2021年09月04日14時48分掲載  無料記事
http://www.nikkanberita.com/print.cgi?id=202109041448276

遺伝子組み換え/ゲノム編集

ゲノム編集のタイ 近く「届出受理」で流通へ道

 現在、世界で流通している遺伝子組み換えの魚は、米国のアクアバウンティが開発し陸上養殖しているサーモンだけだが、2つ目の遺伝子操作された魚が近く「承認」されるという。厚労省はこの9月、ゲノム編集により筋肉量を増やしたタイに関する届出を受理する、と読売新聞が報じている。同紙によれば、陸上の施設で養殖するため、天然のタイとの交配はないという。今回もサナテックシードのゲノム編集高GABAトマトと同様に、「届出」の「受理」であって安全審査は行われないまま、また、表示のないままに流通に道を開くことになる。(有機農業ニュースクリップ) 
 
・読売, 2021-8-19 
ゲノム編集で1・5倍肉厚にしたタイが流通へ…来月にも受理、魚では国内初 
  https://www.yomiuri.co.jp/science/20210819-OYT1T50164/ 
 
 厚労省が「届出」を「受理」するというゲノム編集のタイは、京都大学の木下政人助教などの研究グループが、ゲノム編集で開発した筋肉増強タイのようだ。厚労省の遺伝子組換え食品等調査会は今年2月から6月にかけて5回、一般的な検討と断り、ゲノム編集魚の「受理」へ向けて議論していた。今年3月に開催された組換え食品等調査会に提出された木下助教の資料によれば、このタイは、ゲノム編集により、外来遺伝子を導入することなく、筋肉量を調節している4ないし8個の遺伝子をオフにするという。こ遺伝子操作により体重は1.2倍、可食部は1.5倍になるという。 
 
・遺伝子組換え食品等調査会, 2021-3-17 
ゲノム編集養殖魚の開発と意義 
  https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/000753910.pdf#page=30 
 
 昨年12月に、日本で初めてのゲノム編集トマトの「届出受理」の際は、遺伝子組換え食品等調査会が「届出」に該当するか審査を行っている。この会合の3日ほど前に開催期日が公表された。おそらく、今回も同様の手順が踏まれるものと思われる。9月4日現在、遺伝子組換え食品等調査会の開催日程は明らかではない。 
 ・遺伝子組換え食品等調査会(日程及び資料) 
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-yakuji_148834.html 
 
【関連記事】 
・厚労省調査会 ゲノム編集魚類の議論を始める 
http://organic-newsclip.info/log/2021/21021105-2.html 
 
・ゲノム編集トマトの流通が現実に まず家庭菜園用から供給 
http://organic-newsclip.info/log/2020/20121096-1.html 


Copyright (C) Berita unless otherwise noted.
  • 日刊ベリタに掲載された記事を転載される場合は、有料・無料を問わず、編集部にご連絡ください。ただし、見出しとリード文につきましてはその限りでありません。
  • 印刷媒体向けの記事配信も行っておりますので、記事を利用したい場合は事務局までご連絡下さい。