2022年05月10日19時04分掲載  無料記事
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反戦・平和

ロシアでの戦勝記念日に合わせ 日本の市民団体がロシア大使館前で抗議

 ロシアでは9日、ナチスドイツへの勝利を祝う記念式典や軍事パレードが開催された。プーチン大統領は式典の場で「戦争宣言」こそしなかったものの、隣国ウクライナに対する軍事侵攻の正当性を改めて強調した。こうした中、日本の市民団体「武器取引反対ネットワーク〈NATAT〉」は同日、ロシア大使館周辺で抗議行動(プーチンの「戦勝記念日」血のパレードに抗議する!5.9ロシア大使館前ブラックスタンディング&死者の行進)を実施し、「プーチンは侵略をやめろ!」などと声を上げた。 
 
同行動の詳細は以下を参照。(杉原こうじ=武器取引反対ネットワーク〈NAJAT〉代表のブログより)https://kosugihara.exblog.jp/241447732/ 
 
【報告】「戦勝記念日」血のパレードに抗議する〜ロシア大使館前で多様な行動 
 
 稀代の戦争犯罪人プーチンは、5月9日の対独「戦勝記念日」を、進行中のウクライナでの戦争犯罪、人道に対する罪などを正当化するために利用し、モスクワの赤の広場で「勝利のパレード」を強行しました。パレードは大虐殺を行っているマリウポリなどでも強行されました。 
 これに対して、ロシアの「フェミニスト反戦レジスタンス」は、5月9日を「災厄の日」と位置づけ、「不滅の連隊」を「死滅の連隊」に、「勝利のパレード」を「血のパレード」だと宣言。ウクライナで殺された人々を記憶・追悼するために、黒い服を着て、黒いリボンを手に広場や通りに出ようと呼びかけました。さらに、殺されたウクライナの人々を追悼する記念碑の設置や、水性の赤い塗料(血を表す)で侵略のシンボルとなっている「Z」の文字を描いたり、軍事施設などのそばに赤い"血だまり"を残すことも提案しました。現在の苛烈な弾圧のもとで、リスクを引き受けながらの抗議行動です。 
 私たちNAJATは、「ロシアはウクライナ人の血で溺死した」と主張するこの勇気ある行動に連帯して、日本の地でも声を上げようとロシア大使館前での緊急アクションを呼びかけました。「戦争は直ちに停止し、占領軍は撤退し、ロシア政府と軍隊はウクライナの市民に対して犯した戦争犯罪の罪で裁判にかけられなければならない」(フェミニスト反戦レジスタンス)との要求を共有するからです。 
 5月9日午後3時前に神谷町駅出口に集まった16人の参加者は、徒歩で大使館方面に移動。またしても麻布警察が、はるか手前の松屋前付近でブロック。抗議しつつ、やむなくサイレントスタンディングを始めました。その後、2枚を張り合わせた模造紙に、侵略のシンボルである「Z」の文字を、血に見立てた赤いスプレーで大きく描き、上に「NO WAR」を加えました。その周りに参加者が「侵略やめろ」「殺すな」などとマジックで書き込みました。 
 仕上がった大きな抗議プラカードも掲げながら、横断歩道を渡って大きく回りこみ、飯倉交差点の中州を目指しました。4月23日のロシア大使館デモの終了後に有志で取り組んだ行動と同様の手法で、大使館により近い中州に進出。しばらく怒りのコールをぶつけました。 
 その後、いったん松屋前に戻った後、警察が勝手に押し付けた「5人ずつ」ルールをやむなく「尊重」しつつ、大使館正門の向いまで行って抗議の声をぶつけてきました。 
 結局30分の予定が、フルコースで1時間30分近くに及びました。雨も降るのを待ってくれ、テレビ・新聞双方の取材も入り、一定の意義あるアクションになったように思います。ロシア国内での行動への弾圧がどうだったのか、気になるところです。 


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