2022年01月05日15時20分掲載  無料記事
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国際

【西サハラ最新情報】  「オミクロンで暮れオミクロンで明け」  平田伊都子

 明けましておめでたいのは、オミクロン感染者の増加を喜々として数える人々です。 製薬会社の人々、関連会社の人々、関連医療研究所の人々、、、WHOも然りなのでしょうか? 
 「2022年のコロナ収束に、私は楽観的だ」と、2021年12月31日にWHOのボスはケロっと言いました。 「私の感想」ではなく、まず、科学的根拠を示してください。 
 
。鰻遑菊のジョンズ・ホプキンス大学集計によると、世界の感染者数累計が292,623,299人で 死者数累計が:5,449,623人 : 
 1月5日、NHK が、「ジョンズ・ホプキンス大学のまとめによりますと、3日に報告された感染者の数はおよそ108万人と、これまでで最も多かった先月30日の59万人を超えて過去最多を更新しました」と、報道した。オミクロンの所為だという。 
 フランスでも2021年12月29日に、コロナ新規感染者が20万8000人を超えている。フランスのオリヴィエ・ヴェラン保健相は、「オミクロンについては、もう<波>とは言わせない、<津波>だ」と記者団に気取って見せた。 
 アメリカの感染症対策トップのアンソニー・ファウチ博士は、同国におけるオミクロン株の感染拡大が、1月末にピークを迎えそうだとアメリカCNNに語った。人口規模とワクチン接種率に基づく推定だそうだ? 
 2021年暮れの12月29日に、ワクチンセール・セールスマンのテドロスWHO事務局長は、「デルタ株とオミクロン株の組み合わせが、新型コロナウイルス感染症COVID-19の危険な感染の<津波>を引き起こしている」と、語った。テドロスWHOボスはチャッカリ、フランス保健相の<津波>という言葉を盗用し、デルタ株までは対対できるとされるワクチンの在庫整理を促した。テドロスWHOボスは、また、来年前半のうちに世界の人々の「70%がワクチン接種を受けることを目指すキャンペーンを、みんなで後押しすると、新年を迎えるにあたって決意しろ」と、呼びかけた。WHOによると、ワクチン接種率40%という最初の目標を達成できていない国は、まだ100カ国近くあるという。 
 2022年1月4日、西サハラ難民キャンプの保健省は「今日まで1週間のコロナ新規感染者数は23人、死者は1人、回復が1人。感染者数累計が1894人、死者79人、回復者が1745人を数えている」と発表した。因みに、難民の総人口は176,000人と言われている。 
 
∪哨汽魯蘰駝吋ャンプ・コロナ対策委員会: 
 2021年末、モロッコでもコロナ新規感染者数が、12月26日には291だったのが27日には突然3倍の1184、28日は1504、29日は1960人と、急増した。アルジェリアでは、12月28日の新規感染者は382人だった。近隣諸国でオミクロンが猛威を振るうなか、アルジェリア北西部の砂漠にある西サハラ難民キャンプでは、12月26日に「新型コロナウィルス対策委員会」が、ヒラ・ブラヒ・アバド保健大臣の進行で開かれた。人里離れた西サハラ難民キャンプでも、SNSは貧しいながら普及していて世界のオミクロン 猛威ニュースに難民たちは不安を隠せない。2021年4月にガリ難民大統領が重症のコロナに感染し、スペインの病院に緊急空輸され、モロッコからその重病の大統領を誘拐されそうになった事件がある。会議では全ての難民に「ワクチンセンターでワクチンを接種しろ、密を避け、マスクをしろ」と、ハッパをかけているのだが、、ワクチンはどこに有るんだろ? 難民政府の要人はマスクをしているが、一般難民もマスクを持っているのだろうか?? 
 2022年1月3日、ガリ西サハラ難民大統領は、ラボニ難民センターから一番遠く160km離れたダハラ難民キャンプに、初の病院を開設させた。西サハラ難民キャンプ群は5か所あり、伝染病の感染を防ぐため、それぞれが30km以上離されている。キャンプに簡易クリニックはあっても、設備のある病院はラボニ難民センター中央病院だけだった。 
 年頭の演説で、ガリ西サハラ難民大統領は「西サハラ大義と西サハラ人民による民族自決権行使の闘いに、惜しみない支援を送ってくれているアルジェリアには感激している。そして我々は、西サハラ人民の正当な闘争に援助を続けてくれている世界中の誇らしい仲間たち、特にアフリカの兄弟たちの、友情に感謝している」と、語った。 
 一方、西サハラ難民と被占領民が頼りにするアルジェリアは、<パレスチナと西サハラ>への支援を明確に打ち出している。2021年12月にパレスチナ大統領アッバスをアルジェリアの国賓として招き、2022年3月にアルジェリアで主催するアラブ首脳会議では、パレスチナ問題を最重要課題とすることを、誓い合った。テブン・アルジェリア大統領はサウジラビア法務大臣やチュニジア大統領などと会談を重ね、首脳会議の成功とアラブの団結を目指している。西サハラ問題に関しては、隣国モーリタニアの大統領をアルジェリアに招き、政治、経済、運輸、文化にまで至る両国の課題に加え、国連西サハラ会議のオブザ―バーとして、具体的な相談をした。 
 
