2020年09月24日11時22分掲載  無料記事
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教育

コロナ禍と大学(6)学生たちのSOSにどう答えるか その窮状と大学の対応 石川多加子

 コロナ禍でオンライン授業がつづく大学では、一部で対面授業が再開されているものの、学生たちの窮状は依然として改善されていない。大学側は、学費納付期限の延長・分納、減免、支援金支給、働く場の提供などあの手この手の支援策を打ち出しているが、彼女・彼等は、教育を受ける権利のみならず生存権をも損なわれつつある。学生たちのSOSにどう答えるかは、いまや国民全体の問題といえるのではないだろうか。そのために、現状のさまざまなデータをまとめてみた。 
 
▽困窮する学生 
 日本政府が「学生支援緊急給付金」事業新設を発表して以降だけでも、「バイト解雇、オンライン就活、変わらぬ授業料…コロナで大学生SOS」(西日本新聞2020年5月3日 17時36分https://www.nishinippon.co.jp/item/n/605682/ )、「収入減・不安増 学生「アルバイト見つけたい」 親の収入減が打撃も」(河北新報ONLINE NEWS2020年5月5日https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/202005/20200505_13012.html)、 
「大学生、7割がアルバイト収入減 京都の学生団体がコロナ影響調査」(京都新聞2020年5月9日10時0分https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/238763)、「学生、生活苦しい 親の収入減・バイトもできず 富山大生支援求め署名」(2020年5月18日1時10分北日本新聞webunhttps://webun.jp/item/7661655)、「島根県立大生の困窮浮き彫り 新型コロナでアルバイト収入減」(中国新聞デジタル2020年5月17日https://www.chugoku-np.co.jp/local/news/article.php?comment_id=643819&comment_sub_id=0&category_id=112)、「コロナ 影響、学生の3分の1がバイト失う 栃木で調査」(朝日新聞2020年5月20日12時10分 
https://www.asahi.com/articles/ASN5N3S8RN5DUUHB006.html)というような報道は多数に上る。 
 そればかりか、「〈新型コロナ〉困窮の学生 危ういバイト『チャットレディ』性的行為強要被害も」(東京新聞Web2020年5月17日2時0分https://www.tokyo-np.co.jp/article/16774)、 「学費のために風俗業 感染禍バイト先失った女子大生」(新潟日報2020年7月19日)といった記事さえ目にする。 
 
▽大学の対応 
 2020年4月中頃から、各大学が学生への給付金を次々と決定し始めた。明治学院大学はいち早く、「オンライン授業受講のための在学生全員へ一律の緊急支援金」・「家計急変者への特別奨学金」・「学納金納入期限の延長」について公表した。支援金5万円は5月末から、奨学金40万円は7月下旬から支給が開始している。続いて立教大学がオンライン授業開始に向けた「学修環境整備奨学金」給付を決め、学納金から5万円を差し引く方式を採った。他方国立大学では4月中旬、広島大学が1箇月3万円の「応急学生支援金制度」の設立を開始し、続いて東北大学が1人当たり最高5万円の緊急支給型給付金を公表、支給する等した。日本政府が「学びの継続」のための『学生支援給付金』に付き閣議決定した5月中旬以降も、多くの国・公・私立大学が困窮学生への生活・学費援助策を決定している。 
 
