2022年05月01日16時22分掲載  無料記事
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国際

「ラマダン停戦?復活祭停戦??人道回路停戦???」【西サハラ最新情報】  平田伊都子

 ラマダン停戦、復活祭停戦、人道回路停戦、、何にかこつけてもいいから、とにかく停戦して欲しいです!  国連事務総長がロシアとウクライナに行くと聞かされた時は、誰もが「もしや、停戦交渉に?」と、期待を抱きました。 同時に、「何故、ロシアとウクライナの両当事者を同じテーブルにつかせないのか?」と、疑問の声が上がりました。 そうすれば、ゼレンスキー・ウクライナ大統領から、先着順番にケチをつけられることはなかったし、、記者団から旅費の無駄を突っ込まれることもなかったのでは?、、 
 
々駭∋務総長が戦争両当事者、ロシア大統領とウクライナ大統領と別々に会う: 
 ロシアとウクライナに信者が多い東方教会の復活祭は、4月21日に始まり4月24日に終わった。しかし、事務総長が公言した復活祭停戦はなかった。 
 一方、イスラム教の2022年ラマダン(断食月)は4月1日に始まり、4月30日に終了した。7年間続いたイエメン戦争の両当事者はイエメンとサウジアラビアでイスラム教徒だから、国連提唱の1か月ラマダン停戦はあっけなく決まった。国連は続く1か月も停戦と提案し双方が合意し、計2か月間の停戦が決まった。しかし、ラマダンが明ける前から、停戦破りが日常化している。残り1か月の停戦は、熾烈な再戦となりそうだ。 
 グテーレス国連事務総長は、プーチン・ロシア大統領とゼレンスキー・ウクライナ大統領の両戦争当時者を別々に、夫々、モスクワとキーウに訪問した。人道回路停戦を両者に提案したそうだが、そんな面倒くさいことをせず、戦争両当事者を一緒の席に着かせて、直接、停戦交渉をすべきだと、誰もが思った。殊に、兵糧攻めで包囲されている鉄工所内の兵士や市民の救出は一刻を争うんじゃなかったのですか?、、(と言いながら、異常に長く耐えているのも不思議?) 
 ゼレンスキーとの合同記者会見で国連事務総長は、「国連安保理が戦争回避と停戦に失敗した」と、嘆いて見せ、自己の戦争責任を回避した。そして、1,300人の人道援助職員を展開させ、8月末までに200万人に金を支給する事や6月末までに600万人に食料を配布する事などを、公表した。もともと乗り気でない人道回路停戦は、強調しなかった。 
 いっそのこと演説の後に、定番の<地球温暖化>を登場させ、戦車や戦闘機の排気ガスが、普通乗用車の2年分に当たることを強調して、<気候温暖化停戦>を唱えるべきだった。グッド・オフィスの名に相応しくない、グッド・チャンスを逸した国連事務総長ロシア・ウクライナ・ツアーだった。 
 
◆秧洋爐虜宿埖危機>は西サハラの砂を襲う(国連環境計画発表): 
 国連事務総長が常々自慢するように、国連には様々な組織があり、様々な人々が生計を立てている。 4月26日は事務総長とプーチン・ロシア大統領との会見予定日で、ステファン報道官は国連ボスに随行しているため、ファラハン副報道官が報道室を仕切っていた。国連記者会見時には事務総長とロシア大統領が会見中だったようで、副報道官は砂・環境報告を取りあげた。 
 国連環境計画のパスカル・ペドゥッチ氏は、「砂は水に次いで最も人間に利用されている天然資源だ。 ガラスやコンクリート、建築資材などに使用されるが、その使用はほとんど管理されていない。その消費量は年間500億トンに及び、このままでは河川や海岸線を破壊し、小さな島々を消滅させる可能性さえある」と、警告した。危機回避に向け、砂浜の採掘禁止を含む緊急対策を呼び掛けた。「人類は非常に速いスピードで採掘を続けている」と、言及した。現在、砂採掘の中心はアフリカに移っているとみられる。湖や海岸から砂を採掘し、都市建設を進めたり輸出したりしている。無制限な砂の採掘で、海岸は暴風雨などの気候変動影響をより受けやすくなる危険性に曝されている。 
 モロッコは大西洋に面した西サハラ海岸の砂を盗掘して、スペインのカナリア諸島や湾岸諸国に売り飛ばしている。1998年の記録によると、西サハラの砂140.000 キュービック・メーター(立方メートル)が、カナリア諸島に運ばれていたという。近いところでは、2019年12月、モロッコ占領地・西サハラから運ばれた砂が大カナリア島に搬送され、港で待ち構えていたダンプに積まれ、グラン・カナリア島のモーガン・リゾート地に運ばれていったそうだ。今や、モーガン海岸は、西サハラの白砂で覆われている、、 
スペインやドバイのリゾート地で真っ白い砂を見たら、西サハラから来たんだと思ってください。お土産に、ビンに入った砂の絵などいかがですか? 
 
