2020年11月25日21時37分掲載  無料記事
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国際

イスラエル首相、サウジを極秘訪問か。トランプ政権の暗躍続く

 11月23日、イスラエルのネタニヤフ首相が国交を結んでいないアラブの大国・サウジアラビアに極秘訪問したとのニュースが報じられた。イスラエルは今年8月にアラブ首長国連邦(UAE)、翌月にバーレーンと立て続けに和平協定を結んでおり、いずれもアメリカのトランプ政権が仲介したと言われている。 
 
 これについて、イスラエル軍のラジオは「ネタニヤフ首相が、紅海沿岸の都市ネオム(建設中の新未来都市)でサウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子とアメリカのマイク・ポンペオ国務長官による会合に参加するため、サウジを極秘訪問した」と報じている。 
 
 同様のニュースが世界中で流れる中、サウジのファイサル外相はTwitter上で、「会合はサウジとアメリカの当局者らのみで行われた」とイスラエル側の出席を否定しており、当のネタニヤフ首相自身も今回の極秘訪問についてコメントはしていない。 
 
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 この間、アメリカはサウジアラビアに対して、イスラエルとの関係を改善し、イスラエルと和平協定を結んだUAEやバーレーンと足並みを揃えるように求めてきた。しかし、イスラエルなどの中東地域に介入してきたトランプ大統領が先の大統領選挙で民主党のバイデン氏に敗れたため、今後の米国の中東政策にも変化が生じると見られる。 
 
 バイデン氏は、イスラエルのパレスチナ占領政策やイエメンに軍事介入するサウジアラビアに否定的な立場を取っていることに加え、トランプ大統領が一方的に離脱を決めたイラン核合意への復帰に対しても前向きな姿勢を示している。そのため、政権移行後はトランプ政権が取ってきた中東政策にメスを入れる可能性が高い。 
 
 イスラエルとサウジアラビアはイランに対するという共通の目的を有していることから、米大統領の交代に伴い、新政権に対するべく、両国の関係がより強固になることが予想される。 
 
〈参考記事〉 
https://www.middleeastmonitor.com/20201123-saudi-denies-mbs-meeting-with-israels-netanyahu/ 


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