2021年02月10日19時41分掲載  無料記事
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遺伝子組み換え/ゲノム編集

日本有機農業研究会など、ゲノム編集トマトの受理撤回を求める意見書を提出 

 日本有機農業研究会など有機農業3団体は9日、12月に届出が受理されたゲノム編集トマトの受理撤回と種苗の無償配布を取りやめさせる措置など求める意見書を厚労省や農水省の提出した。(有機農業ニュースクリップ) 
 
 意見書は、「ゲノム編集技術は未完成の技術であり、安全性審査も抗生物質耐性遺伝子の除去の明確な確認もないままの、こうした無責任な“人体実験”は直ちにやめさせるべきである」と指摘している。その上で、サナテックシードのゲノム編集トマトの「受理」を撤回するように求めている。また、後代品種についても安全審査や環境影響評価、表示の義務付けとともに、ゲノム編集技術応用品種の種苗に「ゲノム編集技術応用」という旨の表示義務付けやゲノム編集食品へ表示義務付けを求めている。 
 
 ゲノム編集トマトについて、サナテックシードが計画している種苗の無償配布は、「苗が配布されれば、ゲノム編集作物・食品が文字通り「野放し」状態になり、取り返しのつかない遺伝子汚染の恐れがある」として、早急に種苗配布の取りやめが必要だとしている。 
 
 ・日本有機農業研究会, 2021-2-9 
  有機農業3団体 ゲノム編集作物「高GABAトマト」の届け出受理に反対する意見書を政府(厚生労働大臣、農林水産大臣、消費者庁担当大臣)に提出 
(文書は後出) 
 
 
 日本の有機基準(有機JAS)では、「組換えDNA技術」を使わないよう規制している。遺伝子組み換えで組み換え遺伝子を植物の細胞に挿入するには、一般的に土壌細菌のアグロバクテリウムが使われているが、サナテックシードのゲノム編集トマトも同様の技術を用いて、ゲノム編集のためのDNAをトマトの細胞に挿入している。この点では、このゲノム編集トマトは、現行の有機JASでは、対象外の作物であることははっきりしている。 
 
 また、農水省は2019年12月、有機JASでゲノム編集技術を原材料等に使用できないよう規定を明確にする方針を決定している。そのような中で、ゲノム編集トマトの種苗を配布し栽培させることは、意見書が指摘するように遺伝子汚染を引き起こす恐れがある。種苗配布を早急にストップさせることが必要だ。 
 
 
2021 年2月 有機農業3団体 
ゲノム編集作物「高 GABA トマト」の届け出受理に反対する意見書を政府(厚生労働大臣、農林水産大臣、消費者庁担当大臣)に提出 
 
有機農業3団体―日本有機農業研究会、有機農業推進協会、全国有機農業推進協議会―は2月5日、「ゲノム編集作物・食品」を安全性審査・環境影響評価・表示義務付けなしとした一連の決定に対し、これを撤回するよう意見書を送付し申し入れた。 
 
直近では、昨年 12 月 11 日、日本で初めてとなるゲノム編集作物・食品「高 GABA トマト」(サナテックシード株式会社の「GABA 高蓄積トマト」)の届け出が厚労省審議会で受理され、安全性審査等をしないまま販売等が可能になったが、この届け出受理の撤回を訴えている。 
 
この決定は、一昨年(2019 年)9 月の「ゲノム編集技術応用食品及び食品添加物の食品衛生法上の取扱要領」に基づくもので、有機農業3団体はこの要領の撤回を求めている。 
 
そして、早急に停止措置が必要と訴えているのは、サナテックシード社が販売に先立ち、ゲノム編集高 GABA トマトの苗を無償で配布するとしてウェブサイト上で宣伝を始め、希望者の申し込みを始めていることである。 
https://sanatech-seed.com/ 
 
ゲノム編集技術は未完成の技術であり、安全性審査も抗生物質耐性遺伝子の除去の明確な確認もないままの、こうした無責任な“人体実験”は直ちにやめさせるべきである。苗が配布されれば、ゲノム編集作物・食品が文字通り「野放し」状態になり、取り返しのつかない遺伝子汚染の恐れがある。 
 
さらに政府は、ゲノム編集品種の「後代交配種」についてもこれを「届け出」すら必要なしとした(12 月7日、厚労省審議会)。これについても撤回を要求している。 
 
そもそもゲノム編集技術も遺伝子組換え技術も、生命の根幹である遺伝子を人為的に改変するものであり、自然の摂理に沿った持続可能な農業の方向性と相いれない技術であり、生命倫理にも反するものであり、その技術を応用した作物・食品は一切認められない。 
 
日本の農業の現場にゲノム編集作物、高 GABA トマトを持ち込むことをやめるべきである。こうしたゲノム編集を含む遺伝子操作で作出した作物品種を有機農業の生産基準(有機 JAS 規格)では、使わないこと」と制限している。有機農業こそは本来、誰もが享受すべき持続可能な農業にほかならない。このような有機農業の生産基準をも脅かすゲノム作物は認められないが、100歩譲って、少なくともゲノム編集作物である旨の種苗及び食品への表示の義務付けが農業者、消費者の「知る権利」「選ぶ権利」、そして何をつくり食べるかを自ら決定できる「食料主権」からみても必須である。 
 
 
有機農業3団体は、これらを早急に措置すべきことを意見書で申し入れている。 
 
◎要求項目 
1 ゲノム編集技術応用「GABA 高蓄積トマト」の届け出受理の撤回、及び同種のゲノム編集食品を届け出のみとした「ゲノム編集技術応用食品等の食品衛生法上の取扱要領」(2019 年9月)の撤回を求めると共に、即刻、無償配布を取りやめさせる措置を採ることを強く申し入れます。 
2 「後代交配種」にも届け出をはじめとする安全性審査・環境影響評価・表示の義務付けを求めます。 
3 ゲノム編集技術応用品種の種苗への「ゲノム編集技術応用」である旨の「表示」の義務付け、及び同食品への同表示義務付けを求めます。 
 
NPO 日本有機農業研究会 
NPO 有機農業推進協会 
NPO 全国有機農業推進協議会 


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