9駭定例記者会見で、モロッコの偽情報を否定した副報道官: 
 砂・環境報告があった4月26日の国連定例記者会見で、ファラハン副報道官は、「MINURSOミヌルソ(国連西サハラ人民投票監視団)から、無数に拡散しているモロッコ・ネット情報の真偽を検証したとの報告があった。彼、MINURSOミヌルソ(国連西サハラ人民投票監視団)チーフ・アレキサンダー・イヴァンコが、<武器を運んでいたポリサリオ軍(西サハラ難民軍)のコンボイ(車列)が空爆を受け破壊した>という記事の情報元だと、モロッコは言及している。が、彼自身は否定している。MINURSOミヌルソ(国連西サハラ人民投票監視団)は4月13日に現場検証し、2台のトラックと1台の軽自動車が空爆されているのを確認した。が、(モロッコが言うところの)被災者や武器の事は把握していない。イヴァンコは4月20日の安保理で検証事実を報告している。が、(モロッコが言いふらしている)そんな事は言ってない」と、モロッコ・ネット情報を否定した。 
 事件の真相は、、「2022年4月11日、西サハラ解放区を走るトラック2台と軽乗用車がモロッコ軍基地から発射された神風ドローンで破壊され、アルジェリア商人3人が爆死した」という事だ。この事件を、「モロッコはポリサリオ戦線西サハラ難民軍が武器を運んでいたので、神風ドローンでやっつけた」と、捏造した。 
 4月29日金曜日、ラマダン最後の集団礼拝日の国連定例記者会見は、ウクライナに続く<ラマダン連帯ツアー>の予告で始まった。「土曜日、事務総長は<ラマダン連帯>でセネガル、ニジェール、ナイジェリアを訪問する。事務総長は2022年AUアフリカ連合議長のマキイ・サル・セネガル大統領とイフタール(ラマダン明けの晩餐)を楽しみ、月曜日にはモハメド・バズーム・ニジェール大統領とラマダン明けの祭りを祝い、火曜日にムハンマド・ブハリ・ナイジェリア大統領とラマダン明けの祭りをしめて、ニューヨークに戻る」と、報告した。 
 質疑応答の最中、副報道官にメモが渡された。「今入った情報によると、アフガニスタン首都カブールのダルラマン地区にあるスフィ・モスクで礼拝中のイスラム教徒が襲撃され多数の死傷者が出た。(50人が死亡、多数が負傷)ハリファ・サヒブ・モスクの襲撃では国連職員と家族が犠牲になった」と、臨時ニュースを発表した。 
 パレスチナでも、イスラエルによるパレスチナ人襲撃が、占領地のモスクで続発している。国連事務総長が唱えたラマダン停戦は?どこにも見られません。 
 
 ラマダン停戦に失敗したのにグテーレス国連事務総長は、ウクライナから直接、ラマダン明けの晩餐会に向いました。 次の日もその次の日も、アフリカのイスラム諸国でラマダン明けの祭りを楽しみます。 
 グテーレス国連事務総長はイスラム教に改宗したのかな? やっぱり、ラマダン(断食)をしたのかな?? 
 
 
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 「サラー西サハラ難民アスリート」の出版情報です。 
著者:平田伊都子、写真構成:川名生十、画像提供:アマイダン・サラー、SPS、 
定価:本体1,800円+税、 
発行人:松田健二、 
発行所:株式会社 社会評論社、東京都文京区本郷2―3―10、電話:03-3814-3861 
同じ「社会評論社」が出版してくださった「ラストコロニー西サハラ(2015年)」、「アリ 西サハラの難民と被占領民(2020年2月)」にも、お目を通してください。 
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Youtube2018年7月アップの「人民投票」(Referendum)もご案内。 
「人民投票」日本語版 URL :https://youtu.be/Skx5CP3lMLc 
「Referendum」英語版 URL: https://youtu.be/v0awSc25BUU 
Youtubeに2018年4月アップした「ラストコロニー西サハラ」もよろしくお願いします。 
「ラストコロニー西サハラ 日本語版URL:https://youtu.be/yeZvmTh0kGo 
「Last Colony in Africa]  英語版URL:  https://youtu.be/au5p6mxvheo 
 
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名生十  2022年5月1日 
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子 


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