 全国の国・公・私立大学が講ずる主な経済支援措置には、以下のようなものがある。 
 
ヽ愴馭蕊婀限の延長・分納 
 2020年4月初頭、福岡教育大学が前期授業料の納付期限を4月末から6月半ばに延長することと3回に分けた分納を認めたのを初め(福岡教育大学ホームページ https://www.fukuoka-edu.ac.jp/files/bgeditor/other/r2jyugyouryounounyu.pdf 2020年9月8日取得)、龍谷大学(2箇月の延納と分納)・大阪薬科大学(1箇月の延納)や名古屋市立大学が続いた(前期分2箇月延納)。同月下旬以降は、東京大学・福井県立大学・尾道市立大学・北陸大学・大阪市立大学等々が前期分、多摩美術大学・中京大学等が前・後期分に付きそれぞれ1〜3箇月程の延長を認めている。以降多数の大学が実施を決定し、日本学生支援機構が作成した「新型コロナウイルス感染症の影響を受けた学生等への経済的支援一覧」(2020年8月27日現在。但しこの「一覧」が掲載するのは、新型コロナ禍に起因する家計急変の場合に限定した制度では無い。以下、「一覧」と略)によると、136の国・公・私立大学及び短期大学が授業料徴収猶予を行なっている。 
 
学費減免 
 2020年度初めより北星学園大学が、「新型コロナウイルス感染症の影響により家計か〜急変した学生に対する授業料減免要領」を施行した。同要領は、4つの要件〜2020年の生計維持者の所得見込が給与所得者で841万円以下、それ以外は355万円以下であること、 「大学等における修学の支援に関する法律」(2019年5月17日法律第8号)による授業料減免対象とならないこと、2年生は30単位以上、3年生は60単位以上、4年生は90単位以上を修得していること、学則に定める修業年限を超過していないことーを前提とし、新型コロナ感染症拡大により昨年の所得と比較し2分の1以下となっているか、2020年の生計維持者の所得見込が給与所得者で841万円以下、それ以外は355万円以下である者を対象とする(北星学園大学「新型コロナウイルス感染症の影響により家計が急変した学生に対する授業料減免要領」https://www.hokusei.ac.jp/hgu/wp-content/uploads/2020/06/c37ae67906237582eed2f221b3ac8689.pdf 2020年9月6日取得)。また、兵庫県立大学も同時期から、独自の授業料と入学金の減免制度の運用を新た開始した(兵庫県立大学ホームページ 
https://www.u-hyogo.ac.jp/topics/important/jyugyoryou/index.html 2020年9月6日取得)。4月下旬、京都芸術大学は施設設備費の一部の段階的返金(京都芸術大学ホームページhttps://www.kyoto-art.ac.jp/news/info/546 2020年9月20日取得)、桐朋学園大学は納付金の内一律10万円の減額(桐朋学園ホームページhttps://www.tohomusic.ac.jp/news/2020/2020-0424-1739-9.html 2020年9月20日取得)をそれぞれ発表している。 
 
 4月末に学生団体が、国に対し全大学一律の学費半額化と大学への予算措置を求める署名運動を開始した。参加大学が200校に上ろうとした5月中旬、自民党の税務調査会学生支援プロジェクトチーム(座長 渡海紀三朗元文部科学相)は政府に、大学が独自に授業料の軽減・免除を実施する場合、国立大に全額、私立大に3分の2の助成を提言した(日本経済新聞2020年5月20日)。 
 
 この直後より、東京都立大学・熊本学園大学・大阪大学等々が次々と、学費の減免実施を決定した。関東学院大学は休学時の在籍料10万円の免除を(関東学院大学ホームページhttps://univ.kanto-gakuin.ac.jp/index.php/ja/home/news/news/2627-関東学院大学の学生に対する総合支援策について.html/ 2020年9月20日取得)。以後9月初旬に至っても、亜細亜大学が「新型コロナウイルス感染症の影響による家計急変学生に対する授業料減免制度」新設を発表する等している(亜細亜大学ホームページhttps://www.asia-u.ac.jp/students/news/2020/09/7139/ 2020年9月7日取得)。「一覧」によれば、450の国・公・私立大学及び短期大学が授業料減免を実施している。 
 
 国立大学協会・公立大学協会・私立大学団体連合会は5月中旬、萩生田光一文部科学大臣に宛て「新型コロナウイルス感染症に対応した学生への経済的支援に関する緊急要望」を提出し、各大学が家計急変した学生に対して緊急に実施する授業料免除に対する支援を訴えた(公立大学協会ホームページhttp://www.kodaikyo.org/wordpress/wp-content/uploads/2020/05/42b6a85401a9d917fbce04c0c05f7421.pdf 
 2020年9月8日取得)。 
 
