2021年12月16日14時31分掲載  無料記事
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アジア

〈クーデターから10ヶ月、ミャンマーの今 なぜ止まらない日本からの資金〉日本のNGOなどがオンラインセミナーを開催

今年2月1日、ミャンマーで軍事クーデターが発生。ミャンマー国軍はクーデター以降、市民に対する拷問、逮捕を繰り返し、死者はすでに1,300人を超えた。また、クーデターで拘束されたアウンサンスーチー氏は今月6日、社会不安を煽った罪などで禁錮4年(恩赦により2年に減刑)の有罪判決を言い渡されており、依然収束の兆しが見えない。 
 
こうした中、人権や環境問題に取り組む日本のNGO団体などは今月13日、2月1日にミャンマーで軍事クーデターが発生して以降も、日本政府や大手企業がミャンマー国軍を利する可能性のある事業を継続しているとして、オンラインセミナー〈クーデターから10ヶ月、ミャンマーの今 なぜ止まらない日本からの資金〉を開催した。 
 
セミナー第一部の冒頭、キンオーンマー氏(民主化・人権運動家、NGOプログレッシブ・ボイス諮問委員会議長)から届いたビデオメッセージが紹介された。同氏は、日本の大手企業による各事業がミャンマー国軍の利益に繋がっている可能性があると指摘し、「軍政の残虐行為に加担する日本企業を止めてほしい」と市民に協力を求めた。 
また、伊野憲治氏(北九州市立大学教授)はミャンマー情勢の今後の展開について、国軍が1年から2年半以内に総選挙を実施し、NLDの解党や選挙制度の変更に手をつける可能性があると指摘した。 
 
第二部では、木口由香氏(メコン・ウォッチ)及び波多江秀枝氏(国際環境NGO FoE Japan)が資料を用いながら、日本政府・大手企業がミャンマー国内で深く関与している事業(イェタグン・ガス田開発、Yコンプレックス、ティラワ経済特別区開発、バゴー橋建設)について紹介。これら事業の収益がミャンマー国軍に流れている可能性があるとして、日本政府に国軍との関係を直ちに断ち切るよう強く求めた。 
 
なお、セミナーの主催団体は今月上旬にオンライン署名活動(#ミャンマー国軍の資金源を断て 日本政府はミャンマー国軍の暴挙を止めるために、日本からの国軍への資金の流れを止めてください)を開始。クーデターから1年となる来年2月1日頃に日本政府への署名提出を予定している。 
 
※セミナー登壇者の資料やオンライン署名活動の詳細は以下を参照。(メコン・ウォッチHPより) 
http://www.mekongwatch.org/events/lecture01/20211213.html 
 
・ビデオメッセージ:キンオーンマー氏(民主化・人権運動家。NGOプログレッシブ・ボイス諮問委員会議長) 
ビデオ https://youtu.be/-51i1Y5IfSo 
 
・ミャンマー政治の現状と今後の展望ー軍の対応を中心としてー:伊野憲治氏(北九州市立大学教授) 
発表資料 http://www.mekongwatch.org/PDF/Seminar20211213_PPT_ino.pdf 
 
資料1:2020 年総選挙の概要と不正問題http://www.mekongwatch.org/PDF/Seminar20211213_ino_REF1.pdf 
 
資料2:『ミャンマー連邦共和国憲法 2008 年』関連条項抜粋http://www.mekongwatch.org/PDF/Seminar20211213_ino_REF2.pdf 
 
資料3:1988 年と 2021 年民主化運動の比較 
http://www.mekongwatch.org/PDF/Seminar20211213_ino_REF3.pdf 
 
・ミャンマー国軍と日本の経済支援ーガス田開発(イェタグン)、都市開発(Yコンプレックス):木口由香氏(メコン・ウォッチ) 
発表資料 http://www.mekongwatch.org/PDF/Seminar20211213_PPT_kiguchi.pdf 
・経済特別区(ティラワ)、バゴー橋建設:波多江秀枝氏(国際環境NGO FoE Japan) 
発表資料 http://www.mekongwatch.org/PDF/Seminar20211213_PPT_hatae.pdf 
 
・オンライン署名活動(2/1頃に提出) 
https://chng.it/hLjYwzWH5c 


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