2021年01月02日06時22分掲載  無料記事
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外国人労働者

コロナ禍で追い込まれる在日外国人〜オンラインイベント「国際移住者デー2020」

「移住者と連帯する全国ネットワーク」がオンラインで開催した「国際移住者デー2020」では、コロナ禍を受けて取り組まれた「移民・難民緊急支援基金」による支援を受けた外国人、そして支援団体関係者によるリレートークも行われた。 
新型コロナウイルスの感染拡大の中、日本人以上に困難に直面しながらも、なかなか目を向けられない在日外国人の実態が明らかになった。日本社会が抱える様々な不公平や矛盾。コロナ禍の今だからこそ改めて考える必要がある。 
 
リレートークでは「移民・難民緊急支援基金」による支援を受けた全国各地の当事者や支援団体関係者が発言。厳しい状況に追い込まれている在日外国人の実態が語られた。 
 
・外国人支援に携わる人が多い地域ですが、コロナが広がり、交流より支援が必要な状況に。支援対象の多くがクルド人ですが、彼らの大半が仮放免という状況もあり、医療にアクセスできなかったり公的支援が受けられないのが現状で、基金への問い合わせも多くありました。相談会を開いて支援金とともに農家から頂いたお米の配布なども行ってきましたが、支援する側のクルド人の中でも困窮が広がっていて、今後どうなるのかという不安もあります(支援団体関係者、埼玉) 
 
・「人としてここに居させて欲しい」という思いでミャンマー人が難民申請していますが、ほとんど認められていません。申請が通らず仮放免になると面倒な手続きが度々あり、移動も制限を受けます。隠れるようにして働いても、無保険のため病気や出産の際には100%自費で払うことになります。そしてコロナが広がって最初に切り捨てられたのはそうした外国人。不自由な状況に外国人を置くのではなく、日本で共に生きていくためにも、人権が認められていない現在の壁を壊すことが必要(ミャンマー人・女性、東京) 
 
・コロナの影響で3月から飛行機も飛ばなくなり、帰国もできません。ニュースを見ても理解できない単語もあり、仲間内のSNSで何とか状況を把握してきました。コロナの感染拡大で仕事がなくなり、家にこもる生活になったりと多くの変化がありますが、早く元の生活に戻りたい(フィリピン人・女性、熊本) 
 
・実習生として来日しました。溶接の雇用契約だったにも関わらず、実際の労働現場はビルの外壁施工。社長には毎日のように怒られ、暴力を受けることもありました。どうしようもなくなって逃げる道を選びましたが、コロナの感染拡大で職を得ることが非常に困難となり、逃げる前より悲惨な状況です(インドネシア人・男性、愛知) 
 
・日本で暮らす外国人は心、言葉、制度という3つの壁に直面していますが、コロナの感染拡大で不安が増しています。実際にコロナに感染した場合にどのように対処すればいいのかという不安もあります。留学生のアルバイト先は観光関係の業種が多いですが、真っ先に影響を受けて仕事がなくなっています。帰国したくても母国はロックダウンされており、収入が減る中、日常生活支援や精神面でのケアが必要な人が増えています(ネパール人・男性、沖縄) 
 
・今年に入って230件あまりの労働相談が持ち込まれましたが、半数近くが解雇案件。コロナの影響で雇い止めとなったが休業補償が支払われない事例や、日本人の同僚が仕事を続けているにも関わらず、外国人だけ補償なしで休業を指示されるといった事例もありました(労働組合関係者、神奈川) 
 
制度上の問題もあって厳しい状況に置かれがちだった在日外国人の中には、コロナ禍によってさらに困難な状況に追い込まれる人が多い。 
オンラインイベントの中で、「移住連」代表理事の鳥井一平さんは「コロナ禍にあって、誰ひとり取り残さないための実践を改めて考えたい。働く権利、知る権利、闘う・声をあげる権利を誰もが享受できる多文化共生社会の実現を」と呼びかけたが、コロナという災厄が皆の上に等しく降りかかる今だからこそ、日本社会で『共に生きる』外国人をめぐる法制度や人権意識の改善を真剣に考えていかなくてはならない。 
 
 
移住連による「移民・難民緊急支援基金」の報告 
https://migrants.jp/news/office/20201110.html 


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