 しかしその一方で、早稲田大学の田中愛治総長が5月初旬、学費は学位授与に足る教育を修了することに対し総額で設定されているとし、「早稲田大学は、学費および実験実習料の減額をいたしません」と言明したことで話題になった(「早稲田大学の学費に関する考え方について」https://www.waseda.jp/top/news/69153 2020年9月6日取得)。名城大学(名城大学ホームページhttps://www.meijo-u.ac.jp/news/detail_23319.html 2020年9月20日取得)・神奈川工科大学(神奈川工科大学ホームページhttps://www.kait.jp/emergency/344.html 2020年9月20日取得)・法政大学(法政大学ホームページhttps://www.hosei.ac.jp/info/article-20200515130130/?auth=9abbb458a78210eb174f4bdd385bcf54 2020年9月20日取得)等が同様の主張をしている。 
 
支援金支給 
 4月下旬に先ず北海道科学大学が、アルバイト収入減少等で生活が困難になった学生1人に5万円(北海道科学大学ホームページhttps://www.hus.ac.jp/hit_topics/2020/04/202004303953.html  2020年9月8日取得)、追って東京農工大学が、生活要支援状態となった博士学生に10万円、修士・学部学生に5万円の給付を決めた(東京農工大学ホームページhttps://www.tuat.ac.jp/campuslife_career/campuslife/fee/syogakki/syogakkin_tat/ 2020年9月8日取得)。続いて明治学院大学は、春学期の講義を遠隔で行うに当たり学修環境整備の緊急支援として在学生全員に1人5万円の一律支給を発表した(明治学院大学ホームページhttps://www.meijigakuin.ac.jp/news/archive/2020/2020-04-21-1.html 2020年9月7日取得)。この時同大は、新型コロナウイルス感染症対応給付奨学金(一律40万円)の新設及び学費納入期限の延長も併せて示している。続いて、東北大学が困窮学生対象に「緊急給付型奨学金」(1人最大5万円。日本経済新聞デジタル2020年5月19日14時55分 「https://www.nikkei.com/article/DGXLRSP534203_Z10C20A5000000/ 2020年9月7日取得)・ 同じく広島大学(「応急学生支援金制度。1箇月3万円」並びに早稲田大学が(「緊急支援金」(10万円。早稲田大学ホームページ https://www.waseda.jp/top/news/69151 2020年9月7日取得)・立教大学が全学生に「学修環境支援金」(一律5万円。立教大学ホームページhttps://www.rikkyo.ac.jp/news/2020/04/mknpps00000176me.html2020年9月7日取得)の支給を決定する等した。 
 
 支援金を配布する大学側の意図は二つに分かれる。一つは、オンライン授業受講に係る機器や通信料負担への充当を目的とする学修環境支援金、もう一つは、アルバイト収入の減少等による窮状の改善に充てる緊急支援金である。前者の場合は学生全員、後者の場合は家計急変を初めとする要件を満たした者のみへの支給である。給付の方法には、口座振込(例えば学習院大学。ホームページhttps://www.univ.gakushuin.ac.jp/news/2020/0430.html 2020年9月20日取得)、郵便為替(例えば京都ノートルダム女子大学。 ホームページhttps://www.notredame.ac.jp/news/news/2173/ 2020年9月20日取得)、学費からの減額(例えば武蔵野大学。ホームページhttps://www.musashino-u.ac.jp/news/20200427-02.html)がある。福岡大学のようにギフトカードを郵送した例は珍しいであろう(https://www.fukuoka-u.ac.jp/news/20/04/27161330.html  2020年9月20日取得)。 
 
