2021年01月06日13時04分掲載  無料記事
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コラム

現代に関東軍がいたら、何をするか? 北方領土上陸だろう・・・

  冷戦時代に「第三次大戦はこう始まる・・・」的な本が出版されていたが、その1つは北海道にソ連が上陸するという想定のものだった。結果的にはソ連は上陸しなかった。とはいえ、安倍政権の途方もない接待や交渉をあざ笑うかのようにロシアは第二次大戦中に接収した北方領土の日本返還へのハードルを憲法改正によって一段上げたのだった。 
 
  私は現代に中国大陸で戦闘を勝手に始めた関東軍というものがいたと仮定すると、自衛隊の中に彼らは潜み、国後島や択捉島などの北方領土に兵器を携帯して上陸するのではないか、と想像する。もちろん、ロシア軍は反撃してくるから戦闘となる。この場合、かつての関東軍に引きずられて日中戦争につき進んで行った日本軍のように、自衛隊がロシアとの戦争にのめり込んでしまった場合、いったいどうなるのだろうか。まず、日本国民が事態をどう見るか、ということと、日米安保の同盟国である米国がどう事態を見るか、ということである。 
 
  火種が大きくなる場合は日本国民と日本政府が現代の関東軍の行動を追認して、侵略された領土を守る自衛の闘いだと定義した場合だろう。この場合、米国が自衛隊と共同作戦を行って米ロ戦争に拡大するか、あるいは米国が調停を進めるか。1月に就任するバイデン米新大統領はロシアや北朝鮮との緊張を高める可能性があると米国で報じられている。もし米国が自衛隊と共同して北方領土の守備に回った場合、この火種はロシアの逆サイドのEUとロシアとの確執にも広がる可能性もあるかもしれない。つまり第三次世界大戦が北方領土から始まる可能性である。この紛争をこれ幸いに、米国はシベリアから、北朝鮮まで軍事占領しようとするかもしれない。20世紀に米国では21世紀の明暗を握るのはユーラシア大陸の真ん中だという地政学者の見解があったが、もし米国がシベリアを手中にすれば、莫大な資源を手に入れた上に、広大な市場を持つユーラシア大陸に食い込めるのだ。 
 
  今回も荒唐無稽な妄想で終わってくれれば幸いだ。とはいえ、日本国民の安倍首相の無能さへの怒りを、ロシアへの恨みにベクトルを替えることのできるカリスマ的政治家が極右から出てくると、話は別となるかもしれない。あるいは、意外なことだが、ロシアと日本で平和条約が領土紛争をきっかけに結ばれる場合、米軍基地の日本からの全面撤去が盛り込まれるかもしれない。 
 
 
南田望洋 


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