2021年06月30日18時26分掲載  無料記事
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国際

【西サハラ最新情報】  「西サハラ紛争解決に失敗してきた国連は再興できるか?」  平田伊都子

 「何故、国連は西サハラ紛争解決に失敗したのか? 何故、国連は<国連西サハラ人民投票>に失敗したのか?」 西サハラを知る人なら、誰もが抱く疑問です。 国連は40年以上も前に、西サハラは植民地だから人民投票でその立場を人民自身が決めるようにと、<国連西サハラ人民投票>を提案しました。 西サハラ紛争の両当事者である、植民地支配者モロッコと被支配者西サハラ人民はこの国連和平案を呑んで停戦し、少なくとも1年後には人民投票が行われると思われていました。 ところが、40年経っても西サハラ人民投票は行われず、最近になってモロッコは、西サハラは植民地ではなくモロッコ領土だと言い出すようになりました。 
 モロッコはトランプ前米大統領にモロッコ領有権を認めさせ、ヨーロッパ諸国にもトランプに見習えと強要しました。 そんな中、EU議会は、、 
 
 屬覆執駭△論哨汽魯虔響莢魴茲房最圓靴燭里?」ジュネーブ・グループ: 
 2021年6月10日、EU(ヨーロッパ)議会が、モロッコの対ヨーロッパ恫喝外交と不法移民によるスペイン領土への官製越境に対して、非難決議を採択した。UN国連やAUアフリカ連合よりもEUヨーロッパ連合を重視するモロッコにとって、EU議会のモロッコ非難決議は大きな痛手だった。大失敗を挽回するため、モロッコ国王はブリタ外務大臣やヒラ―ル国連大使などにハッパをかけて、猛反撃に転じた。これまでモロッコ支持表明を出した開発途上諸国やアラブ諸国に電話攻勢をかけ、再度の支持を強制した。緊急アラブ会合を開催させ、「モロッコサハラ(西サハラ)はモロッコ領土で、スペインのほうこそモロッコ北部のスペイン領土を脱植民地化せよ!」と、ブリタ外務大臣にモハンマド六世モロッコ国王陛下の王令として、発表させた。 
 6月23日、ドイツの政権与党議員でキリスト教民主同盟ブラウンシュヴァイク州支部長フランク・ヘインリッシュ氏が、「西サハラの将来は西サハラ人民自身のみに決定権がある。ドイツ政府は、モロッコや米前大統領のモロッコ領有承認には与しない」との声明文を出した。 
 6月22日には国連ジュネーブ本部でHRC(Human Rights Council 人権理事会)が開催され、モロッコ占領地・西サハラに於けるモロッコ占領当局の人権侵害が討議された。 
 6月23日、スイスのジュネーブで、<ジュネーブ・グループ (西サハラ関係国際団体)>が、ハイレベルの会議を開いた。参加者は、フランシスコ・フェルナンデス東チモール国連大使、ムコシリサ・ンコシ南アフリカ国連大使、カテリン・トマス元国連西サハラ人民投票・投票人認定作業責任者、カルメン・フォアン元国連政治局局長など、西サハラ問題に関わる学識経験者や外交官たちだった。そして、フランシスコ・バスタグリ元国連西サハラ人民投票監視団団長がビデオ参加し、「国連安保理は、西サハラでの民族自決権に基づく国連人民投票に失敗した事実を深く受け止め、再興するべきだ」と括り、全会一致で彼の提案が可決された。 
 「国連はレファレンダム(国連西サハラ人民投票)に失敗したことを潔く認め、役立たずのMINURSO(国連西サハラ人民投票監視団)は即刻、解散させ、相応の責任を取れ!」と、ジョン・ボルトン元米国連大使は事あるごとに国連非難を繰り返してきた。問題は、国連を非難するだけでなく、再興の道筋をいかにして作っていくかだ。 
 