 朝日新聞と河合塾が6月24日〜7月27日に768の国・公・私立大学を対象に行った「ひらく 日本の大学」緊急調査によれば、回答した652大学の内、独自の支援金支給の実施を決定若しくは検討中と回答したのは400以上(69%)に上った(朝日新聞デジタル2020年8月6日9時https://www.asahi.com/articles/ASN85440NN7VUTIL024.html 2020年9月8日取得)。 
 
ぜ業料等の一時金貸与(無利子) 
 5月初旬に金沢大学が、生活が窮迫している正規生1人当たり月額5万円(最大で連続する3箇月間計15万円を無利子・無保証人で貸与することを決めた(8月初旬になって他に、「学長が特に必要があると認めた範囲で」の貸与実施も追加した。返済期限は原則として在学期間中。金沢大学ホームページ https://www.kanazawa-u.ac.jp/wp-content/uploads/2020/08/Guidelines8.4-.pdf  2020年9月8日取得)。名古屋商科大学(5万円または10万円。名古屋商科大学ホームページ https://www.nucba.ac.jp/press/entry-19062.html  2020年9月8日取得)・東京工業大学(1人当たり1箇月5万円、最大6箇月間計30万円 東京工業大学ホームページ https://www.titech.ac.jp/enrolled/tuition/urgentsupport.html 2020年9月8日取得)・国士舘大学(授業料の自己負担学の半額。国士舘大学ホームページhttps://www.kokushikan.ac.jp/current/news/details_14833.html 2020年9月8日取得)・ 琉球大学(5万円。当初貸与であったが、後に返還の免除を決めた(琉球大学ホームページhttps://www.u-ryukyu.ac.jp/campuslife/emergency-support/  2020年9月8日取得)等が続いた。 
 
テく場の提供 
 4月中旬に東北大学が、学内業務(学生ピアサポーター等)に協力した学生1人に月2万円の奨励金支給を決定した(NHK政治マガジンhttps://www.nhk.or.jp/politics/articles/lastweek/34609.html 2020年9月8日取得)。同月下旬には道都星槎大学が、学内の各種業務に従事した学生に対し奨学金を給付する独自制度の採用拡大を(星槎道都大学ホームページhttps://www.seisadohto.ac.jp/information/2020/04/28/32198/ 2020年9月9日取得)、5月中旬には札幌大学が、遠隔授業のサポート要員等として生活困窮学生を臨時雇用する旨発表した(札幌大学ホームページhttps://www.sapporo-u.ac.jp/news/img/20200511_kinkyusougoutaisaku.pdf 2020年9月9日取得)。 
 
δ命機器等の貸与 
 多くの大学が、前期の授業を遠隔形式で実施することを決定した4月下旬、明治大学・東北大学・京都橘大学(明治大学ホームページhttps://www.meiji.ac.jp/koho/natural-disaster/6t5h7p00003417jg.html 
、東北大学ホームページhttps://www.tohoku.ac.jp/japanese/2020/04/news20200427-01.html、 
京都橘大学ホームページhttps://www.tachibana-u.ac.jp/coronavirus-info/2020/04/post-991.html 2020年9月19日取得)等が、オンライン授業受講のための環境が不充分な学生を対象とするパソコン及びWi-Fiルーターの無償貸与を決めた。その後も多くの大学が続き、後期開始に際しては更新や長期貸出の申請受付等も行っている。 
 
