2022年06月03日20時34分掲載  無料記事
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欧州

最近の出来事・・・そう、私は外国人〜チャオ!イタリア通信 サトウノリコ

 「住めば都」と言いますが、イタリア、トスカーナ州の小さな町に住んで15年近く。人間とは不思議な生き物で、環境に慣れてくるものらしい。普段暮らしている時に、「自分は外国人だ」と意識することはほとんどなく、仕事に行って、スーパーで買い物して・・・しかも、ラインやスカイプで日本の家族と友だちと連絡もすぐに取れるということも、日本にいる時とそうそう変わらない、と思って過ごしているが、ここに来て、やっぱり「自分は外国人」「自分は日本から遠くに住んでいる」と思わされる出来事が・・・! 
 
 まずは、今年こそは日本に帰ろうと思い、その準備から。コロナが始まって3年も日本に帰ることができなかったため、何があっても帰るという意気込みで、準備を始めたが、イタリア人の夫と子どもたちのビザ取得の情報を調べる。夫のビザ取得には、日本の戸籍謄本が必要ということで、80歳を超える母親を担ぎだすのは心引けて、姉に戸籍謄本を取ってもらおうと思う。それには、まず私直筆の委任状が必要とのこと。書いて、急いで日本の姉に送ろうと思ったら、郵便局で「速達は41ユーロ(約5000円)」と言われて「ガーン!!!」と落ち込み、結局12ユーロの書留で送ったところ、2週間ぐらいで届いたという出来事。 
 
 手紙一通出すのに、3キロの荷物を送るよりも高い金額を支払うとは・・・・。 
 
 次に、戸籍謄本を取ったのはいいが、日本からイタリアに送るのに、今は船便しかないというニュースを友だちから聞いて、また「ガーン!!!」。船便だと、届くのに3か月以上かかるとのこと・・・。結局、こっちの友だちも旦那さんが日本に行きたいということなので、友だちの旦那さんの戸籍謄本と私の夫の戸籍謄本を合わせて、DHLで日本から送ってもらうことに。割り勘して、一人頭25ユーロ(約3000円)支払う。もし一人でDHLで送ったら、6300円支払わなければならなかったという出来事。 
 
 手紙一通出すのに、6000円以上!? 
 
 さらに、私の銀行口座を開くのに、オンラインでやってみたが、なかなか受け付けてもらえなかった。滞在許可証を添付しなければならないということ。普段生活していると、全く使わない滞在許可証。どこか旅行する時には携帯しているが(ほとんど旅行することもなく過ごしているから?)、更新する時がなければ、何も使わない。だから、すっかり滞在許可証の存在を忘れていた・・・。滞在許可証は、無期限のものを取得したが、そこには古いパスポートの期限が書かれている。それを滞在許可証の期限と間違えた銀行の人が、滞在許可証は期限が切れていると言ってきた。滞在許可証を管轄する警察署に、新しいパスポートの情報を載せてもらえるかどうか確認しないといけない。対応の悪い警察署に電話するのは、すごく気が重いという出来事。 
 
 そうだ、私はここでは外国人なのだ・・・。 
 
 当たり前のことに、ハッとさせられた日々でした。 


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