポンプが停止! 自然災害による事故の全てに対処できなければ福島第一原発事故の二の舞になる柏崎刈羽原発は再稼働せずに廃炉にするべき!(柏崎巻原発に反対する在京者の会 菅井益郎) 
 
◎ 8月12日(水)、13日(木)と関東地方では激しい雷雨があったことを覚えていますか。8月13日(木)午後3時頃、東電柏崎刈羽原発1、2、3、6号機の使用済核燃料プールの冷却用ポンプが停止した。刈羽村議の近藤容人氏のところには夕方17時半頃柏崎刈羽原発広報部から「1、2、3、6号機使用済燃料プール冷却ポンプの停止および復旧について、本日当社ホームページに掲載しておりますのでお知らせいたします」というファックスが入った。連絡を受けてすぐホームページをチェックしたが、東電のホームページには何の情報も掲載されておらず、その後今日に至るまで関係情報は一つもない。 
 
◎ 『毎日新聞』の電子版は、同日20時15分の新潟県のニュースとして「13日午後3時ごろ、関東圏で電気系統にトラブルが発生し、その影響で、運転停止中の東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)1〜3号機と6号機の計4基の使用済み核燃料プールの冷却ポンプが停止した。東電は停止した各号機の冷却ポンプを順次再起動し、35分後にすべての冷却を再開した。この停止による使用済み核燃料の冷却に影響はなく、放射性物質の漏えいはない。同原発に供給する電気は関東圏から送られてきているため、関東圏の電気系統トラブルが同原発に影響する。東電は現在、原因を調査中だが、関東圏で起きた落雷が影響し、周波数や電圧に異常をきたした可能性があるという【内藤陽】」と報道。 
 
◎ 『新潟日報モア』は、翌14日(金)11時20分付けで「東京電力は 
13日、新潟県の柏崎刈羽原発1、2、3、6号機の使用済み核燃料プールの冷却ポンプが午後3時すぎから約30分間停止したと発表した。同じ時間帯に関東地方で落雷による停電が起きた影響とみられる。プールの水温上昇や、外部への放射能漏れはなかったとしている。東電によると、同原発内で使う電気は関東圏から供給を受けている。四つの号機では冷却ポンプのほか、空調も停止した。停電はしておらず、運転員がポンプの故障でないことを確認し、再起動させた」と報じた。 
 
◎ 他のマスメディアの報道については確認できなかったが、これは極めて重大な事故である。 
 東電パワーグリッドのホームページで「瞬時電圧低下履歴検索」すると、柏崎刈羽原発の使用済核燃料プールの冷却ポンプが停止した正に同時刻、8月13日15時1分に関東の広範な地域でいっせいに停電していることがわかる。 
 柏崎刈羽原発は2007年7月に発生した直下型の中越沖地震で全原発が停止、3号機の変圧器が火を吹いたことは記憶に残っていると思う。その後部分的に再稼働するが、3・11福島第一原発事故の1年後には再稼働した5〜6号なども停止、以降8年以上全機が止っている。 
 
◎ だが、使用済核燃料プールの冷却や維持管理用の電力は必要なので本来の東電の給電区域から逆に柏崎刈羽原発に送電しているのであるが、それが関東の雷雨で遮断されたのである。 
 稼働中の原発や送電系統に落雷があった場合も重大事故に発展する可能性があり、東電もそれなりの対応策はシミュレートしているはずであるが、遠く離れた関東からの受電系統に落雷等による支障が出た場合のシミュレートはほとんどしていなかったのではないか、東電は調査して詳しい分析結果を公表するといいながら、未だに具体的報告はない。 
 
◎ 給電時および受電時の電力遮断は極めて重大な事故につながる。 
今回は全機停止中であったが、系統上の問題点はもちろんだが、なぜ4、5、7の冷却ポンプは停止しなかったのか、ポンプの特性、 
冷却能力への影響などをはじめ対応策などを具体的に調査分析し報告するべきである。 
 
◎ 昨年から柏崎沖に発生する竜巻に対する工事をしているというが、地震、津波など自然災害にともなう思わぬ事故が発生する可能性に全て対処できなければ福島第一原発事故の二の舞になる。 
 柏崎刈羽原発の「想定」出来なかった事故で被害を被るのはまっぴらである。柏崎刈羽原発は再稼働せずに放射能が減衰し静まるのを待って廃炉にするべきである。 


Copyright (C) Berita unless otherwise noted.
  • 日刊ベリタに掲載された記事を転載される場合は、有料・無料を問わず、編集部にご連絡ください。ただし、見出しとリード文につきましてはその限りでありません。
  • 印刷媒体向けの記事配信も行っておりますので、記事を利用したい場合は事務局までご連絡下さい。