Э品援助 
 5月初めに龍谷大学が、一人暮らしの学生を対象に1週間分の米、肉、野菜、レトルト食品等500人分を無償で提供した。翌月からは5日分を週2回、1000円で販売している(龍谷大学ホームページhttp://www.ryukoku.ac.jp/nc/news/entry-5571.html 2020年9月19日取得)。翌月には岡山大学が10日間に渡り、1日当たり300〜500食分の弁当を無償で提供した。この計画は困窮学生と飲食店の両方を支援しようとする学生の発案で始まり、その後大学が資金を提供することとなった(日本経済新聞2020年6月25日19時25分https://www.nikkei.com/article/DGXMZO60047630V00C20A6LC0000/ 
2020年9月19日取得)。 弘前大学は6月下旬、弘前商工会議所と連携して市内の飲食店で利用出来る食事券5,000円分3,000枚を2,000円で販売した(弘前大学ホームページhttps://www.hirosaki-u.ac.jp/49656.html 2020年9月20日取得)。また、盛岡大学及び同短期大学部でも同月初旬から中旬に掛け、新岩手農協から提供された弁当を一つ200円で学生に販売した(1日約200食。 岩手日報2020年7月8日https://www.iwate-np.co.jp/article/2020/7/8/81147 2020年9月19日取得)。一方、山陽学園大学と同短期大学の同窓会と協助会では6月中旬から7月末まで、1日50人に昼食を50円で提供した(山陽新聞デジタルhttps://www.sanyonews.jp/article/1032972 2020年9月19日取得)。 
 
 食料の支給ないし廉価販売に関しては、大学自身が資金全額を賄うのではなく、教員有志や同窓会等が品物や資金を調達したり(山陽学園大学等)、或いは地域の商店・企業等からの寄付(盛岡大学等)を基に大学が窓口となる場合が多いようである。東京都立大学では5月から、教員有志がカンパ・寄付を募って集まった野菜等を学生に配布する傍ら、大学は都学校給食会が無償で提供した米と薄力粉を一人暮らしの学生に配った(東京都立大学ホームページhttps://www.tmu.ac.jp/extra/download.html?d=assets/files/download/news/20200525_gakkuseikakome.pdf 2020年9月20日取得)。横浜国立大学でも、5月下旬に横浜市社会福祉協議会横浜市ボランティアセンターが米等を呈した1週間後から度々、同団体及び保土ケ谷区・泉区社会福祉協議会と大学との主催で、食品の他文房具やタオル等を配布している(横浜国立大学ホームページhttp://www.ynu.ac.jp/hus/koho/24216/34_24216_3_4_200703055959.pdf  2020年9月20日取得)。 
 
 取材に応じ同大課長が語った言葉「学生は数カ月後にもらえる現金よりも、2〜3日先の食べる物が欲しい」(時事ドットコムhttps://www.jiji.com/jc/article?k=2020060300607&g=soc 2020年9月20日取得)は、学生の苦衷を表していて生々しい。 
 
相談窓口等の設置 
 3月末に中央大学が、新型コロナウイルス感染症対策に伴う学生の様々な相談に応じる「新型コロナウイルス対策緊急相談ホットライン」 を設けた(中央大学ホームページhttps://www.chuo-u.ac.jp/uploads/2020/03/4946_guideline.pdf?1585275734917 2020年9月19日取得)。4月下旬には琉球大学は保健管理センター内に、新型コロナウイルス感染症に因るメンタルヘルスと学生支援専用のメールアドレスを設け相談を受け付けている(琉球大学ホームページhttps://www.u-ryukyu.ac.jp/news/13018/  2020年9月20日取得)。実践女子大学及び同短期大学部では年度当初から、コロナ禍の中で就職活動に不安を抱える大学4年生と短大2年生を対象にオンライン就職相談を、5月下旬からは併せて大学3年生と短大1年生に向け就職支援講座の動画配信も行っている(実践女子大学ホームページhttps://www.jissen.ac.jp/career/topics/qv8vbu00000apnxn.html 2020年9月20日取得)。一方専修大学は4月末より、オンライン授業に関する技術的な相談に電話で応じるサポートデスクを置いている(専修大学ホームページhttps://sites.google.com/senshu-u.jp/senshu-olc-info 2020年9月20日取得)。 
 
 相談窓口には、新型コロナ感染症流行を要因とする心身の健康、収入、進路、学修等に関し個別に設ける場合、総合的に扱う場合とがあるのが分かる。明海大学は5月中旬に後者の「修学継続支援・相談室」を開設し、ホームページに「授業・学修」・「学生生活」・「学費」・「就職活動」・「気分が落ち込む」等と項目を示し、それぞれ困ったときに相談するよう分かり易く呼び掛けている(https://www.meikai.ac.jp/news/post_186.html  2020年9月20日取得)。 
 
