2020年10月28日18時33分掲載  無料記事
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国際

【西サハラ最新情報】  ナイジェリア国連代表部5人がコロナ感染  平田伊都子

 2020年10月27日の国連定例記者会見で、ナイジェリア国連代表部5人の新型コロナウィルス感染が、明らかになりました。 この日の国連総会は中止、国連安保理はビデオ会議、そして、国連ビルでコロナ追跡が始まりました。 国連業務が復旧するには、数日かかると国連事務総長報道官は言っています。 が、国連関係者のコロナ感染を他人事としてケロッと伝える報道官を見て、国連が何もしないことへの言い訳に、国連コロナ汚染を利用しようとしているのでは?、、と、疑ってしまいました。 
 2020年10月31日で、ミヌルソMINURSO(国連西サハラ人民投票監視団)の一年任期が切れます。 2019年11月から1年間、ミヌルソMINURSO(国連西サハラ人民投票監視団)は何をしたのでしょうか?  グテーレス国連事務総長は、何をしたのでしょうか?  何もしなかったのです。 10月最後の週に西サハラ紛争が討議されることになっていましたが、、 
 
�.潺魅襯�MINURSOは人民投票をやるための組織(ポリサリオ西サハラ難民政府): 
 ポリサリオ西サハラ難民政府が、「ミヌルソの仕事は国連西サハラ人民投票を実施することだ」との書簡を、国連ビルのコロナ汚染が暴露される3日前の10月25日付けで、グテーレス国連事務総長に送っていた。 
 その中でポリサリオ西サハラ難民政府は、「ミヌルソMINURSO(国連西サハラ人民投票監視団)は、1991年にUN国連に提案され1992年にAUアフリカ連合から推奨された和平解決案だ。国連は、西サハラ人民に約束した<国連西サハラ人民投票>和平解決を、速やかに遂行すべきだ。そのためにミヌルソは創設されたのだ。そして、ポリサリオ戦線は西サハラ人民の正式で法的な代表と承認され、ポリサリオ戦線は、国連の約束を実現させるために、UN国連やAUアフリカ連合や国際社会と長年にわたり協力してきた。我々は、この国際正義や西サハラ紛争の本質を捻じ曲げようとする行為に、断固として反対する」と、主張した。 
 さらにポリサリオ西サハラ難民政府は、「モロッコは、ミヌルソから脱植民地化という神聖な国連任務を剥ぎ取り、西サハラ・モロッコ植民地化の後方支援をさせている。国連事務総長は一年半以上も西サハラ担当国連事務総長個人特使を指名せず、モロッコの西サハラ天然資源強奪などの西サハラ植民地化を助長している」と、国連の姿勢を非難した。 
 
➁ そもそも、ミヌルソは?: 
 これまでも、何度かミヌルソMINURSO(国連西サハラ人民投票監視団)の話をしましたが、改めて説明します。この国連PKOが必要なのかどうか?意見を聞かせてください。 
 
 1991年、モロッコ国王ハッサン二世とポリサリオ戦線西サハラ難民政府代表が国連事務総長デクエヤルの和平提案を受け入れた。1975年から16年間にわたり西サハラ砂漠で戦闘を続けてきた両当事者は、停戦した。1991年4月29日、国連安理決議690が決議され、人民投票を行うためにMINURSOが設立された。MINURSOミヌルソ(国連西サハラ人民投票監視団)の目的は 
1.停戦の監視および両軍の配置の確認 
2.政治犯の釈放 
3.難民などの故郷帰還の支援 
4.人民投票の有権者の確定および人民投票の実施 
と明記されている。1992年に独立かモロッコへの帰属かを決定する<4番目の人民投票>を行う予定だった。が、未だに行われていない。他の3項目も、全く手を付けられていない。 
 モロッコ国王ハッサン二世は、反体制派の粛清を始めとして強固な独裁政治を布いていた。しかし、国連人民投票を受諾した1991年には、数百人の政治犯を釈放したり、モロッコ帰属か西サハラ独立かを決める二者択一の人民投票に向けて西サハラにモロッコ人入植者を大量に送り込んだりした。ところが、1998年から始まった西サハラ人民認定作業では、新モロッコ人入植者や新モロッコ占領兵士たちが西サハラ人として認定されないと判断し、ハッサン二世は1998年12月にジェームズ・べ^カー国連事務総長個人特使とジョン・ボルトンが計画した、<国連西サハラ人民投票>を拒否した。 人民投票に反対するモロッコは、人民投票など幻想に過ぎないと決めつけた。モロッコは、遊牧民はどこにいるのか分からないから、名簿作りなど不可能だと主張した。が、筆者とSJJAは、遊牧民も難民もみんな登録した、1998年の<国連西サハラ人認定作業>を撮影した。その記録は、MINURSOの金庫に、今も保管されている。 
 
