2021年04月05日11時31分掲載  無料記事
http://www.nikkanberita.com/print.cgi?id=202104051131381

アジア

日本政府に更なる圧力を! 外務省前「ミャンマーの平和と民主主義を求める集会」の報告と呼びかけ

 国軍クーデターから2ヶ月となった4月1日、外務省前で行われた「ミャンマーの平和と民主主義を求める集会〜日本政府に国軍の暴力を止めるための具体的な行動を求めます」に参加した「武器取引反対ネットワーク:NAJAT」の杉原浩司さんの報告と呼びかけを紹介する。写真も多数添えられている。https://kosugihara.exblog.jp/240912876/ 
 
軍事クーデター発生から2カ月となった4月1日、外務省前で行われた「ミャンマーの平和と民主主義を求める集会〜日本政府に国軍の暴力を止めるための具体的な行動を求めます」(呼びかけ:メコン・ウォッチ、アーユス仏教国際協力ネットワーク、国際環境NGO FoE Japan、武器取引反対ネットワーク[NAJAT])に延べ200人の市民、宗教者、在日ミャンマー人が参加。ろうそくを灯して殺された人々を追悼しつつ、国軍を利する日本の経済協力をただちに止めるよう要求しました。 
 
主催者あいさつで、メコン・ウォッチの木口由香さんは、「私たちは『きちんと調べてください』『国軍との関係を切ってください』と言っているだけです。それもできないんでしょうか。外務省はきちんと表明してください。国軍ではなく、市民を見て支援を」と訴えました。 
 
また、在日ビルマ市民労働組合会長のミンスイ(Myint Swe)さんは、「ODAを考え直すべき。何人(なにじん)であろうと、殺されているのに黙っているのは本当に恥ずかしいこと。命が奪われているのに何にも行動しない日本政府は、人間として悲しく恥ずかしい」と発言。 
 
途中、代表5人が外務省に入り、要請書を提出。木口由香さんは、「ODAに加えてJBIC(国際協力銀行))、JOIN(海外交通・都市開発事業支援機構)などが行っている経済支援も含めて、国軍に利益が渡ることのないよう、政府としてきちんと対応してほしい。それを調べて公表してほしい。国軍と関係ある企業はやめさせてほしい」と要望。 
 
ミンスイさんは、「犠牲者が増えないようはっきりした態度をとるべき。やらない理由は何か。日本にはそれによる利益があるのか、という疑いが出てきた。きちんと説明してほしい」と訴えました。 
 
驚くべきことに、対応した国際協力局国別開発協力第一課の森祐一郎首席事務官は、「加藤官房長官は記者会見で『新規のODA(政府開発援助)を止める』とは申し上げていない。『現時点で早急に判断すべき案件はないと聞いています』と言っている」と発言しました。 
 
確かに、3月31日午後の官房長官の会見動画を見ると、そのように述べています。 
https://www.kantei.go.jp/jp/tyoukanpress/202103/31_p.html 
※10分38秒からの応答 
 
一部報道では、「新規のODAは止める」と流れており、私もそれを信じ込んでいましたが、日本政府はそれすら明言していないことを確認しました。 
 
私は「新規を止めるとすら言わないことのメリットは何か?」と問いただしましたが、森首席事務官は「申し上げることはできない」と回答を拒否。 
 
また、「対応策を検討しているなら、いつ頃までにそれを決めるのか?」と聞いても、「申し上げられない」と述べ、その理由をただしても、「情勢が流動的だから」と繰り返しました。情勢はひたすら悪い方向に流動しているに過ぎません。 
 
ただ、会見で加藤官房長官は、それに続けて、「現に実施中の案件については、案件の目的、内容、性質、現地情勢などを総合的に勘案し、具体的対応を考えることにしている」とも述べており、3月31日の読売も「インフラ支援、一部停止へ」と1面で報じています。水面下での検討が始まっている可能性もあります。 
 
【独自】ミャンマーへのインフラ支援、一部停止へ…国軍からの新規要請は拒否(3月31日、読売) 
https://www.yomiuri.co.jp/politics/20210330-OYT1T50235/ 
 
一刻も早く、実効的な措置を取るよう、市民や国会、メディアなどがもっと強力なプレッシャーをかけることが不可欠だと再確認しました。 
 
集会の締めの発言で木口由香さんは、「外務省は『流動的な状況を見極める』と3月4日に問い合わせた時と全く同じ答えだった。こういった姿勢を変えられないのは、私たちの力が足りないからだが、問い続け、毅然とした姿勢を求めていく」と述べました。 
 
今まで、在日ミャンマー人の皆さんが様々な行動をされてきましたが、日本の市民による行動が遅くなったことを申し訳なく思います。新規のODAさえ「止める」と言えない菅自公政権の恥ずべき姿勢を変えるのは日本市民の責任です。 
 
◆外務省・茂木外相に声を届けてください!!! 
 
国際協力局国別開発協力第一課 
(FAX)03−5501−8368 
 
茂木敏充外相・議員事務所 
(FAX)03−3508−3269 
 
「ミャンマー国軍に流れるODAを止めてください」 
「ミャンマー国軍の資金源を断ってください」 
「ミャンマー国軍を利する経済協力をやめてください」 
「日本のお金で人殺しをさせないでください」 
 
<資料・報道など> 
【共同要請書】(2021年4月1日) 
ミャンマー国軍を利する日本政府の経済協力事業を直ちに停止するよう求めます 
http://www.mekongwatch.org/PDF/rq_20210401.pdf 
 
◆よくまとまっています、ぜひご覧ください! 
【動画】日本の支援 ミャンマー軍が使用なら停止を(4月1日、日テレNEWS24) 
https://www.news24.jp/articles/2021/04/01/10849273.html 
 
20210401 UPLAN 外務省前「ミャンマーの平和と民主主義を求める集会」 
https://youtu.be/n47bQLKObZI 
※私の要請報告は 55分17秒〜59分42秒 
 
【ご報告】 
ミャンマーのクーデターに関する日本政府からの回答 
(4月2日、国際人権NGO ヒューマンライツ・ナウ) 
https://hrn.or.jp/hokoku/19685/ 
 
【報告書】 ※広く活用されるべき重要な内容です。 
ミャンマーの人権侵害と日本企業の関与と責任 
〜ビジネスと人権に関する指導原則の観点から〜 
(4月2日、国際人権NGO ヒューマンライツ・ナウ) 
https://hrn.or.jp/wpHN/wp-content/uploads/2021/04/45cffa44ca89139934395bb3cac330d5.pdf 
 
ミャンマー虐殺、日本政府の対応に広がる失望〜日本はアジアの人権侵害にどう向き合うのか 
(4月3日、柴田直治・近畿大学教授、東洋経済オンライン) 
https://toyokeizai.net/articles/-/420565 


Copyright (C) Berita unless otherwise noted.
  • 日刊ベリタに掲載された記事を転載される場合は、有料・無料を問わず、編集部にご連絡ください。ただし、見出しとリード文につきましてはその限りでありません。
  • 印刷媒体向けの記事配信も行っておりますので、記事を利用したい場合は事務局までご連絡下さい。