 文部科学省が全国の国・公・私立大学費及び高等専門学校計1060 校) を対象に行った調査によると、「新型コロナウイルス感染症の影響により不安や困難を抱えている学生のメンタルヘルス等のケアのため」相談窓口を設置しているのは991校(93.5%)、カウンセラーや医師等の専門家による相談を行なっているのは883校(83.3%)等となっている(「大学等における後期授業の実施方針等に関する調査」。調査期間は2020年8月25日〜9月11日。文部科学省ホームページ https://www.mext.go.jp/content/20200915_mxt_kouhou01-000004520_1.pdf 2020年9月20日取得)。 
 
▽その他 
 ;´┛奮阿砲癲⇒諭垢癖策が見られる。例を挙げると、5月末に関西学院大学が、自宅に印刷機の無い学生を対象とし、コンビニエンスストアのネットプリントサービスを利用する際印刷代を負担することを決め(関西学院大学ホームページhttps://www.kwansei.ac.jp/news/detail/4122 2020年9月20日取得)、同志社大学(同志社大学ホームページhttps://www.doshisha.ac.jp/news/2020/0617/news-detail-7682.html 2020年9月20日取得)、関西大学(関西大学ホームページhttps://www.kansai-u.ac.jp/ja/about/pr/news/2020/06/post_5166.html 2020年9月20日取得)、上智大学(上智大学ホームページhttps://www.jrc.sophia.ac.jp/news/2020/9138/ 2020年9月20日取得)等が続いた。 
 
 また、図書館所蔵資料の無料配送を行う大学も多い。4月下旬に帝京大学が開始し、神奈川大学(神奈川大学ホームページhttps://www.kanagawa-u.ac.jp/library/att/20183_46750_010.pdf 2020年9月20日取得)、東京薬科大学(東京薬科大学ホームページhttps://lib-news.toyaku.ac.jp/newstopics/2020/0520_3800.html 2020年9月20日取得)、千葉商科大学(千葉商科大学ホームページhttps://digitalpr.jp/r/39138 2020年9月20日取得)等が倣った。国立大学では大阪大学が、緊急事態宣言発令に伴う図書館閉館中、学位論文・卒業論文を執筆する大学院生及び学部4年生を対象に実施していたが、解除に伴い5月末に終了した(大阪大学ホームページhttps://www.osaka-u.ac.jp/ja/news/info/corona/measures/supportstudents 2020年9月20日取得)。 
 
 さらに、留学や研修先から帰国した学生に、帰国に要した費用等を援助する大学がある。大阪大学は5月末、水際対策強化措置によって2週間の待機を余儀無くされた学生対象に、待機場所での宿泊費と待機場所への移動費に約1,100万円を計上した(前掲大阪大学ホームページ)。6月中旬に学習院大学は、外務省の海外安全情報感染症危険レベルが2に引き上げられたのに伴い、帰国した学生に追加費用が発生した場合にその一部を補助する「要請により帰国した学生に対する学習院大学海外留学支援金」の申請受付を始めている(学習院大学ホームページhttps://www.univ.gakushuin.ac.jp/news/2020/0618.html 2020年9月20日取得)。 
 
 上に紹介した様々な対策は、一つのみではなく複数を実施する大学が多い。 ↓Α↓┐魎靄椶法↓⊆磴靴はが加わるといった塩梅である。授業料の減免はしないと明言した早稲田大学等は、支援金を支給している。国立大学には「東北大学緊急学生支援パッケージ」・「茨城大学緊急支援パッケージ」 ・「岡山大学学生生活支援パッケージ」といったように、措置をまとめて「パッケージ」と題しているところが散見される。「北海道教育大学学生経済支援“夢をあきらめない”パッケージ」は、 ↓、ァ↓Δ梁勝学生の企画による地域での活動への費用援助から成る詰め合わせである(北海道教育大学ホームページhttps://www.hokkyodai.ac.jp/files/00007300/00007317/20200603_shien.pdf  2020年9月21日取得)。コロナ禍が長引くにつれ、各方策の期限延長や再執行、或いは当初の計画に新たな策を追加する例は少なくない。 
 
