2021年08月05日15時17分掲載  無料記事
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アジア

「日メコン外相会議」にミャンマー軍の指名した人物を招かないでください!

8月6日に開催予定の「日メコン外相会議」にミャンマー国軍が指名した人物が参加する可能性があることを受け、オンライン署名サイト「Change.org」でネット署名活動「『日メコン外相会議』にミャンマー軍の指名した人物を招かないでください!」が取り組まれている。署名を呼びかけたのは、「Peace Action for Myanmar 2021」。すでに1,000人以上(8月5日時点)が同署名に賛同している。 
 
署名活動の詳細は以下を参照。 
http://chng.it/tCHpKgLp 
 
※8月6日正午締切です。 
 8月6日(金)に開催が予定されている、日本政府主催の「日メコン外相会議」(オンライン)に、ミャンマー軍部の指名した人物が参加する可能性が高まっています。 
 「日メコン外相会議」は、2008年の第1回以来、毎年開かれ、今年が第14回となる予定でした。当初、今年3月頃の開催が予定されていましたが、ミャンマーでクーデターが起こり、延期となっていました。 
 共同通信の報道(7/30)によれば、延期の理由は、「軍政が参加する会議を開けば国内外から『軍政を承認するのか』と批判される恐れがあり」ということです。 
 しかしながら、今回突然、「日メコン外相会議」の計画が浮上したのです。 
 8月1日、クーデターから半年が経過しましたが、現地の状況はより一層、混迷の度合を増しています。ミャンマーの人権団体によれば、これまでに945名の市民が殺害され、7026名が逮捕、今も5474名が拘束されています(8月2日現在)。 
 日本の国会でも、ミャンマー国軍によるクーデターに対しては、衆参両院で非難決議が可決されています。 
 参議院の非難決議は以下の通りです。 
 「我が国は、ミャンマーにとっての最大の支援国として、同国の民主化プロセスを後押ししてきた。本年二月一日に発生したミャンマー国軍によるクーデターは、民主化への努力と期待を踏みにじるものであり、クーデターを引き起こした国軍による現体制の正当性は全く認められない。クーデター以降、ミャンマーでは、国際社会の度重なる呼び掛けにもかかわらず、国軍や警察による民間人に対する暴力が継続し、多数の死傷者及び拘束者が発生していることは断じて受け入れ難い。本院は、こうした状況を強く非難し、自らの自由と人権、民主主義を取り戻すために声を上げ行動を続けているミャンマー国民と共にあることを表明するとともに、ミャンマー国軍指導部に対し、民間人への残虐行為の即時停止、アウン・サン・スー・チー国家最高顧問を始めとする不当に拘束された国内外の人々の即時解放、人権及び人間の安全保障の尊重、民主的な政治体制の早期回復を強く求める。 
 政府においては、本院の意を体し、国際社会とも連携し、あらゆる外交資源を駆使して、これらの事項の速やかな実現に全力を尽くすとともに、被害を受けた少数民族や避難民に対する緊急支援の提供、ミャンマー国軍に対する武器輸出禁止に向けて取り組むことを強く要請する」 
 国会の決議、ミャンマーの人々の思いを無視し、「日メコン外相会議」へミャンマー軍部が指名した人物を招くことは、「小さな既成事実」の一つとなります。 
 こうした「小さな既成事実」が積み重なり、なし崩しにミャンマー軍を認めることにつながることを心から懸念します。

 問題の所在は、超党派の国会議員による「ミャンマーの民主化を支援する議員連盟」事務局の石橋みちひろ参議院議員が詳しく話しておられます(「ミャンマー ともに歩む/まえに進む―いまの情勢と声」より) 
https://www.youtube.com/watch?v=zHQ-s4lDkNc&t=4s 
 現在のミャンマーの状況を正確にとらえ、国会決議、そしてミャンマーの人々の声、思いを尊重し、「日メコン外相会議」にミャンマー軍部が指名した人物を招くことを止めてください。 
 「日メコン外相会議」にミャンマーから参加するべきは、昨年の総選挙で勝利した議員や、少数民族のリーダーなどで構成されている「国民統一政府(National Unity Government: NUG)」の代表であるはずです。
 ぜひNUGの代表とともに、今回の「日メコン会議」でコロナ感染の防止、人道支援などを協議、連携してくださるよう心より強く求めます。 


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