2021年06月11日10時42分掲載
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アジア
ミャンマー情勢を憂慮する日本人有志が、日本ミャンマー協会の会員企業と役員の国会議員に公開質問状を送付 協会の国軍支持と企業の人権理念を問う
ミャンマー情勢を憂慮する日本の有識者、市民団体と在日ミャンマー人団体が、日本ミャンマー協会の会員企業と役員の国会議員に、企業の人権理念を問う公開質問状を出した。協会の渡邉秀央会長とクーデター首謀者ミンアウンフライン総司令官の度重なる会談と、協会の渡邉祐介事務総長が英字誌に寄せた国軍支持の主張に危機感をもったためだ。質問状は8日に発送され、10日現在で数社から祐介氏の寄稿への賛否と協会との今後の関係について回答が寄せられている。(永井浩)
▽国軍支持を明確にする協会トップ
日本ミャンマー協会は、麻生太郎副首相・財務相を最高顧問に元官僚トップ、一流企業の役員らで結成された民間組織で、渡邉会長のミャンマー国軍とのパイプをつうじて同国への日本の投資の波を呼び込むために大きな役割を果たしてきた。会員企業137社のなかには、国軍系企業と提携関係にある会社もある。クーデター後にミャンマー国民の不買運動に直面しているキリンホールディングスもその1社である。
渡邉会長はクーデター直前の1月につづき、5月中旬にミャンマーでミンアウンフライン総司令官と2度会談したと報じられている。それと呼応するように、息子の渡邉祐介事務総長がThe Diplomat誌に、「日本は西側の体制変革政策に盲目的に同調するより、タッマドー(国軍)と米国その他の民主主義国の橋渡し役としての姿勢を示さなければならない」との主張を投稿した。
民主主義の回復をもとめる国民の運動に残虐な武力弾圧をつづける国軍に対して、欧米諸国は制裁措置を強化しているが、日本政府は「独自のパイプ」を理由に国軍批判を控え、ミャンマー国民支持の姿勢を打ち出さないでいる。そうした状況のなかで、日本の対ミャンマー政策で政・官・財に大きな力をもつ同協会が、国軍支持を明確にしただけでなく、祐介氏の英文記事は、公然たる国軍支持とともに欧米批判と日本讃美をむき出しにした内容だった。ロイター通信がこれをニュースとして配信、国内外でミャンマーに関わっている人たちに大きな衝撃をあたえた。
協会のうごきに危機感をいだいた日本の大学教員やミャンマーの民主化を支援する市民団体が在日ミャンマー人団体と一体となって、「渡邉寄稿に疑問を持つミャンマーに関わる有志」として公開質問状を発表、会員企業全社と協会役員の現役国会議員6名に質問状を送付した。「有志」関係者によると、�_餔�企業に対して自社の理念や人権方針に則した積極的な行動を促す��日本ミャンマー協会の活動や主張について、社会の認知を高め、国内での議論を促すことが狙いという。
▽数社から寄稿に「賛成できない」、協会から「退会」の回答
ミャンマー国民が日本企業と国軍系企業との関係や日本政府の対ミャンマー政策などに厳しい目を向けていることは、ミャンマーでビジネスに関わる日本人有志が在ミャンマー日系企業のミャンマー人従業員に対して4月におこなったアンケート結果でも示されている。
それによると、国軍のクーデターに「反対」が97・9%▽クーデターで追われたアウンサンスーチー国家顧問が率いる国民民主連盟(NLD)の議員らが、国軍に対抗して結成した「連邦議会代表委員会」(CRPH)と、民主派が結成した「国民統一政府」(NUG)を「支持」が86・2%▽国軍・軍系企業と直接関係のある日本企業は「関係解消もしくは事業撤退すべき」が75・9%と圧倒的多数──などとなっている。
日本外交への期待としては、「部分的な経済制裁を望む(軍系企業・軍政府を対象)」が53・1%、「強力な経済制裁を望む(雇用や生活に重大な影響があっても)」27・6%、「限定的な経済制裁を望む(一部の軍系企業や個人を対象)」14・5%と、「経済制裁を望まない」の4・8%を大きく上回っている。また日本が最大の供与国なっているODA(政府開発援助)についても、否定的な意見が圧倒的に多い。継続中のODAは「一部停止」60・7%と「全て停止」29・0%を合わせて約90%のミャンマー人は停止を求めている。
日本ミャンマー協会の行動がこうしたミャンマーの民意といかに乖離しているかは、明らかである。しかも協会は、一民間団体ではなく、政・官・財のトップクラスで構成される日本株式会社の縮図なのである。
公開質問状はとくに渡邉事務総長の寄稿に焦点をあて、有識者の指摘する以下の問題点について、協会の会員企業と役員の国会議員に回答をもとめている。��2月1日の国軍クーデターを正当化し、ミンアウンフライン総司令官のビジョンは日本の伝統的なアプローチに完全に沿ったものと評価している��日本は国軍との特別な協力関係をさらに強化し、軍事政権の戦略的インフラプロジェクトを支援すべきと主張している�� 国軍による市民に対する殺戮、暴力、拘束、言論弾圧など人権侵害について一切触れられていない──などである。
回答期限を6月23日までとして、すでに数社から回答が寄せられている。
・寄稿に賛同しない部分がある(徳岡設計)
・アンケートへのご回答には一律ご容赦頂いている(スズキ)
・寄稿に賛同しない。言語道断。まったく賛同できる部分はない。協会に直接、賛同しない旨をお伝えする(ザイマックス、ザイマックスアルファ、ザイマックスインフォニスタ3社連名)
・寄稿に賛同しない。クーデターには全く賛同しない(冨尾石油)
また、協会から「退会済み」との連絡が以下の社からあった。
・�螢戰奪札襯曠謄覲�発
・グローバルイノベーションコンサルティング�蝓�
国会議員からの回答は、まだ一人もない。
公開質問状の全文と現時点での回答は以下を参照。
https://note.com/jma_letter/n/n49e554fb18df
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