2021年08月21日20時57分掲載  無料記事
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核・原子力

【たんぽぽ舎発】日本原電敦賀原発2号機の審査中断決定 (上) 規制委に「審査終了」を要求しよう  原電に原発を動かす資格なし  山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)

項目紹介 
1.敦賀原発2号機の「審査会合」で審査中断決定 
2.断層上に原発は建てられない 
3.ボーリングデータ書き換えとは 
  以上を(上)に掲載 
 
4.「絶対にあってはならないこと」をした日本原電 
5.「確認」でなく「聞き取りとしなければおかしい」 
  「検査の実態」に更田委員長が指摘 
6.東海第二原発の審査も見直し、廃炉にするべき 
7.3/18水戸地裁判決に日本原電は従え 
  以上を(下)に掲載 
 
 
1.敦賀原発2号機の「審査会合」で審査中断決定 
 
 日本原電敦賀原発2号機のデータ捏造問題に関し、現在進行している新規制基準適合申請の審査を巡り、原子力規制委員会は7月28日の審査会合で、すでに作成、提出済だった資料のデータを削除し上書きしていた問題について、別の資料にも疑惑があるとして審査を継続するかどうか、8月18日の定例会合で議論し判断することとした。そして同日、審査中断が決定され、今後提出資料の信頼性が確認されるまで再開しないとした。 
 
 特に石渡明委員(専門は地質学)は、資料の書き換えや誤った記載が少なくとも一昨年以降相次いでいるとして「資料が適切なものか、正しいかどうかについて非常に疑問がある」と指摘、また、東海第二原発についても触れて「同じ会社なのになぜこうした違いが生じたのか明らかにする必要がある」として、審査を止めるべきとの意見を表明した。(NHK7月28日) 
 
2.断層上に原発は建てられない 
 
 国の指針、2006年改訂の「耐震設計審査指針」では、後期更新世(約13万−12万年前)以降の活動が否定できない断層を活断層とし、その上には原子炉建屋など安全上重要な施設は建てられないことになった。なお以前の「旧指針」では5万年前以降の活動が否定できない断層を活断層としていた。 
 
 これまでにも敦賀原発には直下に活断層があると指摘されてきた。直下の断層が、活断層として既に確認されている「浦底断層」と連動して動く可能性があると、渡辺満久東洋大学教授ら変動地形学の研究者も2008年から指摘していた。 
 2014年4月、4人の専門家からなる専門会会議は「活断層である可2013年5月に「活断層である」と判断した後にも原電が「活断層ではない」と反論し、調査結果を追加提出していたため、その追加の再調査が2014年1月に行われた。しかし結論は変わらなかった。 
 
3.ボーリングデータ書き換えとは 
 
 日本原電は規制委の審査会合で「敦賀2号機の重要施設の中にk断層はつながっていないとの確認結果を得ましたので御説明させていただきたい」(2020年2月7日の審査会合での和智信隆取締役副社長発言)として資料を提出した。 
 しかしこの会合で、審査の中断が規制委から通告された。 
 
 原発立地には敷地の地質や地質構造を調査し、地震などでも原発を支えることができる安定的地盤であるかを調べるためボーリング調査を行う。断層がある場合は、それが活断層であるかどうかも確認することになっていた。 
 この時の中断は10月30日に原電が追加で資料を提出したことから、再開されている。 
 しかし、その判断が妥当だったのかが、今問われている。 
 今回は、原電への立ち入り調査に基づく規制庁職員が作成した中間報告書の記載内容に問題が指摘されていた。 
 
(下)に続く 
(初出:2021.8.20発行「たんぽぽ舎金曜ビラ」) 


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