▽給付金等の原資 
 支援金給付を初めとする各支援策の実施には、多額の費用を要する。千葉大学(学生数約1万4,000人)が3億円(千葉大学ホームページhttp://www.chiba-u.ac.jp/general/publicity/press/files/2020/20200508shien2.pdf 2020年9月21日取得)、東北大学(同約1万8,000人)が4億円、早稲田大学(同約4万8,000人)が5億円、中央大学(同約3万人)は14億円にも上る(中央大学 
ホームページhttps://www.chuo-u.ac.jp/aboutus/efforts/fund_raise/news/2020/08/50588/ 2020年9月21日取得)。 
 
 大学は総じて、資金の一定額以上を寄附金で賄っている。国・公・私立のあらゆる大学がコロナ禍対策に特化した募金を行なっており、各ホームページには、振込口座やクレジットカード・コンビニ決済、税制上の優遇措置等に付き案内している。筑波大学の例を見ると、「学生経済支援パッケージ」を遂行するのに必要な7億円の内、約4億円は従前の基金から充て、残り3億円は「さまざまな経路からの支援を募」ると説明する(筑波大学(筑波大学基金ホームページhttps://futureship.sec.tsukuba.ac.jp/files/common/67441d882a03af5f08cfa58ab2394c25587f4592.pdf 2020年9月22日取得)。大学への寄附活動では、教職員の他、同窓会が大きな役割を果たしている。明治大学では早くも5月末、同大校友会から「明治大学学生・教育活動緊急支援資金」へ2億円の寄附がなされた(明治大学校友会ホームページhttps://www.meiji-shikon.net/?p=7681 2020年9月21日取得)。早稲田大学は8月初頭、学長と校友会会長等の連名で、寄附金が5億円に達したことを報告した(早稲田大学ホームページhttps://kifu.waseda.jp/contribution/w_supporters-covid192020年9月21日取得)。 
 
 加えて今般、クラウドファンディングに依る募金を採り入れる大学が散見されたことは、特筆すべきであろう。筑波大学はインターネットを経由し不特定多数者を対象に目標3,000万円を掲げ、5月下旬からの1箇月で約2,800万円を集めた(READYFORホームページhttps://readyfor.jp/projects/Tsukuba_futureship_covid-19 2020年9月21日取得)。高崎経済大学は6月中旬から7月末間に、700万円に向けて約810万円を(同ホームページhttps://readyfor.jp/projects/tcuecovid19 2020年9月21日取得)、金沢大学は6月中旬から7月末間に、500万円を目指して約189万円(同ホームページhttps://readyfor.jp/projects/kanazawa-u-kikin-covid-19 2020年9月21日取得)をそれぞれ集めている。 
 
 筑波大・高崎経済大・金沢大に共通しているのは、「READYFOR株式会社」というクラウドファンディング事業を行う企業と契約し義金を募った点である。同社のホームページには、コロナ禍の中で苦境にある大学生支援の為の寄附金調達を「特別サポート」した嚆矢として筑波大学を紹介している。筆者は寡聞にして「特別サポート」の具体的内容を詳らかにしないが、同社はラウドファンディング成立の場合に支援総額から手数料を差し引いて受け取るようである。ちなみに同社代表取締役CEOの米良はるか氏は、竹中平蔵東洋大学教授、南場智子株式会ディー・エヌ・エー代表取締役会長、三浦瑠麗山猫総合研究所代表等と共に、「未来投資会議」委員を務めている(首相官邸ホームページhttps://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/miraitoshikaigi/pdf/meibo.pdf 2020年9月22日取得)。 


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