モロッコの旧年と新年はイスラエルブーム: 
 <モロッコ・アメリカ・イスラエル三国友好契約>を、旧年も新年もモロッコは外交成果とばかりに宣伝し、イスラエル・イベントを繰り広げている。この三国契約は別名を<アブラハム合意>の一つと呼び、前アメリカ大統領トランプの娘婿でユダヤ系アメリカ人のクシュナーによる<イスラエルとモロッコの国交正常化>を指す。パレスチナ大義の支持を表看板にしてきたモロッコは、パレスチナをイスラエルに売った。その代わりに、前大統領トランプに、「西サハラはモロッコのもの」と、言わせた。2020年末のこの<モロッコ・アメリカ・イスラエル三国契約>が、2021年のモロッコをアラブ世界の裏切り者にしてしまった。それでも、モロッコ国王モハンマド六世は、「モロッコはパレスチナの味方」と公言し続け、そのモロッコをアラブ世界は糾弾しない。アルジェリアだけが、2021年にモロッコとの国交を断絶した。 
 モロッコ国王ムハンマド六世陛下は、西サハラを自分の物にするためなら、何でもするということが明確になった。国連憲章や国連決議などは、とうの昔に吐き捨てた。モロッコには一応、議会がある。が、実際にモロッコを動かしているのは、国王の取り巻きと国王だと言われている。18才の一人息子は、与えられた小型ジェット機で飛び回っている。 
 モロッコ庶民の若者たちは、どこにどうしているのだろう? 
 2021年12月22日、兵役に狩りだされることになっていた80人の若者たちが、モロッコ北部にあるスペインの飛び地領メリリャに密入国しようと、国境の高いフェンスに挑戦した。14人がフェンスを乗り越え、モロッコ脱出に成功した!成功者の一人が、「俺たちは<砂の壁・地雷防御壁>に配備されるんだ。いつ、どっから飛んでくるかもしれない弾に当たるなんて、マッピラだ。俺たちは、西サハラ戦争とは、全く関係ない」と、スペイン日刊紙<La Razon>のインタヴューに答えていた。 
 2021年末には、モロッコの人身売買組織から与えられたジェットスキーに密入国者を同乗させて、スペイン沿岸警備隊の追跡をかわすモロッコ人若者の姿があった。 
 12月29日、スペイン税関警備隊に押収された5トンの麻薬ハシッシュ前にした、3人のモロッコ若者の手錠姿が悲しかった。 
 2021年12月27日、モロッコに民主主義を求める若者のグループ<進歩民主青年同盟>がデモを行った。たちどころに王立治安部隊の出動となり、デモ隊は鎮圧された。 
 
 さて、2021年12月31日、MAPモロッコ国営通信が、「モロッコ国王モハンマド六世陛下は世界の友好的なリーダーたちに、年賀状を送った」と発表し、宛先の一覧を公表しました。 それによると、ヨルダン国王夫妻、UAE首長、ドバイ首長、クウェート首長、ベルギー国王、中国主席、そして、エジプト、チュニジア、ロシア、イタリア、赤道ギニア、クロアチア、アゼルバイゼン、ハンガリー、ポーランド、ウクライナ、セルビア、ベトナム、韓国、ルワンダ、エチオピア、トルクメニスタン、チェコと、大統領が続き、カナダ総督、NATO事務総長、でしめられています。 
 どうして、日本や欧米やイスラエルはリストアップされていないんでしょうね? 
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 「サラー西サハラ難民アスリート」の出版情報です。 
著者:平田伊都子、写真構成:川名生十、画像提供:アマイダン・サラー、SPS、 
定価:本体1,800円+税、 
発行人:松田健二、 
発行所:株式会社 社会評論社、東京都文京区本郷2―3―10、電話:03-3814-3861 
同じ「社会評論社」が出版してくださった「ラストコロニー西サハラ(2015年)」、「アリ 西サハラの難民と被占領民(2020年2月)」にも、お目を通してください。 
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Youtube2018年7月アップの「人民投票」(Referendum)もご案内。 
「人民投票」日本語版 URL :https://youtu.be/Skx5CP3lMLc 
「Referendum」英語版 URL: https://youtu.be/v0awSc25BUU 
Youtubeに2018年4月アップした「ラストコロニー西サハラ」もよろしくお願いします。 
「ラストコロニー西サハラ 日本語版URL:https://youtu.be/yeZvmTh0kGo 
「Last Colony in Africa]  英語版URL:  https://youtu.be/au5p6mxvheo 
 
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名生十  2022年1月5日 
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子 


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