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 トランプ前米大統領が反政府大統領を捏造しモロッコがそれに加勢し、ベネズエラを殆ど崩壊寸前まで追い込んだ。しかし、ブリュッセルEU(ヨーロッパ)議会のモロッコ非難決議やジュネーブ・グループ(西サハラ関係国際団体)の決意は、ベネズエラにカンフル剤となったようだ。満身創痍のベネズエラは久方ぶりに、ALBA( the Bolivarian Alliance for the Peoples of Our America我らがアメリカ人民のためのボリバル連帯)サミットを開催した。中南米は日本よりもずっとヨーロッパに地理的にも感覚的にも近く、効き目も早い。 
 ベネズエラの首都カラカスでのALBAサミットは、6月21日から6月23日にかけて開催された。サミットには中南米諸国の首脳や閣僚が参加して、コロナ渦中での経済や医療や政治などの連帯体制が討議された。特に、未だ植民地支配下にある西サハラに関して、「西サハラ人民の人権や民族自決権やSADR(サハラウィ・アラブ民主共和国)を、変わらず支持していく」と、決議表明された。 
 6月26日、ALBAサミットに西サハラ難民政府が送ったハディージャ・アルムフタール西サハラ難民政府スペイン副代表は、ホルヘ・アリーザ・ベネズエラ外務大臣と会談した。 
ベネズエラ外務大臣は、「最後のアフリカ植民地が一日も早く解放されるよう、ベネズエラは国際社会に働き続ける。ベネズエラは、これからも西サハラ人民の民族自決権を惜しみなく支援していく」と、約束した。ハディージャ副代表は、2020年11月のモロッコによる停戦違反以来、モロッコ占領軍の西サハラ侵略行為が酷くなったと訴え、ベネズエラの援助を求めた。 
 Bolivarian(ボリバル主義)とは、中南米各国の独立運動を導いたシモン・ボリバル(1783〜1830年)の思想に基づく政治・社会運動のことで、汎中南米連合を目指している。ベネズエラ生まれのシモンにあやかって、ベネズエラは正式国名を<ベネズエラ・ボリバル・共和国とした。 
 
キューバ新リーダー・ミゲル・マリオ・ディアスカネル・ベルムーデス: 
 2021年6月26日、キューバの新リーダー・ミゲル・マリオ・ディアスカネル・ベルムーデス大統領は、西サハラ難民大統領兼ポリサリオ戦線事務総長のブラヒム・ガリ氏に、キューバ大統領就任の祝辞に対する答礼書簡を送った。その中でキュ―バ新大統領は、「キューバ共産党書記長とキューバ大統領の就任にあたり、貴殿がお送りくださった祝電に、心から感謝いたします。キューバ国民と政府と共産党を代表して、改めて、西サハラ人民とSADR(サハラウィ・アラブ民主共和国)とポリサリオ戦線に支援し続けることを、誓います。連帯し協力していきましょう!」と、記した。 
 ミゲル・マリオ・ディアスカネル・ベルムーデス(Miguel Mario Díaz-Canel Bermúdez, 1960年4月20日生まれ-)は、キューバ第15代大統領に2019年10月10日 、キューバ共産党第一書記(最高指導者)に2021年4月19日、選ばれた。キューバ指導部の中では強硬派と見られている。1982年に電気技師としてキューバ革命軍に入隊し、除隊後はキューバ青年共産主義同明に所属した。キューバ革命後に生まれた「キューバ革命を知らない世代」の新大統領は、オートバイが大好きだ。 
 キューバはSADR(サハラウィ・アラブ民主共和国)を国家承認し、キューバにSADR大使館を設置した。西サハラ難民キャンプに一つある病院では、キューバの医療団が働いている。さらにキューバは、西サハラ難民の留学生を、毎年数十人ほど受け入れている。 
 
 6月27日、西サハラ難民政府国連代表のオマル氏は、国連政治的平和構築担当のローズマリー・ディカルロ女史と対談し、一日も早い懸案の国連西サハラ事務総長個人特使の任命を求めました。 国連事務総長は4月に国連外交官のイタリア人を指名したのですが、西サハラとの交渉を嫌うモロッコは例によって拒否しました。 
 モロッコが拒否できない人物、、そんな人、います?? います。 モロッコも拒否できない国連関係者、、それは、前国連事務総長のパン・ギムン氏です。 
 私たちは、パン・ギムン氏を、国連西サハラ事務総長個人特使に推薦します!! 
 
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 「サラー西サハラ難民アスリート」の出版情報です。 
著者:平田伊都子、写真構成:川名生十、画像提供:アマイダン・サラー、SPS、 
定価:本体1,800円+税、 
発行人:松田健二、 
発行所:株式会社 社会評論社、東京都文京区本郷2―3―10、電話:03-3814-3861 
同じ「社会評論社」が出版してくださった「ラストコロニー西サハラ(2015年)」、「アリ 西サハラの難民と被占領民(2020年2月)」にも、お目を通してください。 
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Youtube2018年7月アップの「人民投票」(Referendum)もご案内。 
「人民投票」日本語版 URL :https://youtu.be/Skx5CP3lMLc 
「Referendum」英語版 URL: https://youtu.be/v0awSc25BUU 
Youtubeに2018年4月アップした「ラストコロニー西サハラ」もよろしくお願いします。 
「ラストコロニー西サハラ 日本語版URL:https://youtu.be/yeZvmTh0kGo 
「Last Colony in Africa]  英語版URL:  https://youtu.be/au5p6mxvheo 
 
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名生十     2021年6月30日 
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子 


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