2021年05月06日23時08分掲載  無料記事
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農と食

欧州司法裁判所 バイエルの上訴棄却 EUのネオニコ規制を支持

 欧州司法裁判所は5月6日、2018年のEUによるイミダクロプリドなど3種類のネオニコチノイド系農薬の屋外使用禁止について、バイエルの差止めを求めた訴えを却下した。EUの屋外使用禁止について、バイエルとシンジェンタは、農家がより危険な農薬を使わざるを得なくなるとして、この禁止の差し止めを求めていた。(有機農業ニュースクリップ) 
 
 欧州司法裁判所は6日、ネオニコチノイド系農薬が「ハチに対する高い急性リスク」と 「いくつかの作物でのコロニーの生存と発達」 をもたらすとの懸念に基づいて、農薬の使用に制限を課す欧州委員会の決定に法的誤りはないと判断し、控訴を棄却した。 
 
 欧州委員会は2013年、ネオニコチノイド系農薬のイミダクロプリド、クロチアニジン、チアメトキサムについて、ミツバチに有害であるとして、2015年までの一時的な禁止を実施し、欧州食品安全機関が再評価を実施。欧州委員会は予定を延長し、2018年12月から3種類のネオニコチノイド系農薬の屋外使用を決定した。この決定に対してバイエルとシンジェンタは、差し止めを求めて提訴した。第一審裁判所で敗訴したが、バイエルだけが欧州司法裁判所に上訴していた。 
 
 EUではこれまで、PANなどの環境団体などがネオニコチノイド系農薬の禁止を求めてキャンペーンを展開してきた。現在、こうした団体のコメントはまだ出ていない。 
 
 ・Reuters, 2021-5-6 
  EU top court upholds EU ban on Bayer pesticides linked to harming bees 
  https://www.msn.com/en-us/news/world/eu-top-court-upholds-eu-ban-on-bayer-pesticides-linked-to-harming-bees/ar-BB1gpGZv 
 
 ・Bloomberg, 2021-5-6 
  Bayer loses EU case over chemicals blamed for killing honeybees 
  https://www.businesslive.co.za/bd/companies/2021-05-06-bayer-loses-eu-case-over-chemicals-blamed-for-killing-honeybees/ 


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