➂ モロッコの西サハラ植民地化: 
 国連総会決議が西サハラは植民地である事を明記し、ICJ(国際司法裁判所)がモロッコの西サハラ領有権を否定しているように、西サハラの領土は西サハラ人民のものだ。にも拘らず西サハラ領土と西サハラ天然資源を手に入れたいモロッコは、元モロッコ宗主国フランスの助けを借りて、着々と西サハラのモロッコ植民地化を進めている。10月27日、モロッコは西サハラ占領地首都・ラユーンに、勝手にザンビア領事館を開設した。モロッコの強引で巧妙な誘いに乗ってこれまで、コモロ、ガボン、中央アフリカ、サオトメプリンシペ、ブルンディ、コートジボワール、エスワティニ、が領事館を開いた。同じように西サハラ占領地のダハラ港に、10月26日、モロッコはギネアビサオ領事館を開設した。これまでにモロッコ占領地のダハラ港に、ガンビア、ギネア、ジブチ、リベリア、ブルキナファソの領事館を設置した。 
 その一方で、モロッコ占領当局は西サハラ被占領民の締め付けを厳しくしている。デモなどは厳禁し、賛同者を即刻か連座で逮捕する。結社も集会も報道も含め、西サハラ被占領民の自由な発言を禁止する。10月27日、ラユーンのエキップ・メデイアに所属するモハンマド(仮名)が、モロッコ占領刑務所に収監されているハトリ・ダッダの近況と、占領政策に反対するデモの情報を送ってきた。彼によると、モロッコ占領地の古都スマラで取材活動をするハトリ・ダッダ(21)は、悪名高いアイ・メルール刑務所に転送され、拷問に晒されているという。コロナを理由に家族の面会も禁止され、不安な獄生活に怯えているとか、、彼は、取材活動を理由に、2019年12月24日にモロッコ占領当局に逮捕され、即決裁判で20年の禁固刑を言い渡された。 
 10月27日にモロッコ占領地の首都・ラユーンでは西サハラ被占領民の有志が、ラユーンに駐在するミヌルソMINURSO(国連西サハラ人民投票監視団)本部前で、速やかな人民投票の施行と西サハラ被占領民の安全と人権を守るように訴えた。モロッコ占領当局は、デモ主催者たちの家を包囲し参加を阻んだ。デモに参加した人々を、モロッコ治安部隊は蹴散らした。 
 
 ミヌルソMINURSO(国連西サハラ人民投票監視団)は、どうなるのでしょう、、 
 「何でもコロナ」のせいにして、うやむやのまま自然消滅させるつもりなのでは? 
 ミヌルソの見通しが立ちましたら、お報せします。 
 
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*難民アスリート・サラーの最新ドキュメンタリーがYoutubeにアップしました。 
https://youtu.be/jz7lFr2c_Jk スペイン語ですが、西サハラ難民キャンプが見られます。 
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著者:平田伊都子、写真:川名生十、画像提供:李憲彦、川上リュウ、SPS、 
造本:A5判横組みソフトカバー、4頁のカラー口絵、本文144頁 
発行人:松田健二、 
発行所:株式会社 社会評論社、東京都文京区本郷2―3―10、TEL:03-3814-3861 
2020年2月3日 初版第一刷発行  定価 税抜き2,000円 
*1月22日、「ニューズ・オプエド」で#1323<アフリカ最後の植民地>を放映しました。 
YouTube オプエド平田伊都子 URL https://www.youtube.com/watch?v=citQy4EpU-I 
Youtube2018年7月アップの「人民投票」(Referendum)をご案内。 
「人民投票」日本語版 URL :https://youtu.be/Skx5CP3lMLc 
「Referendum」英語版 URL: https://youtu.be/v0awSc25BUU 
Youtubeに2018年4月アップした「ラストコロニー西サハラ」もよろしくお願いします。 
「ラストコロニー西サハラ 日本語版URL:https://youtu.be/yeZvmTh0kGo 
「Last Colony in Africa]  英語版URL:  https://youtu.be/au5p6mxvheo 
 
 
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名敏之     2020年10月28日 
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子 


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